08:酒に飲まれる系女子
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実は僕、月の河公園がゲームのステージだとすごくテンションが下がる。
そんなわけで現に今も内心かなり気が滅入っていた。でもそれを表に出すことは僕のポリシーが許さないわけで。だから気合で平気なふりをしている。
でも、もう正直ここでゲームなんてやる気出ないし、ハンターたちが優鬼でもしてくれないかなぁなんて思ってた。そしたら少し先の方に白無常さんと話してるナワーブとデミちゃんが見えた。
「よし!もう誰も目ェ合わせんなよ!」
「それで酔い醒ましってどうすれば?」
「よくよく考えたら私は飲ます専門だからねぇ…」
バレないように近付いたらそんな会話をしてる。
………うーん…。よくわかんないけど…、
「白無常さん優鬼してくれてるの?」
っていつも通りの笑顔でそう声をかけてみた。
そしたらみんな一斉に肩をビクつかせたんだけど。
そしてゆっくりとこっちを見たかと思えば、目を見開いて汗たらたら流してるし!まるで「面倒な奴が来た」って言わんばかりにさっ!失礼だと思わない!?
「何さみんなしてその顔は!」
「なななななんでもないよ!ねぇあんたたち!」
「お、おう!なんでもねぇっ!断じてっ!」
「そんなことより解読をしてはいかがでしょうかマイクさん!」
「こんなところで遊んでる君たちに言われたくな……ってアレ?」
明らかに態度がおかしい3人にわざと口を尖らせてみせた僕の目に飛び込んできたのは、地面に突っ伏して恐らく気絶してるだろうイソップ君と座り込んで微動だにしない【名前】ちゃんの姿が見える。
「どうしたの【名前】ちゃん?体調でも悪「ダメだマイク!!」
イソップ君は置いといて、【名前】ちゃんを見たら絡まずにいられない僕はもちろん話しかけにいった。だけどその間にナワーブが立ちはだかってくる。邪魔だなぁと思ったけど、ナワーブの体越しに片目だけ【名前】ちゃんと目が合った。
ーー…ん?【名前】ちゃんってこんな虚ろな目してたっけ…?
僕がそんな違和感を感じたと同時に「しゅきーっ!!!」と言いながらナワーブを思いっきり突き飛ばして何かが僕に突進して抱きついてきた。
って、何かって失礼だよ僕。【名前】ちゃんじゃ……
………。
え…?
「【名前】ちゃん!!?」
さすがの僕もこの状況に驚いて思わず叫んじゃった。だってあの【名前】ちゃんが僕に抱きついてきてるんだよ?
そんなわけで少し頭がこんがらがってる僕の近くでは、あの3人が頭を抱えながら唸ってるんだけど…、どういうこと?
「なんでこんなおもしろいこと黙ってたの!?」
事情を聞いた僕は大声でそう言った。
「…ったく。全然おもしろくも何ともないよ。」
「私たちはずっと【名前】さんに振り回されてるわけですからね…。」
「おもしろいじゃん!あの【名前】ちゃんがこんなになっちゃってさ。」
「しゅきれしゅ…。もうしゅきしゅき…。しゅきしゅぎて【名前】へんになっちゃう…。」
頬を赤らめながらふやけた顔をした【名前】ちゃんは瞳の奥にハートマークを浮かべながら僕にしがみついてきている。目が虚ろなのはちょっとヤだけど…、でもこんな【名前】ちゃんなんて超レアじゃん!すごくおもしろいよっ!
「まあでも、事情はわかったよ。それに3人がお疲れだってこともね。だから僕がちゃんと【名前】ちゃんの面倒見とくから3人はゆっくり休んでて。」
そう言うと僕はニコニコと笑顔を浮かべたまま【名前】ちゃんをお姫様抱っこして立ち上がってその場を去ろうとした。だけど、そんな僕の肩を痛いほど掴んでくる手が立ち去らせてはくれない。
「どこ行くつもりだマイクゥ…?」
まあこんなことしてくるのはナワーブだと思った。
それにしてもナワーブったら…。この声色的にどうせ青筋浮かべながら殺し屋みたいな目をしてんだろうなぁ。
「【名前】ちゃんが僕に惚れちゃったんだから仕方ないじゃん。僕が面倒見とくよ!ねぇ【名前】ちゃん?」
「【名前】はこころもかららもあなたのものでしゅ…。」
「だから待てっつってんだろ!お前のことだからなんか企んでんだろ!」
「失礼な。別に今のうちに既成事実作っちゃおうなんて思ってないよ。」
「めちゃくちゃ思ってんじゃねえか!いいから待…
ーーブフッ!」
僕はごちゃごちゃうるさいナワーブに笑顔のまま煙玉を投げつけてやった。するとナワーブは思いっきりむせていた。
次第にそこは煙に包まれていったから、僕はその隙に【名前】ちゃんを抱っこしたまま逃げることにした。【名前】ちゃんは「にんじゃみたいでかっこいいれしゅ~」って謎のこと言われたけどね。
…ニンジャって何だろ?
「あいつ…、マジ許さん……!」
「んなことより早くマイク探すよ!」
「【名前】さんに既成事実ができてしまいます!」
【曲芸師は逃げた】