01:暴走しちゃう系女子
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手紙が来てから3カ月が経った。
怪しいけど魅力的だと感じてしまったあの手紙にそそのかされてこの荘園に来てしまったけど、あのゲーム以外は割と快適だ。だって温かい食事は3食毎食出るし、毎日体を清められるし、毎日キレイな服を用意してくれるのだから。
それにあの恐ろしいゲームだって立ち回りさえどうにかしたらがんばれる!たった3ヶ月とはいえ地獄のホームレス生活をしていた頃よりは全然暮らしやすい!
そんなことを考えながら心地いい日差しを浴びた私はんーっと伸びをしながら廊下を歩いていく。すると曲がり角からがやがやと声がしてきた。そしてまもなくしてその声の主たちが目の前に現れて私は思わずギョッとする。
「お!【名前】じゃん!調子はどうだ?」
「今日もかわいいね【名前】ちゃん。」
その声の主とはオフェンスのエリスさんにカウボーイのアユソさん。男性に散々騙され暴力を振られと痛い目にあった私にとって目の前に男性が現れたというだけでも恐怖を覚えるのだけど、今私に襲いかかっている恐怖心はそれだけに留まらない…。
なぜならこのお二人、試合終わりなのかただ単にシャワー後で熱いからなのかはわからないけど…、なぜか上半身が…裸……ーー
「キャアアアァァァァーッ!!!」
恐怖の対象である男性の裸を見てしまった私は、体全体からサー…と血の気が引いていくのを感じた。そしてそんな声をあげながら私は持っていた退魔護符を咄嗟に構える。
「ちょ…待っ……グフッ!!」
「落ち着い…ゲフッ!!」
目の前にいるお二人がそう制止するのも無視して私は構えた退魔護符をそのまま投げつけた。それによりお二人は苦しそうにのたうち回ってるけど、混乱した私は構うことなく更に退魔護符を投げつけてしまっていた。
「どうしたんですか!?」
混乱する私の背後からそんな慌てた声がしたため振り向いてみると、占い師のクラークさんが随分と慌てた様子でこちらに向かってきていた。恐らくこの近くで私のあの断末魔のような叫び声を聞いたクラークさんが私に何かあったのかと思って駆けつけてくれたんだろうけど…、床に転んで苦しそうにのたうち回るこのお二人の様子を見て自身が想像していたこととは違うと悟ったらしい。
「おおお落ち着てください【名前】さん!!」
そして私を危険人物と認定したクラークさんは顔を青ざめさせながらそう叫ぶように言い、私を後ろから羽交い締めにして取り押さえ…
……
……
…って……
……羽交い締め……?
「イヤアアアァァァァーッ!!!」
「グフッ!!」
羽交い締めにされてることに気付いた私はまた男性不信の発作が出てきてクラークさんにも退魔護符を投げつけてしまう。それにより床で苦しそうにのたうち回る人の数が増えてしまったわけで…。のたうち回りながら苦しそうにうめき声をあげる3人を目の前に私は、今更ながら自分がしてしまったことに恐怖し戸惑って半泣きになってしまった。
「ちょっと何の騒……ーー
ーーってェェェェェ!!?何コレっ!!?」
「マーサ……っ!!」
そんな中、騒ぎを聞きつけてやって来てくれたマーサはこの惨状を見て目を丸くしながら驚いている。
とりあえずマーサにこの状況を伝えなきゃ!いつもの男性不信の発作が出てまたこんなことをしてしまったと伝えなきゃ!
混乱しつつもそう思った私はマーサにそのことを伝えるべく涙ながらに駆け寄ってこう言った。
「助けてマーサ…!」
……
……
………しまった…。
動揺したあまり、主語やらなぜこの状況に陥ったやらを説明し損ねてしまった…。
これならまるであの3人が悪いみたいになっちゃう…。
そう思ったものの時すでに遅し。なぜならそう思った頃には私は罪悪感のあまり嗚咽を漏らしながら泣いてしまったため、説明できる状況ではなかったからだ…。
「えっと………」
そんな私を前にマーサは頭をフル回転させ、これがどういう状況なのか整理していた。その結果…、
「【名前】に何したのあんたたち?」
泣きじゃくる私を被害者だと断定し、私をかばうように抱きしめながらようやくむくりと起き上がってきた男性3人をキッと睨みつけた。
「「「被害者こっちなんですけど。」」」