02:逃げるのに必死系女子
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「ホントにごめんなさい…!」
またもやらかしてしまった私は叫ぶようにそう言うと、待機室内のイスに座りながら自身の治療を行うサベダーさんに深々と頭を下げた。一方のサベダーさんはハァ…と軽くため息を吐くと、手当てをする手はそのままにチラリとこちらに目を向ける。
「今に始まったことじゃねぇし気にしてねぇよ。
だから…、その大量の式神どっかやってくんねぇか?」
……
……
………はっ!
サベダーさんに指摘されて気付いた私が目の前を見ると、そこには何柱もの式神がそこにいた。どうやら防衛本能が働いたらしい私は万が一に備えて無意識に何枚もの式神護符を使ってしまっていたらしい…。
ーーあああああ~!
ーーサベダーさんため息なんか吐いちゃってるし絶対呆れてるよ…!ど、どうしよう…!
私がそう思いながらあわあわと焦っていると、背後から「も~う!」と明るい声がした。
「ナワーブったら【名前】ちゃんの扱いわかってないなぁ」
ーーしまった…!
その声を聞いてそう思った時にはもう遅かった。だってそう思ったと同時に背後からガバッと抱きつかれてしまったのだから。
「【名前】ちゃんとお話するときは、こう後ろから抱き締めながらお話してあげないと。」
「ヒイィィッ!!!」
そのまま愉快げにそう解説するモートンさんに恐怖の悲鳴をあげる。だけどモートンさんはそんなことには構ってくれやしない。
「人間背後ががら空きっていうのは恐怖だからさ、ちゃんと背後を守ってあげてる上でお話してあげないと。ねぇー、【名前】ちゃん?」
愉快げにそう言われたものの、正直そんなわけはない…!
…だって…っ、ご存じかと思いますが私は男性不信なのでこんなことをされては恐怖しかないんですが…っ!
恐怖のあまり白目をむいた目に涙を滲ませながらそう思った。だけどモートンさんはやっぱり離れてくれやしない…。それにより顔面が血の気が引かせたり熱くなったりを繰り返し始めてる…!これはマズイ…!きっと私の今の顔酷いことになっている…!誰か助け……ーー
「ーーいや。お前の方がわかってない。
人間背後を取られることほど恐怖を感じるもんはねぇ。あと、【名前】の顔面がヤベェことになってるから離してやれ。」
私の切実な願いは天に通じたのか、サベダーさんが私の心の内をまるで代弁するかのようにそう言ってくれた。そのおかげでモートンさんは「ちぇー」と文句は言いつつも離れてくれたので、私はようやく解放された。だけど体の力が抜けてその場にペタンとへたれ込んでしまった。
それにしても…、モートンさんはホント厄介だ…!
というのも、すぐ人の懐に入れて誰とでも仲良くなれるタイプらしいモートンさんにとって男の人と話すとテンパってとんでもない行動に走る私は珍しいタイプらしい。だからおもしろがってこんなことをしてくるらしいのだけど…、正直勘弁してほしい…。おまけに退魔護符を投げつけても身軽なモートンさんには当たりゃしないし………って、当てちゃダメなんだけどさ…、でも…ーー
「ホラ。しっかりしろ【名前】。」
私が解放されてもなお白目をむきながら心の中で恨み言を言っていると、頭上からそんな声が降ってきた。だからハッとして見上げると、サベダーさんがへたれ込んでる私に手を差し出してくれてるのが目に入る。だから私はプルプルと震える手を伸ばしてその手を握らせてもらって立ち上がろうとし……
……
……
………た…、…ってことは…、握っ………ちゃってる……?
「キャアアアァァァァーッ!!!」
私は男性に触れてしまったという恐怖から思わず退魔護符をサベダーさんに投げつけてしまった。それによりサベダーさんはまた私の攻撃を食らってしまい、しかもそれと同時にタイミング悪くゲームが始まってしまった。それによりサベダーさんは半負傷状態でゲームをする羽目になってしまったのだ…。
………いや…、こんなことある…?
スポーン位置にぽつりと立つ私は申し訳なさから白目をむいたままプルプルと震えていた。
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【名前】「ちなみにカールさんはこんなやりとりを終始ゴミを見るような目で見ていた…。」