金剛兄弟の妹の場合。
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初めまして。金剛愛です。私には双子のお兄ちゃんがいます。兄のほうが雲水で、うーちゃん。弟のほうが阿含で、あーちゃんって呼んでいます。
二人ともアメフトっていうスポーツをやっています。ラグビーとは少し違うみたいで、かなり危ないスポーツだそうです。応援に行くのも絶対ダメ!っていわれるくらいです。本当は応援に行きたいのに…
「というわけで、こっそり来ちゃいました…!」
バレたら怒られるから、深く帽子を被って潜入です。危ない人には気をつけて、出来るだけ女の子達がいるほうへ着いていきました。神龍寺は黒っぽいユニフォームだったはずです。うーちゃんは12番。あーちゃんは2番で…うーん。一体何処にいるんでしょうか?
「ちょっとお嬢ちゃん」
「は、はい?」
「どうしたのー?迷っちゃったのー?」
「お兄さん達が案内してあげようかー?」
あ、キョロキョロしてたら、いつの間にか女の子達の集団からはぐれてしまいました。すごく柄が悪そうなお兄さん達です。あーちゃんみたいなドレッドヘアの人もいます。でもでも、とっても優しいあーちゃんと違って、このお兄さん達はすっごく怖いです…!
「だ、大丈夫です!」
「いやいや、別に怖くないって」
「何してんスか」
「え、あ…コイツ神龍寺の一休じゃね!?」
「一度いってみたかった…じゃない!嫌がってんじゃないっスか!その手を離すっスよ!」
「や、やべー逃げるぞ!」
そういって、額にホクロがあるお兄さんが私を助けてくれました。確か…細川一休さん、って人です。怪我はない?と聞きながら、とても心配してくれています。笑顔でお礼をいうと、何故か顔を赤くして固まってしまいました。熱でもあるんでしょうか?
「ありがとうございました。一休さん、ですよね。試合頑張ってくださいね」
「え?あ、ありがとう!おおお鬼頑張るよ!」
「ふふ、鬼頑張るって可愛いですね」
「可愛いって、君のほうが…」
「はい?」
「な、なんでもないよ!」
「あ、そうだ。神龍寺の応援に来たんですけど、応援席は何処ですか?」
「応援席?神龍寺側ならこっちかな。ついておいで」
「はい!お願いします!」
そういって一休さんが案内してくれたけど、こんなに大勢いる中ではぐれてしまいそうで、途中から手を握ってくれました。ずっと耳を赤くしてあわあわしているけど、一休さんはとっても優しい人です。
「へーお兄さんの応援に!愛ちゃん、偉いね!」
「でも、来ちゃダメっていわれてるから遠くから見「愛!?」
「きゃああ!うーちゃん!」
「うーちゃんって…え!?雲水さん!?」
「何してるんだこんなところで!来るなっていっただろう!」
「ご、ごめんなさい~!」
途中で一休さんを探しに来たうーちゃんと出くわしてしまい、とっても怒られてしまいました。一休さんは私とうーちゃんを交互に見て、兄妹なんスか!?と、かなり驚いています。
「そう、妹の愛だ。まさか試合会場に来るとは」
「来ちゃマズイんスか?応援したがってましたよ?」
「危ないだろうが!!他校や一般の変な男に絡まれる可能性もあるというのに…」
「ああ、そうそう。さっき絡まれてたんで俺が助けたんスよ」
「何!?愛!!だからあれだけ来るなと…っ」
「ご、ごめんなさぃいい…!」
うーちゃんはそれはもう怒って許してくれませんでした。そしてすぐ、あーちゃんに電話を掛けていました。一休さんに聞いたさっき絡まれた人の人相を伝えています。一体どうしたんでしょうか…?
それから数分後にあーちゃんがやってきて、すぐにぎゅうっと抱き締めてくれました。
「よしよし俺の可愛い可愛い愛!怖かったろ?大丈夫だったか?」
「あ、あーちゃん!血がついてますよ!?」
「チッ、カスの血付いてやがる…あー大丈夫大丈夫。お兄ちゃんの血じゃないから」
「ホント?痛くないですか?」
「ああ。全然痛くない」
あーちゃんはにこにこして頭を撫でてくれました。一休さんはその間ぽかーんってしていたけど、うーちゃんは少し呆れた感じです。
「しかしもう試合が始まるし、愛を送る時間がないな」
「なら俺が送って「あーちゃん、試合出ないんですか?」
「え?あ、あー…愛を家に帰さないとだからな?」
「そうなんですか。うーちゃんとあーちゃんの試合見たかったです…」
雑誌には、ドラゴンフライっていうのがすごいって書いてありました。私が見るのはいつも雑誌の記事だけで、実際の試合は観たことがありません。
二人ともこんなに頑張ってるのに、私は一回も観戦したことないなんて…と落ち込んでいると、うーちゃんとあーちゃんは顔を見合わせて話し合っていました。
「…おい雲子。今日フルで出てやる」
「ああ、そういうだろうと思ったよ。初っ端からドラゴンフライで行こう」
「あ゛ー?当たり前だカス。愛の前で失敗したら殺すぞ」
「えええ!阿含さんフルで出るんスか!?鬼楽しみーー!!」
「えっ、ホント!?」
「ああ、ホントだよ。お兄ちゃんがカス共…いや、選手を倒すとこをちゃんと見てな?」
「ただし女性が多い所でな。いや、もう監督に頼んでベンチにしてもらってもいいな」
「やったー!うーちゃんとあーちゃんと一休さんのこと、いっぱい応援しますね!」
「……この天使のために何百点取ったらいいんだ」
「150は固いな」
「俺200点でも余裕っスよ!」
それから仙人さんのような監督さんの隣で、神龍寺を応援しました。得点はなんと202点と、大会記録らしいです!すごいです!私のお兄ちゃん達は、本当に強くてカッコイイです!
無事に試合が終わってからは、うーちゃんとあーちゃんの間に入って手を繋いで帰りました。電車に乗っている途中でいつの間にか寝てしまったけど、家に着くまでうーちゃんがおんぶしてくれたみたいです。
「あ゛ーなんだこの天使クソ可愛い…」
「阿含、写メ撮るな。フラッシュ音で起きるだろう」
「起きねーよ。つーか雲子のハゲ邪魔だ。退け」
「無茶をいうな!」
「大声出すな愛が起きるだろカス。殺すぞ」
私には双子のお兄ちゃんがいます。とっても優しくて頼りになる、仲良しなお兄ちゃん達です。でもそれは私の前だけで作られた仮の姿なんて、知る由もないのでした。
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