01:暴走しちまった系女子
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「エリスさんにアユソさんにクラークさん……、3人にはそれぞれ改めて謝罪はできたよ。許してもくれたし……。」
「あら。なら、もう気にしなくっていいじゃない。」
「……とはいっても、謝ったのは物陰からなんだよね……。」
私がこういった直後、ゲームステージへと続くこの殺風景な廊下にはかわいらしい笑い声が響いた。その笑い声の主は、今私の真横でお腹を抱えながら大笑いをしている“踊り子”のマルガレータさんだ。通称マル姐である。……まあ、そう呼んでいるのは私だけだけど。本人からはそんな呼び方やめてと言われたけれど。でも、なんだかしっくりきてしまったのだ。それ以来そう呼ばせてもらっている。
そんなマル姐はよほど私の話がおもしろかったのか、大笑いしたことにより滲んだ涙を拭っている。そんなにおもしろいのかな、この話。いや、ひどいと思うよ。何がって、……主に私が。
もし彼らから報復があるというのなら、それは受けるべきなのだ。だというのに物陰から謝罪って……。自分は酷いことをしたくせに、なんて私は卑怯者なんだ……!……そう自分を責めていると更に申し訳なくなってきて、私はどよ~んと肩を落とした。マル姐は、そんな私の肩にポンと優しく手を乗せてきた。
「彼らね、あなたが気にするほど気にしてないと思う。」
「マル姐まで私に優しくしないでよ。私がひどくて笑ってたんでしょう?」
「【名前】がかわいくて笑っちゃったの。」
マル姐はご機嫌な様子でそう言うと、ウインクをして近くの扉を開いた。そしてそのままその中へと入って行ってしまった。
マル姐が入っていった扉には「ホワイトサンド精神病院」と表記がある。私が今日向かうゲームステージは「赤の教会」だ。……一緒のゲームじゃないらしい。なんだかちょっとショックを受けつつも、私も「赤の教会」の待機室の前へと向かった。
「女の子いるかなぁ…。」
「赤の教会」と表記のあるドアの前に立った私は、ぽつりとそう言った。「男性不信」である私からするとこれは重要なポイントだ。だから扉を少し開けてその隙間から中を覗いてみた。すると中には……、“納棺師”のカールさんと“曲芸師”のモートンさんが居た。
私はそっとドアを閉めた。そしてドアを閉めたと同時に頭を抱えながらその場にしゃがみこんだ。
カールさんは「社交恐怖」であるらしく会話が成り立たないし、たまにゴミを見るような目で見てくるから辛い。そして、モートンさんはとびきり明るくていつの間にか距離を詰められることがあって辛い。要するに二人とも辛いのだ……っ!!
とはいえ、ゲームの辞退なんてよっぽどのことがないとできやしない。だからどうしようもない。行くしかない!……だけど、早くも混乱した私は往生際悪く「どうしよう」などと言いながら頭を掻きむしっていた。
すると、頭上から「オイ」と低い声がした。……恐る恐る振り返った私は、どのままゆっくりと見上げてみた……。
「大丈夫か【名前】?」
私を見下ろしていたのは、鋭い目付きをした“傭兵”のサベダーさんだった。……私は、私を見下ろしているサベダーさんを見るや否や、冷や汗が止めどなく流れ出てきた。……いや、サベダーさんは非常にいい人だ。率先して救助に行ってくれるし、身を挺してまで人を庇ってくれるし。私も何度も助けてもらったことがある。
……だけど…っ、何をされたわけでもないのだけれど…っ、この鋭い目がすごく怖いんです……っ!
「体調が悪いのか?」
「…あ……、いえ……、その……」
私がそんな失礼な事を考えているなんて知りもしないだろうサベダーさんは、私の二の腕を掴んで無理矢理立ち上がらせた。そうして自身の目の前までやってきた私の顔をまじまじと観察する。……こっ、こんな至近距離でその鋭い目で見据えられては、まるで蛇に睨まれた蛙の気分だ……!あと近い!とっても近いぃッ!!怖いよおぉッ!!!
「……冷や汗がすごいな。大丈夫か?」
「………いっ、……っい、」
「ま…っ、待て。泣いてるのか?!」
流れ出ている冷や汗も目に浮かんでいる涙も、恐れ多くもサベダーさんのせいです!……だから一刻も早く離れてほしいんだけど、サベダーさんにその願いは通じなかった。そうこうしている内に、私の中で何かが限界を迎えて爆発した──
「──イヤアアアァァァァーッ!!!」
その何かが爆発した勢いのまま、私はサベダーさんに退魔護符を大量に投げつけてしまった……なんていうのは言うまでもない話である。
