09:謝罪しまくる系女子
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「【名前】さんは正当防衛だと思いますよ。」
泣きじゃくるだけで話にならない私の代わりに、カールさんがなぜ私がアユソさんに退魔護符を投げ付けるに至ったのか説明してくれた。そのせいで白目をむきながら気絶しているアユソさんを皆さんは「あ~…」と納得の表情をしながら呆れた目で見てるわけだけど…、こっちの国では男性が女性の手の甲に口付けるのは女性に対して尊敬や敬愛を表すためだそう。そしてアユソさんは特にそういうのを尊重する方だからアユソさんは何にも悪くないわけで…。だからどうにかアユソさんが悪くないということを伝えたいのだけど…、
「ア゛ユ゛ゾざんばばびも゛ばる゛ぐあ゛り゛ま゛じぇん゛…!わ゛だじがい゛づも゛の゛ごどぐがびん゛びばん゛の゛お゛じぢゃっで…!」
「何言ってんのかわかんねぇよ。」
涙が止まらなくて全部濁点が付いたような汚い声しか出てこない…!だから私の伝えたいことは伝わらないし、思いっきり呆れてるんだろうサベダーさんの言葉がごもっともすぎる…!
「ところでどうしたんです?【名前】さんは男性不信なのにこんな男性しかいないところにやってくるなんて。」
「え゛…、えっど……」
「あ!わかった~!」
クラークさんに言葉に泣いている場合じゃないとハッとするも、背後から聞こえてきた明るい声に身を震わせる。だけど時既に遅く、背後から来た何者かに私はガバッと抱きつかれた。
「僕への約束果たしに来てくれたんだね!【名前】ちゃんってばホント律儀~!」
「ヒイイィィィーッ!!」
その何者かとは、わかりきってるけどモートンさんなわけで…。
というか、なんでこの人はいっつも私の背後を狙ってくるんだ…!
そう思いつつ身を捩るも、恐怖と恥ずかしさから顔は血の気を引かせたり熱を集めたりし始めてる…!
「【名前】ちゃん言ったもんね?『私の持ってるものなら何でも差し上げま…』…ーーいたっ!」
パンッと乾いた音が聞こえたと同時にモートンさんの力が緩む。その隙にバッと素早く離れて距離を取った私は近くにあった物陰に身を潜めた。頭を押さえるモートンさんの背後にサベダーさんがいる辺り、サベダーさんがモートンさんの頭をひっぱたいたんだろな…。
……そ、そして更にその背後で、すっごい怖い顔で磁石構えてるキャンベルさんのことも気になるけど…。
これはもう…、ちゃんとしっかり謝ってこの場から一刻も早く立ち去った方がよさそうだ…。
「あ…、あの皆さん…、」
物陰に隠れたまま私はおずおずと口を開いた。だけどそれにより皆さんの視線を一斉に浴びる羽目になったわけで…。私は「ひいっ!」と肩を揺らしながら白目をむいている目から涙を滲ませた。
「ごごごごごめんなさいっ!そ、そして更にごめんなさいっ!今日の協力狩りで酔っ払って変な事口走ったり、だ…だだ抱きついたりしてごめんなさいっ!あっ、あれはっ!全部酔っ払ったが故に起こした言動なのでっ!別に普段から卑猥なことを考えてるからとかそんなんじゃありませんっ!つまり本心でも何でもないのでご安心をっ!あっ、あと!河に落っこちたのもごめんなさいっ!そそそその上っ!あああ頭ぶつけて気絶なんかしちゃってっ!」
「お、落ち着けって【名前】!」
「とりあえず泣き止め。」
「しかもそんな大量に式神作りながら謝罪しないでください!」
クラークさんの言葉にハッと我に返った私の目の前には、式神護符を用いて無意識で作ったんだろう式神が大量にいる…!そしてそんな私を皆さんが呆れたりあわあわと焦ったりしながら見ている…。そんな皆さんの視線に困惑した私は余計にテンパっちゃって…、でももっとちゃんと謝らねばと大いに焦った。
だから…、
「もう何もかも本当にすみませんでしたあぁぁーっ!!!」
そう一際大きな声を出すと土下座した。
「「「「「ジャパニーズドゲザっ!?」」」」」
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イソップ「(だから今無理に行かなくていいと言ったのに…。)」