05:戦犯かます系女子
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フィオナの言葉に甘えて病院内の扉をほぼほぼ使いきったため、残っていた長距離ワープを使わせてもらった。
そうやらこのワープは強ポジにつながっていたらしい。
ここでチェイスするとなっても少しは時間を稼げそう。
…そう思ったけど、浅はかだった。
急に襲い掛かってきた痛み…。
そう。残像が攻撃を受けてしまったようだ。
しかも連続して攻撃を受けてしまったらしくその場でダウンしてしまう。
しかし病院からここまでは少し距離があるわけだからなんとか立ち上がろうと自己回復を試みてみた。
順調に自己回復は進みあともう少しというところで無慈悲にも大きく鳴る心音。
「おやおや。ついに悪運尽きましたね【名前】さん。」
既に勝ったかのように愉快げなリッパーさんは、うずくまる私に近付いてしゃがみ込むとぐいっと顔を近付けてきた。
「そんな苦しそうな顔しないでくださいよ【名前】さん。
滾ってしまうではないですか。」
そう言うその声はひどく恐ろしく、纏うオーラは再び禍々しいものになっている。
私はそんなリッパーさんの雰囲気に加え、痛みやら苦しみやら至近距離に男性がいる恐怖から大粒の涙が出てきてしまった。
でも、そんな私の表情はリッパーさんを更に愉快にさせてしまったようで…。
「いいですねぇ【名前】さん。その表情堪りませんよ…。
私が今まで手にかけた女性たちもそうでした。
逃げ惑い!許しを乞い!恐れ戦き!恐怖や苦痛で顔を歪ませながら死んでいく…!!
……そんな惨めで哀れな姿を見せられたら男としては堪らないんですよ。
それが男の本質なんです【名前】さん。」
そんな言葉に私は
いくらあなたしかいないと言っても私に向かない愛情…
愛を信じて受け続けた殴られ蹴られの暴力…
救われると思ったのに裏切られていたと知った時の絶望…
見返りのために助けられていたと気付いた時の衝撃…
闇商人や卑しい人たちに追いかけ回された日々…
そんな記憶が私の頭の中でぐるぐると駆け巡り………
「イヤアアァアアアァァァアアァァァーッ!!!」
そんな断末魔のような叫び声をあげてしまった。
そして同時にどうにか自己回復に成功した私は混乱した拍子に持っていた地図をリッパーさんに思わず投げつけた。
「ゴフェェッ!!!」
「………え!?」
私が驚いたのも無理はない。
だってリッパ―さんが意味の分からない悲鳴をあげたかと思えばその場にバタンと倒れこんだんだから…。
……どういうこと…?
状況が掴めずそっとリッパ―さんに近付いてみる。
時折体をピクピク動かして気絶してるようだ…。
……って!!なんで!?
余計に困惑しているとひらりひらりと舞い降りてきたのは地図。
パサっと地面に落ちたそれを拾い上げてみる。
すると身に覚えのある霊力を感じた。
…そう。
これは紛れもなく私自身の霊力…。
この時まで知らなかったんだけど、どうやら紙という媒体を通せば私の霊力を注入することが可能なよう。
つまり、投げつけた地図には私の霊力が入って退魔護符の役割を持ったようで、私の霊力が入った地図…いや退魔護符を投げつけられたリッパーさんは気絶してしまったわけだ。
………って…?……え?
…ど、……どうすればいいの…?