03:中止させちゃった系女子
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「何をそんなに気にしてんだか知んねぇけど、何にも気にすることねぇよ。」
そう言うとサベダーさんは「じゃあな」と言いながらまた後ろ向きで手を振りながら去っていく。
……どうしよ…。散々ひどいことしたのに謝り足りない気がする…。でも、もう気にするなって言われてるからまた追いかけて謝ってもしつこいのかな…。
…でも……——
「何アレ?カッコつけちゃって。」
悶々と考えている中そんな声がして、思わず体がビクゥッと跳び跳ねてしまった。だから慌てて後ろを振り向くと、壁にもたれ掛かりながら腕を組んでるモートンさんがいた。
「モ、モートンさん!?」
モートンさんはなぜか不服そうに目を細めながら口を尖らせてサベダーさんを目で追っていたけれど、私が驚きながら名前を呼ぶといつも通りの笑顔で手をひらひらと振ってきた。
「いっ、いつからそこにいたんですか!?」
「さあ?いつからかなぁ~?」
そうちゃかすように言ったモートンさんはイタズラな笑顔を浮かべている。
…ホント、いつからここにいたんだろこの人…。
そう思いながら私はハンターが近くにいる時みたいにバクバクと鳴り響く心臓を落ち着かせていた。
「まあ本人もああ言ってるんだし、気にしなくていいと思うよ。傭兵なんだしさ。体も丈夫だしね。」
心臓に手を当てながら自分の心臓を落ち着かせている私にモートンさんはにっこりとした笑顔でそう言う。その笑顔はまるで私を安心させるかのような笑顔だけど…——
「——でも…、身長がその……」
「それ本人に言ったら怒られるよ?」
……
……
………し、しまった…。
にっこりと笑ったままのモートンさんにそう言われてハッとなった私は慌てて口を塞いだ。
……いや。決して悪気はない。
というのもサベダーさんもアジア人だからか、
だけど私はうっかり発した失言をご本人に聞かれていないか心配になった。だから口を塞いだままキョロキョロと周りを見渡していると、モートンさんが何か閃いたかのように「あ!」と言葉を発した。
「よかったら僕からナワーブに伝えとこうか?【名前】ちゃんがチビって言ってたよって。」
そんなことを聞かされた私は白目をむいてビクリッと大きく体を揺らした。
「ダダダダダメですっ!!おおおお願いしますっ!!言うこと何でも……………は聞けないですけど…。」
もし私がサベダーさんのことをチビと言っていただなんてサベダーさんの耳に入ったら私は殺されてしまうのでは…!そう恐怖した私は白目のままものすごい勢いでモートンさんに懇願した。だけどモートンさんはなんだか納得していないらしい…。モートンさんはわざらしく口を尖らせながら不服そうに「え~?」と言ってきた。
「言うこと聞いてくれないの~?」
「ごごごごめんなさい!言うことは聞けないですけどお願いしますっ!!
これ以上サベダーさんに失礼働いたらそろそろヤバい気が…!」
「何でも言うことを聞きます」、これを簡単に言ってはいけないというのは騙され続けた経験から学んだこと。だからとりあえず必死になってお願いすることでこの危機を脱しようと思ったのだけど…、モートンさんはイタズラな笑顔を浮かべながら意地悪に「どうしよっかなぁ~」と言っている。
……となれば、やっぱり最終手段である「何でも言うこと聞きます」を出さなければならないのか…!そう思って白目のまま涙を浮かばせて戸惑っていると、「【名前】さん」と誰かが私を呼ぶ声が耳に入ってきた。だから声の方を見てみると、こちらに歩いて近付いてくるカールさんの姿が目に入る。
「ツェレさんが大事な話があると言ってました。…聞きました?」
え?マル姐から大事な話?
そんな話、聞いてない…。
「き…、聞いてないです…。」
戸惑いながらそう返事するも、その返事を聞いたカールさんは呆れているのかフゥと軽くため息を吐いている。
「なら、早く聞いた方がいいのでは?」
「え?…あ。そ、そうですね!ありがとうございます!
ごめんなさいモートンさん!……ごめんなさい!」
確かに大事な話というのなら急いで聞きに行った方がいい。そう思った私はとりあえずカールさんにお礼を、そしてモートンさんには謎の謝罪をしてから急いでマル姐の元へ向かった。
それにしても、マル姐が大事な話?…なんだろう?
そんなことを考えながら再び医務室に帰ってきた私は急いでマル姐にその大事な話とやらについて尋ねてみた。だけど怪訝な顔をしたマル姐に「何の話?」と聞き返されてしまった。
……もしかして、カールさんのこと平手打ちしたから嫌がらせされたのかな…?
そう思った私はビクビクと体を振るわせていたら、マル姐が「全く…」と言って出てってしまった。
………え?どういうこと?