04:忘れちゃった系女子
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「もう【名前】ったら…。
扉の鍵を掴んだと思ったらフリスビーみたいにしてイライに投げ飛ばすんだもん。びっくりしちゃったわ。」
口を尖らせながらそう言って扉の鍵を布で磨いていくフィオナ。
一方私はというと…、
「ホントにごめんなさい!!」
毎度のことではあるがそう平謝りしていた。
そんな私の前にはおでこに大きなたんこぶができたクラークさんがいる…。
そう。
私はなんだか恥ずかしいところをクラークさんに見られたという羞恥心から、フィオナが腰につけていた扉の鍵をとっさにクラークさん目掛けて投げ飛ばしちゃったのだった…。そして現在に至るわけで…。
「いや。いつものことだから気にしてないですよ。
なので…
そのはだけた胸をどうにかしてくれませんか…?」
顔を背け指をさしながらクラークさんはそう指摘してきた。
そんなクラークさんのわずかに見える顔は真っ赤だ…。
そこで自分の服装を確認する。
すると、指摘通りシャツのボタンが外れたままだった。
ーーさっきフィオナに外されて…!
私は恥ずかしさのあまり体が紅潮していき、言葉にならない悲鳴をあげながら、とっさにいつも御札を入れているところに手を伸ばした。
だけど、御札の感触がない…。我に返って改めて御札を確認してみる。すると、御札が一枚も入ってなかった…!
…あ!あの時だ!
中庭のドアでエマに興奮した気持ち悪いピアソンさんに会った時テンパっちゃって一気に30枚も退魔護符を投げつけちゃったんだった!
そのときに御札なくなっちゃってたのに補充しておくの忘れてた…!
「どうしましたか【名前】さん?」
クラークさんは私の攻撃に備えて防御姿勢を取っていたけど、いつまで経ってもこない攻撃に違和感を感じたのか、防御姿勢を解いてこちらを心配してくれた。そんなクラークさんを私は半泣きになりながら見上げる。
「御札…、忘れて来ちゃいました……。」
「……………。
ええ!?」
「え!?」
話を聞いていたフィオナも一緒に驚く。
そりゃそうだ。
ゲームで自分の道具を忘れてきた人なんて聞いたことない。
「とりあえず落ち着きましょう【名前】さん!」
「そ、そそそうですよね!と、とととりあえず取ってきます…!」
そう言いながら私は扉に慌てて駆け寄っていった。
「落ち着けてませんよ【名前】さんっ!」
「しかもどうやって取りに行くのよ!?待機室は一度入ると出られないわよ!」
二人はそう私を制止する。
というのも実は待機室の扉の内側にはドアノブがない。つまりフィオナの言う通り一度入ると出られないような構造になっている。
でも混乱のあまり私はそんなこと忘れていて、そしてドアノブがないことに焦り慌てふためきながら扉をバンバン叩いていた。
そんなことをしていると不意に扉が開く。
「…あれ?
どうしたの【名前】さん?」
そう言いながらキャンベルさんが顔を覗かせた。
この予想外の出来事にただでさえ混乱していた私は余計に混乱してしまい…、
「キャアアアァァァァーッ!!!」
扉の真ん中にキャンベルさんがいるのに勢いよく扉で閉めて挟んでしまった…。