It Happened One day…(全2種)
<It Happened One day… その1>
「昨日の夜ね、お砂糖を買いに行った帰りに変な人に声掛けられたの」
「それって、最近出るっていう通り魔か?大丈夫だったのか?」
「うん。怖かったから急いで逃げたんだけど、りっくんと出掛ければ良かったよ」
「当分は一人で外に出ないようにしろよ。お前はただでさえ危なっかしいんだから」
「そんなことな…あれ?あっちから走ってきてるのは…」
「進?」
「ああ、お前達か」
「こんにちは。こんなところまでランニングですか?」
「この辺りで不審者が出ると聞いたからな。見回りも兼ねている」
「わざわざ来てくれたんですね!進さんならすぐにやっつけてくれそうで安心です!」
「…今日中に必ず捕まえよう。筧は引き続き、彼女のボディガードを頼む」
「あ、ああ。はい」
「あとは任せて、気を付けて帰れ」
「はい!頑張ってくださいねー!」
「まさかアイツ、そのためだけに…」
「…?」
「ねぇ、先生に聞いた?王城の生徒が不審者を捕まえてくれたんだって!きっと進さんだね!」
「……だろうな」
「やっぱり進さんはすごいね!颯爽と現れて助けてくれてカッコイイ!」
「くっそ!!俺だってその気になれば不審者の一人や二人!!」
「でも、何より駿くんが一緒だったから怖くなかっ…聞いてる?何処見て叫んでるのー?」
<It Happened One day… その2>
「それじゃ、また明日ね!」
「ああ」
「…やぁ。どうも」
「あれ?こんばんは。家の前でどうしたんですか?」
「夕飯を一緒にって話になったんだけど、陸が鍵忘れて、学校まで取りに戻っちゃってねぇ」
「夜中に外でお待たせしちゃってすみません!キッドさんにも合鍵渡したほうが「おい」
「わっ、駿くん!?帰ったんじゃなかったの!?」
「聞き捨てならねぇ台詞が聞こえたから戻ってきた。なんだよ合鍵って!他人な上に男だぞ!?」
「他人じゃないもん!パパだもん!」
「んな仮想の設定話してんじゃねぇよ!大体お前は危機感がねぇってあれほど…!」
「ああもう君達、こんなところで揉めないで…」
「フー…騒がしいね。何事だい?」
「「「赤羽(さん/氏)!?」」」
「この前お裾分けしてもらった時の容器を返しに来たよ。ありがとう」
「お手数掛けてすみません。いつでも良かったのに」
「…ねぇ。お裾分けってどういうこと?君も貰ってるの?」
「一人暮らしは大変だろうと、たまに頂くよ」
「お前なぁ!!人が良すぎるだろ!!偽アイシールドなんて放っておけ!!」
「まだ根に持って、いたたた!いいじゃない!一人暮らしって大変なんだよー!」
「遅くなってすみませ…って、筧ー!俺の妹に何してんだ!!」
「お前は俺よりコイツと赤羽を怒れ!!」
「は!?」
「と、とりあえず冷静に話し合おうか。どんどん修羅場と化していくからね」
「…で、なんでこのメンツと食卓を囲うことになったんだ」
「みんなでご飯食べたら仲良くなるかな~と思って」
「本当に君は、心が広くて優しい子だね。何処かの誰かとは大違いだよ」
「ああ!?」
「もう!喧嘩しないでよ!」
「出禁にされたくなかったら、全員黙って食ってください」
「「「…いただきます」」」
「おかしいな…お通夜みたいな雰囲気になっちゃった」
「お前もお前だ!今日のデザートはなしだからな!」
「ええええなんで!?りっくんのバカー!すっごく楽しみにしてたのに!ばかばかばか~~!!」
「…可愛いな」
「なんなんだあの天使は…」
「食事よりも、癒しを求めてここに来てる気がするねぇ」
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