01:暴走しちゃう系女子
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「ホントにすみませんでした…。」
「そう思うなら物陰から出てきなさいよ。」
マーサは腕を組みながら呆れ気味に私にそう言った。
……うん、私自身もそう思う。だって今の私は、プルプルと体を震わせながら物陰に隠れて退魔護符を構えてるんだもん…。
……いや、あの3人に対して申し訳ないという気持ちは十分にある。だけどこうもボロボロにしてしまった以上、何か報復があるのではないかと思うと近付けずにいるのだ。だから物陰に隠れながら謝るしか方法がなくって……ーー
「ーーそう気にすんなよ【名前】!」
相変わらずプルプルと体を震わせる私に明るく大きな声でそう言ったのはエリスさんだった。そんなエリスさんの方に顔を向けると、ニカッと豪快に笑いを浮かべている。
「そうそう。公共の場で上半身裸で歩き回ってた僕たちも悪いんだからね。」
「私も嫁入り前の女性に配慮が足ず申し訳ない。」
そんなエリスさんに続いてアユソさんもクラークさんも私に笑いながらそう言ってくれた。そんな3人の様子を見たマーサはフッと笑うと「よかったじゃない【名前】」とその笑顔のまま言ってくれた。
…だけど、私は不安だった。
「ホ…、ホントにもう怒ってませんか…?」
私はまだ震えが止まらないまま恐る恐るそう聞いてみた。
「当たり前だろ!俺たちがこんな小せぇこと気にするようなタマに見えるか?」
「実はものすごく根に持ってて後で日常的に殴ったり蹴ったりしてきませんか…?」
「【名前】ちゃんのような可憐なレディにそんなことするわけないだろう。仮にもしそんなことする奴がいればこのカヴィンが成敗してやるさ!」
「この時許してやったお礼をしろとかいって無理難題言ってきませんか…?」
「私たちがそんな卑怯なことする人間に見えますか?」
今までの経験上から疑い深くなっている私はかなり失礼な質問を一通りしてから改めて目の前にいる3人を見てみた。エリスさんはニカッと豪快な笑顔を、アユソさんはニッと誇らしい笑顔を、クラークさんは微笑をとそれぞれの笑い方で、でも3人とも屈託のない笑顔でこっちを見ている。
そんな3人を見て私はなんてバカなんだろうと思った。
だって、私を追い込んだような今までの男の人みたいな奴はここにはいないじゃない…。なのに彼らを疑ったり、小さな行動でうろたえたりして迷惑かけちゃって…、本当に申し訳ない……。
そう思うと自分への情けなさと彼らの優しさから思わずポロリと涙が出てきた。
「もう。【名前】ったら泣いちゃって…」
マーサがそう言いながら優しく頭を撫でてくれる。
「え!?泣いてんのか【名前】!?」
「どうか泣かないでくれよ子猫ちゃん!」
「女性は涙よりも笑顔の方が武器となりますよ。」
そう言って男性3人は心配そうな顔をしながら私の方へと近付いてき……
……
……
……って…
「イヤアアアァァァァーッ!!!」
………うん、大変申し訳ないと思う。だけど、私にはどうやら男性要警戒区域というものがあるらしい。そして3人は私を心配して近付いたがためにその男性要警戒区域に入ってしまったらしく、それにより私の防衛本能がまた発動してしまった。そしてその防衛本能のままにまた私は退魔護符を3人に投げつけてしまい、3人にまた危害を加えてしまったのだった…。
「………ごめんマーサ…。」
「………エミリー呼ぶわよ。」
この後、ボロボロになった3人を医師であるエミリーの指示の元介抱してみたものの、介抱虚しく3人は晩ごはんの時間まで目を覚まさなかったのだった…。