10:ぶち壊し系女子
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「サベダーさんも不憫よね。」
マル姐と一緒に朝ごはんを食べている最中、しょぼくれながら今朝の出来事を話したところマル姐はケラケラ笑いながらそう言った。
この言葉に思わずウ…と言葉に詰まる。確かに一日に……というかあの短時間で2回も私にひっぱたかれたサベダーさんはとても不憫だ…。改めてめちゃくちゃ申し訳ないなぁと思う。
「うん…。私、本当に気を付ける……。せっかく嫌われてないことがわかったのに、このままじゃ嫌われるどころか……埋められる……。」
「私の言った“不憫”って、そういう意味じゃないのよね。」
しゅん、としょげる私にマル姐はなぜだか呆れ顔をしながらそう言ってくる。だけど私はマル姐の言う意味がわからなくて頭に疑問符を浮かべた。こんな私を見たマル姐は何かを憐れむような顔をすると、再び「ホント不憫だわ…」と呟くように言った。
結局どういう意味なんだろう……? そんなことを思いながらなんだか冷や汗を垂らしてると「ツェレさんと【名前】なの~」とかわいい声がしてきた。その声の方を見ると、もちろんあのかわいいかわいいエマがいて、その後ろには優しく微笑んでるエミリーの姿もある。
……そして更にその後ろでは顔を赤らめながらよだれを垂らしてるピアソンさんが熱心にエマを見てるような…。
………いや!あれはきっと気のせいだ!
「あら、ごきげんようお二人さん。」
「エマもエミリーもおはよう!今から朝ごはん?」
「そうなのっ!」
「少し薬品の整理をしていてね。エマにも手伝ってもらってたんだけど、気付けばこの時間で。」
そう話しながらエミリーとエマは私たちの隣に来る。なのでせっかくたから一緒に朝ご飯を食べることなった。
「そういえば今日は新しい人が来る日なの!」
他愛もない話をしている最中、突然エマがそんなことを言い出した。
「あら?今日だったのね。」
「そうなの!」
「私も割と最近来た方だから人のこと言えないけど、この荘園ってこんなに次々人がやって来るんだね。」
「ええ。最近は立て続けに来るわね。みんなそれだけ
「まあ、実のところ私もそうなんだけど」とエミリーは苦笑いを浮かべながら言った。そんなエミリーに私もはにかんでみせる。だって、かくいう私もそんなところだから……──
「──そういえば今回来る人は「囚人」だったっけ?」
そんな時、そんな言葉が聞こえてきて思わず喉を詰まらせる。そしてゴホゴホと咳をしながら胸を叩く私は目を見開いて驚いた。
……だって、次に来る人は囚人である……!そんな話聞いてない……………いや、聞いてたっけ…? そんな押し問答を心の中でしながらバクバクと心臓を震わせた。
確かに
「大丈夫【名前】?」
「また白目むいてるわよあんた。」
…はっ!しまった!
職業が囚人だと聞いて恐ろしくなったあまり白目を向いてしまっていた…!そう思って慌てて黒目を戻そうとしてみたけど恐怖のあまり体が言うことを聞かない…!
そんな私を見兼ねたのか、「大丈夫なの【名前】!」というかわいい声と共に誰かが私の両手を強く握る。
「エマの方がお姉さんだから【名前】を守ってあげるの!だから【名前】は心配いらないの!」
その声の主は言わずもがなエマであった。 眼前のエマは満面の笑みを浮かべている。……だけど、その笑顔はめちゃくちゃひきつっている…。そして座ってるのに足を生まれたての小鹿のようにガクガク震わせている…。
「エ、エマ…?エマも怖──」
「エエエエマは怖くないのっ!ぜぜぜ全っ然怖くないのっ!」
……
……
………うん。
めっちゃくちゃ怖がってるじゃん…!
かわいいエマがこんなにも震えている…!そう思うと自分のことよりエマのことの方が心配になってきた。だらどうやって安心させてあげようかと悩み焦って居たその時、なんだか突然背中がゾワゾワしてきた。
「ウッズさん、このクリーチャーがウッズさんを守って──」
「──キャアアアァァァァーッ!!!」
このゾワゾワの原因はどこからともなく現れたエマのストーk……じゃなくて、ピアソンさんだったらしい。
ハァ、ハァ、とヨダレを垂らしながら近付いてきたその気持ち悪さに耐えきれなくなった私は、思わず持っていた退魔護符を10枚程一気に投げつけた。
「ゴボフッ!!」
それにより、そんな聞いたこともないような悲鳴と共にピアソンさんは床に突っ伏したのであった…。
----------
エミリー「【名前】、よくやったわ。そういえばピアソンさんにお薬を注射しなきゃいけないんだった。」
マルガレータ「エミリー落ち着きなさいって。」
【名前】「エミリー!?なんでそんなに青筋浮かべてるの!?しかも何そのすごい色してる注射器っ!?ってか力強…!!エミリーッ!?!?!?」
エマ「なの?」