02:逃げるのに必死系女子
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吹き出る血をまき散らしながら走りまくった私は、どうにか南壁まで逃げてきた。だけどそこで力尽きて見るも無様にうずくまってしまっていた。
………って、こんな情けないダウンの仕方ある?
うずくまりながら自分にそう呆れる。そして呆れながらも薄れてくる意識に、今日はここでこんな情けない出血死を迎えるんだろうな…なんて考えてトホホと呟いた。
だけどそんな私の耳に「【名前】ちゃん!?」と明るい声が聞こえてくる。だから声の方へ振り向くと、壁から少し驚いたような顔をひょこっと出しているモートンさんが目に入った。
「モ…、モートンさん…?
………あ。ご…ごめんなさい……、モートンさん、ここで解読してて…」
「いやいやいやいや!そんなことより腕から出てきてるその血の噴水は何!?大丈夫!?」
巻き込んだ…わけではないけれど、解読してるところにやって来てしまったことを申し訳なく思って謝るも、モートンさんはブンブンと手を左右に振りながら珍しく慌てていた。
……そ、そりゃそうか。腕からこんな血の噴水出してるなんてどう見てもヤバい奴だろうし…。だからまたトホホ…と情けない気持ちに浸っていたけれど、モートンさんいそいそと治療に取りかかろうとし始めた。
だけどモートンさんが近付いてきた瞬間、ピクッと軽く肩を揺らす。そしてただでさえ青白くなった顔から更に血の気を引かせながら縮こまり、プルプルと体を震わせた。
それを見たモートンさんは伸ばしてきていた手をピタッと止める。でも、すぐにニコッと笑った。
「そんな小動物みたいに震えないでよ。イタズラしたくなっちゃうじゃん。」
………あ…、明るく言ってるけど…、
イタズラしたくなっちゃうってなんですか!?
そう思って思わず恐怖した私は、今度は肩をビクゥッと大きく揺らしながら「ひいっ!」と小さく悲鳴をあげる。それでも目の前のモートンさんはニコッと笑ったままだ。だから私は、イタズラなんてしないで!という意思を伝えるために顔を左右にブンブンと振ってみせる。そんな私を見たモートンさんは、なぜかほんの一瞬だけ真顔になったけれど、すぐにいつもの笑顔に戻って「冗談だよ~☆」とおちゃらけた様子で言って……
……
……
………って。その冗談はちょっと怖いのですが…!
「あはは~☆白目なんてむいちゃってどうしちゃったの?
まあいいや。治療始めるよ~!間違っても暴れたり殴ったり護符投げてきたりしないでね?
もしそんなことしてきたら……」
モートンさんは未だ情けなく震えている私に構わず笑顔のままそう言うと、突然グイっと顔を近付けてきた。
「……ホントにイタズラしちゃうかも…?」
驚く暇すらもなかった私にそう言ったモートンさんの表情は悪巧みをしているイタズラっ子のような笑顔だった。でも、その声は普段のモートンさんとは思えないような声だ。いつもより少し低いし、なんだか色気を含んだような…。
だけどそんなことに構う余裕のない私は、顔中から血の気を引かせたり全身から熱を集めてきたりと忙しく顔色を変えながら、もはやガタガタと体を振るわせていた。でもそんな自分の体をどうにか落ち着かせながら頭をコクコクと激しく上下に動かした。そんな私の様子を見たモートンさんはそんな私の頭を「いい子いい子~」と言いながら少し撫でると、治療にとりかかってくれた。
「はい!治療終わったよ!」
しばらく我慢すると、いつもの調子でモートンさんがそう言った。だから先程まで血の噴水が噴き出ていた腕を見てみると、丁寧に包帯が巻かれている。これのおかげで痛みがなくなって、体が自由に動けるようになった。
「あ…、ありがとうございます…!」
「お礼なんていいよ~。このゲームにおいてはケガしちゃった子を治療するのは当然のことなんだしさ。」
私のお礼に対しそう返すモートンさん。…でも、なんだか残念そうに見えるのは気のせい……だよね?
「おや、よかったじゃないか【名前】君。」
なぜか治療を終えたモートンさんの顔が残念そうに見えたことになんだかハラハラしていると、心臓がバクバクとけたたましく鳴り響き始めた。それと同時に耳に入ってきたそんな声…。嫌な予感しかしないんだけど…。
「これで僕と心置きなくチェイスができるわけだ。」
その嫌な予感を胸をゆっくりゆっくり声の方へ顔を向けると…、案の定そこに立っていたのはジョゼフさんだ…。
「さあ、僕がエスコートしてあげよう。恐怖の
「キャアアアァァァァーッ!!!」
白目をむきながら咄嗟にそう叫んだ私は、無意識の内にジョゼフさんの近くの壁を押していた。…ちなみに、ここの壁はなぜだか壊れやすい。
「ゴフゥッ!!!」
そんなわけで私の推した壁は見事ジョゼフさんに命中し、白目をむいたジョゼフさんは口から吐血しながら鈍い悲鳴をあげてゆっくりと倒れていったのだった…。
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マイク「え?もしかしてジョゼフ『恐怖の
【名前】「そそそそそんなことよりどうしましょうっ!?」