08:酒に飲まれる系女子
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流れる水の音とけたたましいサイレンの音が鳴り響いてる…。
その音を聞いた私は夢現ながらゆっくり目を覚まし……
……ってアレ…?
ここ月の河公園……の橋の上……?
「あ!目ぇ覚めたんやね【名前】ちゃん?」
私の視界に入ってきたのは美智子さんの綺麗なお顔………
って!!私美智子さんに膝枕されてる!?
いくら美智子さんが仲良くしてくれるからってさすがに膝枕なんて申し訳ないなんて思った私は急いで飛びのいた。
「美智子さんごめんなさい!
って私今まで何を…?まさかずっと膝枕してもらって…」
「よかった。いつもの【名前】に戻ったんだね?」
声の方を見ると安心したような笑みを浮かべてるデミの姿がある。そんなデミの姿を見て、確か協力狩りに参加しててたんだったって少しずつ記憶が戻ってきた。
だけど不可解なことに、開幕早々白無常さんに追いかけられてたのまでは記憶にあるんだけど…、そこから先の記憶がない……!!
だから私は頭にいっぱい疑問符を浮かべていた。
「お!?目ェ覚ましたのか【名前】!」
「いつもの【名前】ちゃんに戻った?」
「体調は大丈夫ですか?」
そんなところに男性たちの声が聞こえてくる。だから声の方を見てみると、男性たちがわらわらと集まってきていたもんだから恐ろしくなって「ヒイィィッ!!」と短い悲鳴をあげながら急いで美智子さんの後ろに隠れた。
………って、サバイバーである私がハンターである美智子さんの後ろに隠れるなんておかしいよね…。
そう思いながら恐る恐る顔を出すと、案の定皆さん汗を垂らしながら呆れたような微妙な顔をしていらっしゃる…。…ど、どういう顔なんだろあれ…。
「そ、そういえば…、今日も優鬼してくれたんですか美智子さん?」
「うちは同郷である【名前】ちゃんのことが大好きやからなぁ。【名前】ちゃんがおったら基本的に優鬼するって決めてるんや。なぁ無咎はん。」
そう言いながら美智子さんは視線の先にある黒い物体に目を向け……
……
……
………って…。あの見覚えのある清国独特の衣装は…
「黒無常さんっ!!?」
そう。黒い物体だと思ってたのはボロボロになった黒無常さんで、それはもう普段からは想像できないような無残な状態になっている。できればもう、モザイク処理をしていただきたいほど…!
って!
「なんで黒無常さんがあんなことに!?」
「いやあ…。ついつい張り切りすぎてもうた。」
「張り切り…!?一体何があってあんな…」
「だって【名前】ちゃんに襲い掛かってたんやもん。」
「襲…っ!?」
「いや。正しくは【名前】が襲ってた。」
そう言われたもんだからビクッと肩を揺らしながら声の方を見てみる。すると、なんだか機嫌の悪そうなサベダーさんがこっちを睨みつけるようにじっとこっちを見ていた。……すっごく怖いんですが…。
「おや、やっぱり記憶ないんですか。」
続いてどこか残念そうな雰囲気でそう言ったクラークさん………の後ろにいるキャンベルさんが目についた…!
なんかこの人もなんだか機嫌悪そうなんだけど…!いやホントっ、何がありましたか…!?
「フフ。【名前】ちゃんもなかなか悪い娘やなぁ。でも殿方たぶらかすんはほどほどにするんやで。」
「た…たぶらか……?美智子さん何言って…」
「美智子に感謝するんだよ。オザシキ?…かなんかの経験から酔いを醒まさせてくれたんだからね。」
「お座敷…?」
…そんな言葉に私は血の気を引かせていった。
こっちの国の人たちにはあまりなじみのない言葉かもしれないけど、「お座敷」と聞くと日本人の私は芸者さんがお客さんとお酒の場でする「お座敷遊び」を連想する。
そう…、お酒を連想させる言葉である…。
「あ…あの皆さん……、まさか私……」
「恐らくそのまさかです。」
「君はもう酒禁止だから。」
「もし飲んじまったら【名前】ともう目ェ合わせらんなくなるしな。」
「まあ私があんたを治そうとうっかり酒を飲ませちまったのが悪いんだけどね。」
「あ~あ、でもたまにならあんな【名前】ちゃん見たいかも~。」
「いや、あの【名前】さんは積極的すぎていかがかと……」
「鼻血垂らして奴が何言ってんだ。」
………。
ちょっと待ってください。
「………飲んじゃったんですか私…?」
「「「「「「「飲んでた。」」」」」」」
血の気が完全に引いた私の質問に皆さんの声が見事にハモる。それを聞いた私は目の前がチカチカとしてきた。
だって、男性相手にひっついたり口説き文句言ったりしちゃってたってことなんだもん…!!!
恐怖のあまり目の前がクラクラした状態で立ち上がる。すると足もふらふらしてきて地面を踏んでる感覚がない…。
そんなわけで血の気を引かせたまま白目をむいてよろよろしている私はうっかり橋の段差に足をぶつけた。
「あ…」と気付いた時にはすでに遅くて…。そのまま河に落ちてしまい、その拍子に岩で頭をぶつけて意識を失ったのだった…。
「いやあああ!?【名前】ちゃああん!?」
「【名前】ちゃんが河に落ちたあぁぁっ!」
「まだ酒残ってんのかいあんた!?」
「大丈夫ですか【名前】さあぁぁんっ!?」