02:逃げるのに必死系女子
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吹き出る血を撒き散らしながら走りまくったところ、どうにか“南壁”と呼ばれているエリアまで逃げてきた。だけど……、もう体に力が入らなくなっていた。そして、ついに動く気力がなくなってしまった私は、その場にへたり込んでうずくまった。
「……こん、な……、情けないダウン……、ある……?」
もしかしてこの荘園初なんじゃないだろうか、こんな馬鹿みたいな“死”を迎えるのは。そんなことを考えている最中にも、目の前はだんだんと霞んでくる。この荘園のゲーム中の“死”は実際の死には繋がらない──、いつもはそれが幸いしているが、今回ばかりは逆だ。きっと目が覚めたらいろんな人に馬鹿にされることだろう──。
そんな自嘲をしていたその時だった。
「【名前】ちゃんッ!?」
突然聞こえてきた聞き覚えのある声は、珍しく驚いているように感じた。息も絶え絶えになりながらもゆっくりと声の方へと顔を向けてみる。案の定モートンさんだ。壁からひょこっと覗かせているその顔は、やはり驚きとそれからかなり慌てているようにも感じる。
「 ……ご…、ごめんなさい……。……び、びっくり…、しましたよね……」
「ホントびっくりだよ!何なのその血の噴水!?大丈夫なのッ!?」
モートンさんはそう言いながら、慌てて私の元へと駆け寄るとすぐさま“治療”を開始してくれた。
……とっ、とはいえ……、私は気が気じゃなかった。もちろん、男の人に触れられているから単純に怖いというのもあるのだが、それ以前に私の“外在特質”の一つに「男性サバイバーから治療を受けると治療時間が70%増加する」というものがある。……つまり、今の私は人より治療時間が無駄にかかってしまっているのだ……!
モートンさんの時間を奪ってしまっているというのも申し訳なければ、もし今ここにジョゼフさんが来ようものならモートンさんを巻き込みかねないため、それも申し訳ない……!。
「【名前】ちゃん、じっとしてて?」
そんなことを考えているからだろう、無意識的にそわそわとしてしまっていたらしい。モートンさんに注意されてしまった。
……その声色は穏やかだけど、その実、苛立ちが秘められているんじゃないだろうか……。またそんなことをふつふつと考えてしまった私は、モートンさんへの申し訳なさから泣きそうになってきた。……あと、秘かに「男性不信」による発作を我慢しているからか、なんだか震えも出てきてしまった……。
そんな時、私を“治療”してくれているモートンが突然フフッと吹き出した。
「小動物みたいにそう震えないでよ【名前】ちゃん。イタズラしたくなっちゃうじゃん。」
……
……
………い…、イタズラしたくなっちゃうって……っ、なんですか──ッ!?
思わず恐怖した私は、白目をむきながら口をパクパクとさせた。そんな私の様子はモートンさんにとってとてもおもしろいものだったらしい。モートンさんは“治療”を続けつつもアハハッと明るく笑い出した。
「【名前】ちゃんったら☆ 白目なんてむいちゃってどうしちゃったの~?」
「あ……ッ、いえ……ッ!何でもッ!」
「本当に~?」
モートンさんは楽しそうにそう言いつつも、ちゃっかり“治療”を第一段階終わらせてくれていた。おかげさまでようやく動けるほどには元気になったものの、相変わらず白目をむき震えている私は、動揺のあまりその場から動けずにいた。すると、モートンさんはそんな私に突然顔を近付けてきたかと思いきや、耳元で「それで?」と問うてきた。
「……どんなイタズラを想像したの?」
その声は、普段のモートンさんの声よりも少し低くなんだか色気を含んでいるような声色だ。その色気に当てられたのか、私の顔は一気に熱くなる。だけども、「なんなんだこの状況は?!」とふと我に返って青ざめた。しばらくこれを繰り返していたものの、突如としてあるものが目に入り、一気に全身から血の気が引いた。
……それは、私の一人紅白合戦を冷ややかな目で見ているジョゼフさんだ。
「………元気そうだね【名前】君。思ったより。」
……な、なんだろう……? そう言ったジョゼフさんの声色は、呆れとわずかながらの苛立ちがこもっているようにも見える……。呆れはともかく、……な、なぜジョゼフさんはそうも苛立っているのだろうか……?
「少しは心配していたのだけどね。乳繰り合っているとは思わなかった。」
……
……
………──しばらくして、ジョゼフさんの言葉の意味がわかってしまった。その瞬間、全身の血が沸騰しそうなほど熱くなった。
「違いますウゥゥー──ッ!!!」
思わず叫んでしまった私は、咄嗟に駆け出してジョゼフさんの近くの壁を力一杯押していた。……ちなみに、ここの壁はこんなに力を入れなくても壊れやすい。なのに、力一杯押してしまったせいで、崩れる壁の勢いがよくなったんだろう。
「ゴフゥッ!!!」
勢いが増した壁をぶつけられてしまったジョゼフさんは鈍い悲鳴をあげた。そして、ゆっくりと倒れてしまったのだった………。
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マイク「いいとこだったのに邪魔されちゃったね☆」
【名前】「(『いいとこだったのに』とは──?!!」
