03:中止させちゃった系女子
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「カールさんに呼ばれて来たんだけど……、
って!? 【名前】っ!!?」
医務室に来たマル姐は来るなりそう驚愕していた。
無理もない。泣きながら平謝りする私の先には、白目をむきながらよだれを垂らして痙攣しているジョゼフさんとおでこに大きなたんこぶができたサベダーさんがいる…。こんなの見ちゃったら誰でも驚くだろう…。
「【名前】!一体どうしたの!?」
「マル姐…っ!」
驚きつつも私を心配してくれているマル姐は急いで私に近付いてきてくれた。だから私も鼻水垂らした情けない顔でマル姐の方へ顔を向けたのだけど…、その瞬間不可解に思ってしまうことが目に入った。というのも、ついさっきまで笑顔だったモートンさんが急に真顔になって自身を横切るマル姐をじっと見ていたからだ。
…いや、見ているというには鋭すぎる。むしろ睨んでいるように見え…ーー
「何があったの?ゆっくり話してごらんなさい。」
ーー私がむせび泣きつつも頭に疑問符を浮かべてる内にマル姐が目の前にいた。それにより一瞬考えてたことが頭から消えて…、だけどすぐにそれが戻ってきたもんだからモートンさんがいた場所に目を向ける。だけどそこにはモートンさんはもういなかった。というか、医務室からもういなくなっていた。
「どうしたのキョロキョロして?」
………き、気のせいだったのかな…?現に睨まれていたはずのはマル姐は何にも気にしてないし…。
少し心がもやもやするけれど、目の前できょとんとしているマル姐や既にいなくなっているモートンさんを見てそう思った私は、このもやもやを心の内に仕舞っておくことにした。
「何があったかと思えば…。
落ち着きなさいよ【名前】。そんなことでハンターが死んでたら
「たくましいなオイ…。」
「さらっと恐ろしいこと言わないでちょうだい…。」
戸惑いつつもなんで大混乱していたのかという事情を説明した私にマル姐はそんなことを言った。その言葉にエミリーはちょっと引いてるみたいだけど…、私自身もマル姐のそのたくましい言葉に圧倒されてしまった。
「それに見てみなさいよ、この心地よさそうに寝ているジジイの顔を。」
「ジ…、ジジイなんて言っちゃダメだよマル姐…」
「こんな心地よさそうに寝てるジジイが今すぐ死ぬと思う?」
私の言葉を遮ってまで言ったケラケラとしたマル姐の言葉は、思わず確かに…と思ってしまうような説得力がある…。だって現にさっきまで白目をむいていたジョゼフさんは今、むにゃむにゃと言いながら心地良さそうに寝ているんだし…。
「……はは…、恐れ入ったか君たち…。4吊りだ…。」
あわわ…。なんか恐ろしい寝言まで言ってる…。
これってもしかして、私が心配してるほど深刻じゃないのかもしれない…。いや、むしろ大丈夫なのかも…。
そんなことを思った私は思わずクスっと笑みがこぼれてきた。
「ありがとうマル姐。気持ち落ち着いてきたかも…。」
「もう!人騒がせね。」
私は少しはにかみながらマル姐にお礼を言うと、マル姐はそう言いながらデコピンをしてきた。
「ふふ。さすが保護者ねマルガリータ。」
「誰が保護者よ。子供を産んだ覚えはないわ。」
にっこり笑いながら冗談を口走ったエミリーに、マル姐はジトっとした薄目でエミリーを見据えている。
……そ、それにしても…、もしかして私って皆さんからマル姐の子供みたいだなんて思われてる…?
そんなショックを人知れず受けてると、どこからかフッと笑い声がした気がした。だからなんとなくその声の方を見てみるとどうやらその声の主はサベダーさんだったようで、口角を上げる程度に微笑んだサベダーさんとばっちり目が合ってしまった。男性と目が合ったという恐怖で私があわあわとテンパっているとサベダーさんは微笑から一転、冷や汗を一筋垂らしながら少し呆れたような顔をしていた。
「…まあ落ち着いたんなら安心した。」
そう言ったサベダーさんは体をくるりと出口の方を向かせると、「じゃ」と言って後ろ向きで手を振りながら出ていってしま………
……って!
そのまま帰しちゃダメだっ!
数々の粗相にまだちゃんと謝っていないことに気付いた私はハッとして、慌ててサベダーさんを引き留めようとした。だけどサベダーさんはもう既に部屋にいなくて…。だから一人あわあわと焦った結果、慌てて追いかけることにした私は医務室を一旦後にすることにした。
「サベダーさん!」
既に部屋を出たサベダーさんは歩くのが早いのか、既にその背中は小さくなっていた。だから慌てて呼び止めると、立ち止まって振り向いてくれたので急いで駆け寄っていく。
「どうした【名前】?」
「本当にごめんなさい!ひどいこといっぱいしちゃったのに…!」
「…ああ、んなことかよ。気にすんなって言ってんだろ。今に始まったことじゃねぇんだし。
だから…、
そんな弱々しいファイティングポーズやめてくんねぇか?」
そんな言葉にハッとした私は自分の体をゆっくり確認してみると、なぜかファイティングポーズをしていることに気付いた。
……はっ!きっと防衛本能が働いたんだ!
そう思った私は少し顔を赤らめつつも慌ててファイティングポーズを解く。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!決して戦いたいわけじゃないんですっ!体が勝手に動いて!」
「次はカンフーのポーズしてんぞ。すげー弱そうだけど。」
いけない…!また防衛本能が働いて無意識に…っ!!
私は急いでカンフーのポーズを解いたけど、目の前のサベダーさんはこんな私を見て鼻からため息を吐いている…っ!
あああああ~!どうしよ!絶対呆れられてる……っ!