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4年前…
日本国の田舎の社家の家系に生まれた私は、日々巫女として勤しんでいた。
別に不満なんてなかった。だけど、いつかとっても素敵な出来事がやってくればいいのにな…なんて期待をしていた。
そんなある日、異国の地からやって来た殿方に熱烈なアプローチを受けた。こんな心ときめくことなんて初めてで、きっとこれは運命だと感じた。だから殿方についていくことを決心した。
だけど両親には猛反対された。挙句の果てには出ていくなら名字を捨てろとまで言われた。
なら…、この名字は捨ててしまおう。
3年半前…
親の言うことは聞くべきだった。
彼にとって“異国の女”である私はただ単に珍しかっただけ。その証拠に彼の愛は私だけに向けてくれるものではなく、あっちこっちにたくさんある。
それでも彼の愛を独占しようとした結果、彼からは「君の愛は重い」と言われ家を追い出された。
これから先、こんな異国の地でどうやって生きていこう…?
3年前…
私の血筋は少し変わっている。普通の人には見えないだろう幻影が見えるのだ。
私にはこれが変わらず見えている。どうやら純潔を守っていたお陰で力は失っていなかったよう。
だから異国の地で、その力を使って働くことにした。
そんな中、とある青年に出会った。
この青年は傷ついた私の心に寄り添ってくれた。
彼とならこの異国の地でも幸せになれるかもしれない。
2年半前…
この国では体の結びが愛の誓いだというのだろうか?
結婚してからでないと純潔は捧げられないと言うと彼の態度は豹変し、殴る蹴るといった暴行が日常茶飯事となった。
おまけにコツコツ貯めたお金も取られてしまう。
だけど、きっと彼が悪いわけではない。
悪いのは彼の期待に応えれない私…。
2年前…
とある紳士に出会った。
その紳士は親身になって私の話を聞いてくれた。そしてその紳士と話している内に私は自分が酷い境遇にいることをようやく気付いた。
紳士は時間はかかるが私を助けるべく動いてくれるとのこと。そのためにはお金が必要とのこと。
お金なんて些細な問題だ。この人こそが私の運命の人かもしれない。
1年半前…
紳士に出会ってから半年が過ぎた。
結局持ち得る財産全て紳士に渡したものの、その紳士は私を迎えに来てくれない。それどころか連絡すら途絶えた。
そして当然、彼からは「金がないなら出ていけ」と言われ追い出された。
だけども一銭も持ち合わせていない私はもちろん路頭に迷っていた…。
しかし、そんなところを中年の紳士に拾われ、住み込みで働かせてもらえることになった。
1年前…
ある日、拾ってやった恩を返せと旦那様に言われた。
優しかった旦那様のいつもとは違う形相に戸惑いつつも、純潔は捧げられないと懸命に説明をした。
旦那様は一旦身を引いてくれたものの、この日を境に毎日言い寄られるようになった。
10カ月前…
旦那様がついに強硬手段に出た。
今回はなんとか純潔を守れたが、また同じことが起こるかもしれない…。
そうなる前にここを逃げ出さないと…!
半年前…
気付けばホームレスと化していた。
その日の食べるものに困るのはもちろん、卑しい人たちに追いかけられ服も心ももうボロボロ…。
私はこの先どうすれば人生を立て直せるのだろうか…。
3ヵ月前…
相変わらず路頭に迷っていたところ、いつの間にか道端で寝てしまっていたらしい。
これ自体は慣れっこだ。だけど目覚めた時、不思議なことに身に覚えのない手紙を握っていた。
中には…
〈哀れな【名前】様
あなたの欲しいものは何ですか?
安定した生活を送れる程のお金?
誠実で優しい恋人?
それとも帰郷?
当エウリュディケ荘園では何でも叶えて差し上げることができます。〉
私の心は疲れていた。
こんな胡散臭い手紙を信じる程に…。