02:逃げるのに必死系女子
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その後も引き続き白目をむいたままただただプルプルと震えていたその時、突然辺りをまばゆい光が包み込んだ。
「ひぃっ!?」
思わずそんな情けない悲鳴が漏らし……
……
……
……てる場合じゃない!
やっちゃったあぁぁーっ!!
ハンターは写真家のジョゼフさんだったのか!
そうあわあわと焦るものの後悔したってもう遅い。きっと写真世界には無防備に突っ立ってる私自身がいるんだろう…。そうなれば私のすべきことはただ一つ。ここから早く離れて解読を始めよう。
そう思い立った私は今の位置から割と遠い位置になる北ゲート付近の暗号機までやってきた。そして暗号機に触れると同時に味方間で飛ばせる信号である通称「チャット」を飛ばすと、写真世界が崩壊するまでにできるだけ解読を進めておこうと独特の機械音を鳴らしながら必死に解読を進める。
…それにしてもなんで写真世界崩壊したら解読が半分に戻っちゃうんだろう?正直言うとちょっといじわるな能力だ。しかも急に現れるから心臓にかなり悪いし。…まあでも、ジョゼフさんもハンターなんだから私たちサバイバーを苦しめる能力を持ってなきゃいけないもんね。能力を除いては人(?)としては紳士的だしいい人なんだろうからさ。
……あ、でも紳士には何回も騙されてるからやっぱり紳士は怖いや。
そんなことを心の中でぶつくさ言いつつも解読を続けていると、誰かが背後から近付いてきた。
ーー…ま、まさか……、噂をしたからジョゼフさん…!?
そう思ってバッと振り返るとそこにいたのはジョゼフさんではなく、涼しい顔をしたカールさんだった。
「…顔、見に来ただけなので。」
そしてそう言い残すと去っていったカールさんの背中を私は何の気なく目で追う。目で追いながらまさかわざわざ顔を見に来てくれたんだろうか、なんて思った。
だけどその考えはすぐに消え去った。だってカールさんからはなんだか基本的にゴミを見るような目で見られてる気がするんだもん…。待機室でも騒ぐなと言わんばかりに終始ゴミを見るような目で見られていたような…ーー
「ーーやあ【名前】君。」
待機室でのカールさんの目を思い出して青ざめていたその時、背後からそんな声がした。その声に私は更に顔を青ざめさせながら恐る恐る振り向いた。するとそこには、今回のハンターであるジョゼフさんがドヤ顔をしながら立っていて…ーー。
「カメラがあることには気付いていただろうに、随分警戒心が薄いんじゃな…ーー」
「キャアアアァァァァーッ!!!」
ジョゼフさんはまだ話していた気がした。なんなら背後から「決め台詞は最後まで聞きたまえ!」なんて声が聞こえた気がした。だけど私はひとしきり叫ぶと、倒さなくてもいいだろう板をテンパって勢いよく倒してから韋駄天走りで入り組んだところへと入っていった。
そしてそのままどうにかチェイスをしやすい墓場まで逃げてきたその時だった。
「よかったね、誰もいなくて。」
そんな低い声がした。振り向いてみると、控えめではあるけれどおでこに青筋をピキリと浮かべたジョゼフさんがいる。…よくよく見るとなんだか頭にたんこぶができてないだろうか?
………まさか!
私がテンパって倒した板で頭ぶつけてた!?
「板を倒すのがお好きな君には打ってつけの場所だろうからね。」
めっちゃ嫌味言われてる!きっとそうだ!
「まあいい。宣言してあげよう。この墓場に新しい墓が立つことになるだろうと。
…フフ、察しがいいね。そう、それはきっと君の…ーー」
「イヤアアアァァァァーッ!!!」
少しばかりの申し訳なさを感じる私に対し、気を取り直したように薄ら笑みを浮かべたジョゼフさんはサーベルを突き出しながらゆっくりと私に近付いてくる。だけど私は突き出されているサーベルなんかよりも男性が近付てくるということへの恐怖からまたも悲鳴をあげると、冷や汗をダラダラ垂らしながら咄嗟に板を倒した。
するとそれは見事にジョゼフさんに当たり、ジョゼフさんは「ぐおぉぉ…」と声にならない声をあげながら頭を抱えていた。
「君!さっきから人が話してるというのに板をバンバン倒してきて…ーー」
「ヒイイィィィィーッ!!!」
何か言ってる気がしたけどそんなことに構ってる余裕なんてなかった。また大きな悲鳴をあげた私は今度は退魔護符を構えると、そのまま勢いよく投げつける。
一方、投げつけられたジョゼフさんは「ぐぬぬぅ…」というくぐもった悲鳴のようなものをあげながら再び痛みにもだえていた。だけど、次第に体勢を立て直して私を見ながらにっこり笑う。だけどその笑顔はなんだか影のあるような笑顔で…ーー
「よっぽど捕まりたいみたいだね【名前】君…!」
ーーヒイイイィィィィッ!!!