マネ&チア女子トーーク!
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「やー!みんな集まったねー!」
「えーと、鈴音ちゃん?」
「ん?何なに?」
「これはどういう状況、なんでしょうか」
急に呼び出されて待ち合わせ場所に来たら、鈴音ちゃんとまもりお姉ちゃんに加えて、摩季ちゃん・乙姫先輩・浦島先輩の巨深組と、ジュリさん・小春ちゃんまで勢揃い。こんなにマネージャーとチアの人を集めて、一体何をするんだろう。
「フフフ…わかんなーい?女子会ってヤツだよー!」
「女子会?」
「うん。あんな状態で再会しちゃったけど、普通に喋る機会も欲しかったから…」
「確かに、体育祭は色々大変なことになってたもんね」
「アタシは花音達とダベれて、奢りっていうから来たんだけど~」
「そうそう!妖一兄が奢ってくれるって!」
「絶対怪しいよ!!何か裏があるよそれ!!」
ヒル魔さんの奢りって!ケーキに毒でも入ってるんじゃないのレベルで怖いんだけど!でもそう口を出す暇もなく、私は鈴音ちゃんと摩季ちゃんの間の席へ誘導された。この喫茶店にぴったりな感じで、みんなお洒落で可愛い。女子会って知ってたら、私も新しいワンピースで来たのに…
「あの、お招き頂いたのは有難いんですけど…私まも姉さんや花音ちゃんの知り合い程度で、他の方とはあまり関わりなくて」
「あー自己紹介が済んでないわね。アタシは沢井ジュリ。盤戸スパイダーズのマネージャーよ」
「私は泥門のマネージャーの姉崎まもりです」
「やー!その泥門のチアリーダー、瀧鈴音でーっす!」
「王城マネージャーの若菜小春です」
「花音と交代でマネやってる渋谷摩季で~す」
「巨深のチアリーダーの乙姫です」
「副部長の浦島よ!」
「ご存知だと思いますが、巨深マネージャーの水瀬花音です。そういえば、乙姫先輩達のお名前は「あら、ケーキが届いたみたいね」
「えっ、あれ…?」
スルーされてしまったけど、私を入れて総勢8名の女子会。最初は緊張気味だったけど、打ち解けると結構賑やかになってきた。こうして集まると、改めてたくさんの友達が出来たと感じて嬉しい。アドレス帳にもアメフト部の人だけじゃなくて、女の子の名前も増えてきたし。「普通は逆だろ!」ってりっくんには怒られたけど。
「てゆーか、みんな花音と知り合い系?」
「うん。全員面識あるよ。でも最近仲良くなったから、小春ちゃんのことはあんまり知らないな」
「私は…や、八百屋の娘というか」
「八百屋さんなんだ!今度お買い物に行くね!」
「ありがとう。私がいればおまけするよ。花音ちゃんは、まも姉さんと幼馴染なんだっけ?」
「そうだよ」
「へー花音ちゃんって色んなとこで接点あるのねー」
「ジュリさんとは、赤羽さんをきっかけに仲良くなりましたよね」
「赤羽はいつもウザいけど、あの時ばかりはちょっと感謝したのよ」
「…さらっと酷いですね」
同じマネージャー同士でいつかは出会ったと思うけど、ああいう出会い方は少ない気がする。敵同士とはいえ、赤羽さん達みたいに個性的な人と仲良くなれるのも楽しいのに。ジュリさんは相変わらず、ちょっとキツイな。
苦笑しながら届いた紅茶を飲んでいると、思い出したように声を上げて紙袋を手渡された。
「はい、これ。アタシのお下がり持って来たわよ」
「ありがとうございます。わー可愛い!着こなせるか不安ですけど、大事に着ますね!」
「ふふ、良かった。ちょっと大きいかもしれないけど、アレンジとかしちゃっていいから」
「それ、巨深のチア衣装に似てるわね」
「私が華やかにアレンジしてあげるわよ!!」
「は、はい。ありがとうございます」
何故か浦島先輩達が張り切ってるけど、前に約束したお洋服をいくつか貰った。でも、こんなに肩出した服とか着れるかな。風邪引くからやめろ、って怒られそうな気がする。確かにチアの衣装に似てるし、着てみたいのもあるけど…上着を羽織れば大丈夫かな。
そんな感じでしばらく喋っていると、タイミングを見て鈴音ちゃんが話を変えてきた。
「でもやっぱ、女子会といえば恋バナでしょー!」
「そういうのはちょっと…」
「なんでー!?花音っちが一番楽しいのに!」
「こっちは楽しくないの!」
「花音って全然浮いた話ない上に鈍感だからな~ガチの筧とか水町が可哀想だわ」
「へ?」
「赤羽だけは止めなさいね!!おかしなことになるから!!」
「ヒル魔くんも止めて!!危ないわ!!」
「は、はいっ」
もっと恋バナ攻撃がくると思っていたら、逆に止められるなんて。そこまで否定されると可哀想だけど、どっちにしろ恋する気はないから、その方が有難い。
…でも、婚約者(仮)がいるってバレたら、当分帰してもらえないだろうな。
「花音っちモテそうだし、選り取り見取りなのに~!もったいなーい!」
「そう言われても興味ないというか、それどころじゃないというか…」
「でもさー!筧ちゃんとか絶対怪しいじゃん!」
「ぶはっ!か、筧ちゃんっていわれてんの!?超ウケる~!アタシも言ってやろ!」
「待って。絶対怒るから、流行らせないで」
「「えー?」」
鈴音ちゃんは恋バナ大好きのようで、さっきからグイグイくるから困る。それにいい加減筧ちゃんは止めないと、駿くんが可哀想だ。この二人は更に悪巧みしそうで危険だし。そうだな、一番手っ取り早いのは…
「止めないなら、鈴音ちゃんは瀧さんって呼んで、摩季ちゃんは宿題見てあげないからね」
「「そ、それだけはーー!!」」
「初めて会ったときから大物感はあったけど、凄いわね」
「ええ。花音ちゃんがいるから、アメフト部も成り立ってる気がするわ」
「でも最初はチア部だったのに…ああ憎い!アメフト部が憎いわ!」
「花音ちゃんって、チア部だったの?」
「数日間、名前だけね。倒れちゃってすぐ辞めたんだけど」
「もうダメじゃない!!昔から体弱いんだから!!」
「ご、ごめんなさいっ!」
話していくうちに色々バレていくけど、大抵はまもりお姉ちゃんに心配されつつ怒られる。りっくん達もかなり過保護だけど、元祖過保護はやっぱり半端なかった。改めて見ると、周りには心配症が多すぎると思う。
「大体陸っくんだっていつも見てる訳じゃないし、だらしないところもあるんだから」
「本人を前に酷いな。まも姉」
「えっ、陸っくん!?」
「なんでりっくんがここに?」
「花音が薄着のまま出てったから気になったんだ。冷え性のくせに、上着忘れて出てくなよ。ほら」
「ありがとう。わざわざ来てくれたの?」
「スパイク買いに来たついでだから気にすんな。って、かなり大人数だな…こんにちは。甲斐谷陸です。妹の花音がお世話になってます」
「「「「「「「いや、こちらこそ…」」」」」」」
颯爽と現れて、丁寧に挨拶し始めたりっくん。みんなも驚きつつ挨拶し返していた。すぐに気を遣って帰っていったけど、なんであんな嘘付いたんだろう。
「…お金」
「え?」
「お金ないからスパイク買えないって、昨日言ってたのに。わざわざ雨の中来てくれたんです」
「知ってたけど、従兄くんマジイケメンすぎでしょ…」
「なんか、花音っちに彼氏いない理由がわかったよ。いないっていうか、いらないって感じ?」
「この前の試合も凄かったけど、素敵なお兄さんだね」
「うん!自慢のお兄ちゃんだよ!」
「妹は妹でこれだしー?」
摩季ちゃんに若干呆れられつつ、頭を撫でられた。でも大半は、仲良い従兄妹ね~って感じでほのぼのとされている。仲良しって言われると素直に嬉しい。たまに異常ともいわれるけど…
そうぼんやり考えていると、急に携帯が鳴った。断りを入れてすぐに確認すると、さっき別れたばかりの従兄からだった。
From:りっくん
title:Dear 花音
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よく遊びに行くことが
増えて良かった。
遅くなってもいいけど、
連絡はちゃんとしろよ。
楽しんでおいで。
「…?花音ちゃん、なんだか嬉しそうね」
「はい。皆さんと仲良くなれて、私はすごく幸せだなと思って」
「「「「「「「っ、可愛いーー!!」」」」」」」
「きゃあああっ!?」
高校に入るまで、友達や交友を断ち切って図書室に通う、勉強漬けの毎日だった。お蔭で得意科目は大分先へ進んだけど、同年代の子と遊ぶことはほとんどなかった。
夢が叶うまではこれでいい。なんて…いいわけないのに。ずっと我慢してたこと知ってたよね。ありがとう、陸。今だけは何も考えずに、普通の女の子として色んなお喋りをして楽しむよ。
「花音っちは泥門のチアが似合うってば!」
「それより盤戸の制服着て!絶対可愛いから!」
「王城のも清楚で可愛いと思うよ!」
「一回巨深チア見たかったのよね~」
「はい、花音ちゃん!こっち向いてー!」
「ど、どうしてこんなことに!?」
…なんて思いも虚しく、本当の目的は着せ替え人形にすることだったらしく、ようやくヒル魔さんが奢るといった意図を理解した。私の脅迫ネタ集めって!友達の頼みを断れないと知ってて酷過ぎるよ!なんで皆さんわざわざ持参してるんですか!お店の人も許さなくていいのにー!
「ケケケ、どうだ?王城制服verの写真も付けるぜ。
「可愛…じゃなくて、何のことかな?その前に、彼女の許可を得ているのか?」
「…水瀬は、王城に通うのか?」
「ちょっと嬉しそうだけど、違うから!問題はそこじゃなくて、若菜の制服を着てるせいでスカートがちょっと短いんだよ!」
「ごめんなさい!まさか花音ちゃんの写真が、こんなことに使われるなんて…!」
「どうにか別の方法で入手出来ないものか…」
「高見さん、花音ちゃんを助けるためですよね?自分のためじゃないですよね…?」
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あとがき→
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