11:特殊マッチしちゃってる系女子
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『ウキャキャキャキャ!【名前】ーっ!あそぼーっ!!』
『トレイシーっ!なんで追いかけてくるのっ!?どうしちゃったのっ!?』
『【名前】さ~ん!あそびましょ~!あはははは~!』
『ヒイィィッ!!なぜかクラークさんが拘束着を着た状態で追いかけてくるーっ!!』
『君に剥き出しの頭のくせに逃げるなんてひどいよ【名前】さん…。』
『キャアァァッ!!そんな邪悪で不気味な笑顔でこっち来ないでくださいキャンベルさあああんっ!!』
『【名前】ーっ!』
『【名前】さ~ん!』
『【名前】さん…。』
『『『待ってえ~!』』』
「イヤアアアーーむがっ!!?」
あまりの恐ろしさに叫びながら飛び起きるも、そんな私の口を誰かが後ろから塞いでくる。そして目の前では私を落ち着かせようとグランツさんとクレスさんが慌てた様子で口の前に人差し指を添えながら小声で「しーっ!」と言っていた。
「元気なのは結構だが、今は大声は控えてくれ【名前】君。」
先程の恐ろしい光景が夢だと気付いたと同時にそんな声が聞こえ、私の口を塞いでいた手がゆっくり離される。だからその声の主を確認しようと振り向いてみると、八重歯を見せながら二ッと笑うバルサ―さんがい……
……
……
………ち…、近くないですか?
「~~~~~~~~っ!!!」
「し・ず・か・に・し・ろ・ってえぇぇ~…っ!」
「んんんーっ!!」
思ったより至近距離にいたバルサ―さんに焦った私は、またも男性不信が発動してまたも声にならない声をあげながら思わずバルサーさんをひっぱたこうとする。だからそんな私を再びクレスさんがギリギリと押さえつける羽目になったものの、それでも落ち着かない私をグランツさんがどうどうとなだめてくれていた。そしてバルサーさんはそんな私を見てただただケタケタと笑っていた…。
「ホントにごめんなさい…。」
「お前今日3回目だからな。」
謝る私にクレスさんは青筋を浮かべながらそう言った。
…そりゃそうだ。この緊迫した状態で3回も同じことをさせられたらそりゃ怒る。ここから出たらいよいよ埋められるかもしれない。いつでも逃げられるようにがんばろう、心の中でそんなことを考えた私は自分に呆れてハァ…とため息を吐いた。
そんな時、横から「んっんっ」とくぐもった声がした。だから横を見てみると、グランツさんがニッコリ微笑みながら紙を掲げていた。
え~と…、なになに?
「“うなされていたようですが大丈夫ですか?”ですか…。
あ…、そうでした…。夢の中で頭のおかしいトレイシーと拘束着を着たクラークさんと不気味な笑みを浮かべるキャンベルさんに追いかけ回される夢を見てたんでした。」
「なんだその夢。恐ろしすぎる。」
「んんん…。」
「今日また【名前】君のトラウマが増えてしまうんだろうな。」
思い出すだけで青ざめてしまう程の恐ろしい夢を払拭しようとギュウッと目頭を押さえてみる。そんな私の耳にうわ~と私を哀れんだような反応をする3人の声が聞こえてきた。
………いや、バルサ―さんだけ哀れんでいるというより楽しんでいる気がする…。だってこの人、私が男性不信であるとわかっていながらわざと私の真後ろに立って楽しんでることあるんだもん。その度に申し訳ないことに退魔護符を投げ付けたりひっぱたいちゃったりしてるけど、それでもなぜか懲りずに何回もやってくるんだよね…。
………はっ!まさか。
バルサーさんは事故の影響で物忘れが激しくなってしまったとはいえ、元々頭のいい人だ。もしかして「あの時ただ後ろに立っていただけなのに殴られた」とか「この荘園に来てから君に〇〇発もの攻撃を受けた」とか言って脅してくるんじゃ…。そしてそんな脅しをされた私はきっと脅しに屈しざるを得ない…。それをいいことに無理難題を言ってくるんじゃ…。
…バルサーさんの顔を見ながらそんなことを秘かに考えていた私の顔からは血の気がサーッと引いていく。一方で真っ青になっているだろう私の視線に気付いたバルサ―さんは頭に疑問符を浮かべながらヘラっと笑っている。そんなバルサーさんの笑顔に私は顔を引き攣らせながら笑い返すと、もうこの人のことは攻撃しないように気を付けようと秘かに決心した。
そんな時、ちょうど話題を変えるようにグランツさんが文字を書いた紙を掲げて見せる。
ええっと…、なになに?
「『これからどうしますか?』ですか…。…確かにどうしましょう…。というかあの3人はどうしちゃったんでしょうか…?」
「さあな。そもそも今回のゲームは不可解すぎる。なぜ協力狩りだというのに精神病院なんだ?」
「それにハンターにジョゼフがいるんだったな。それもおかしい。」
「んン…。」
「まあ…、難しいことは考えずとりあえずこの精神病院から脱走しましょうか。」
う~ん…とみんなして頭を抱えて悩んでいたけど、カールさんのその一言に納得し、うんうんと首を縦に振って納得……
……
……
………あれ?
「カカカカカールさん!?」
「納棺師!お前無事だったのか!?」
いつの間にかそこにいてちゃっかり会話に入っていたカールさんに驚いたものの、正常そうなカールさんを見て安心した。
でもカールさん、黒い影の付いたマスクにストライプ模様という見たことのない衣装を着ている。
「…とりあえず、【名前】さんから脱走しましょうか。」
そんな見慣れない衣装を着ているカールさんをまじまじと見ていたものの、化粧箱を開けてなにやらごそごそと漁り始めたカールさんが目に入ってきてハッとする。こちらの国にはレディファーストというありがたい言葉があるとはいえ、私から逃してくれるとはいささか申し訳ない。
「あ、いえ!ここはぜひみんなで協力してみんなで脱出しま…--」
ーーヒュン。
申し訳なさから提案をやんわり断っていた中、そんな音を伴いながら私の横を何かが通り過ぎていく。それになんとなく嫌な予感がしてゆっくり後ろへと振り向いてみると…、
……か…、壁に注射器が刺さってるんですけどーっ!!?