10:ぶち壊し系女子
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「……ん…?」
ゆっくりと目を覚ました私が目にしたものは自室の天井だった。
……って。
なんで私呑気に自分の部屋で寝てるんだっけ?
そう思いながら頭を巡らせるもなんだか記憶が曖昧だ……。
とりあえず自室にいても仕方ない気がするので廊下へと出る。するとなんだか下の階が賑やかなことに気付いた。それに誘われるように下へと降りていってみると、なんか宴が催されていた。
……………って、そうか!
今日囚人さんが来るからって歓迎会を開くって話だった!
それで確かその準備をしてて…、トレイシーの代わりに荷物を運んで…、その帰りにウィラさんに頼まれてた果物ナイフ取りに行こうとキッチンに行って…、
…………そ…、そこでクレスさんに退魔護符投げつけたりほっぺたっをひっぱたいたりした記憶がある……。そしてグランツさんにはすごく助けてもらった気もする……。ついでに囚人のバルサ―さんには……、何かしたっけ?
なぜだかバルサーさんとの会話はいまいち思い出せないものの、自分がまたもやらかしている記憶に血の気を引かせていたその時、誰かに「【名前】!」と名前を呼ばれた。声がした方に振り向いてみると、マル姐とウィラさんが手を振りながらこちらに来てくれているのが目に入る。
「やっと目が覚めたのね【名前】。ウィラに意味の分からない呼び出され方されなものだから行ってみると驚いたわ。グランツさんやクレスさんたちに羽交い締めにされながら泡吹き出して気絶してるんだもん。」
「あ…、うん……、ごめんね?」
「謝罪は私にもいただきたいわ。なかなか帰ってこないからキッチンに行ってみるとその状況よ? そんなのその場にいた新入りトリオにも私にも対処できるわけないからマルガレータを探しに館内を走り回ったのだから。」
「ご、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした…!」
なんで気絶してたんだろう……? そんな疑問は浮かんだものの、とりあえず私に呆れてる目の前の二人に深々と謝罪をした。
「まあ無事起きたんだったらせっかくだし何か飲んだら?」
「といってもお酒はダメよ。あなたがお酒を飲んだらすっごく迷惑だから。」
ウィラさんは、以前私が盛大にやらかしたという女子会のことを言っているんだと察した私は、冷や汗を垂らしながら「その節も申し訳ございませんでした…!」と謝罪する。すると、そんな私にため息を吐いたウィラさんは既に持っていたらしいコップを差し出してくれた。なのでお礼を一言言うと、オレンジのいい匂いがするそのコップを受け取った。
「このオレンジジュースすごくおいしい!」
「でしょうね。私が選んだものを使ったのだから。」
「偉そうなこと言ってるけど、作ったのはデミでしょ。」
さすがデミだなぁと感心してると、「よっ!」という声と共に背中をドンっと叩かれた。振り返るとニカッと無邪気に笑ってるトレイシーがいる。だけど結構酔ってるのかな…?顔が耳まで赤い…。
「やっと起きたの【名前】~?っていうかルカのこと刺そうとしたってホント~?」
「「!?」」
「んなっ!?」
その瞬間、私の脳裏にバルサーさんを刺そうとした記憶が蘇る……!いや、さすがに刺そうとするなんてとんでもない!そう思った私の全身方は一気に血の気が引いていった。
「ど…っ、どどど、どうしよう…!?お怪我とかされてない!?ってか怒ってない!?謝らなきゃだよね!?」
「「そうね。」」
「あ、じゃあルカんとこ行く?」
トレイシーはそう言うと私の手を掴んでどこかへ引っ張っていく。
「ボクもさっきまで話してたんだけどなかなかおもしろい奴でさ。あいつ「囚人」なんて名乗ってるけど電気工学の知識あるんだよ。まあボクとは違う分野だけど機械についての知識があるから、すっごく楽しい!こんなに思う存分話せたの久しぶりだよ!」
これはどうやらバルサ―さんのところまで案内してくれるらしい。だけどまだ心の準備ができていない…!だから助けを求めるようにマル姐とウィラさんの方へ振り向いたけど、そんなことに気づいてくれやしない二人は早く謝ってきなさいと言わんばかりの顔をしながら手を振っているだけだった……。
ああ!どうしよう!?どう謝罪しよう!?もうここは土下座するしかないのでは…!?
そんなことを考えている内に歩みが遅くなったトレイシーが「よッ!」と声を発する。その先には案の定バルサーさんがいた。
「ルカ!被疑者を連れてきたぜ!」
「あ、暴力的な君か!」
なんちゅー覚えられ方をしてるんだ!?
内心そう思った私はガーン…と大きくショックを受けた。そんな私のことを近くに居たグランツさんは苦笑いをしながら、クレスさんは呆れたような変な顔をしながら見てきている。この3人は仲良くなったのかななんて考えがわずかに頭をよぎったけれど、それよりもやっぱりバルサーさんに変な覚えられ方をした方がショックだったりする……!
これは……、ちゃんと謝罪した上でちゃんと自己紹介しないと……!