23.推測と因縁
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「ん?お前ら泥門の…」
「あ、いたいた筧くん!実は…」
泥門の主務だと思っていた、セナこと偽アイシールド21。どうやらアイシールド21と名乗る人物がいたから、俺が見た本物かどうか聞きに来たらしい。赤羽隼人、か。確かに去年のMVPだし実力は確かだが、ポジションも体格も全然違う。そいつも偽物と考えていいが…
「栗田さん吹っ飛ばすくらい強いのになー」
「そうだよね。即座に花音ちゃんも庇ってくれたし」
「…花音が、どうかしたのか?」
「あ、いや、それは!」
なんでそこで、花音が出てくるんだ。西部が勝って、そのままBブロックの準決勝を見るという連絡のあと、全く音沙汰がないんだが。赤羽が花音を庇っただと?そもそも栗田さんがアイツに何かしたのか?
「ええーー!!花音っちと赤羽さんって付き合ってるんじゃないのーー!!?」
「「「「「「「!!?」」」」」」」
「ち、違うよ!お友達だってば!」
「でも天使とか言ってたし!花音っち真っ赤だったし!」
「それは、赤羽さんが変なこと言うからっ!」
隣から聞こえてきた、紛れもない花音の声。質問してるのは知らねぇ女子だけど、どうして付き合ってると思われてるんだ?一体この短時間で何があったんだ?無意識に俺の視線は、知ってそうな二人に向いていた。
「おい泥門」
「は、はい!」
「アイシールド21かどうかは、この際どうでもいい。花音に何があった」
「何って、えーと…」
「………」
「セ、セナー!!言わないと威圧だけで殺されそうだぞ!?」
「筧怒らすと怖ぇよー?特に花音ちゃん関わるとさ~」
「い、言います!!ごめんなさい!!ごめんなさいいいい!!」
それから話を聞いた。否、吐かせた。とりあえず栗田さん…いや、栗田。俺はアンタを許さない。花音が許しても許さない。その赤羽が花音を庇ったのは有難いが、カップルに見えるってなんだ。確かビジュアル系な見た目だった気がするけど、キザでよくわかんねぇヤツなんて余計に近寄らせたくない。いつの間に知り合いになったんだ。
「ふんふん!ってことは、その赤羽ってヤツ要注意だな!」
「花音ちゃんって、誰とも付き合ってないんだよね?」
「とりあえず、俺が出会ってからはねぇな。結構モテるけどナンパは潰してるし」
「筧がいたら超男避けになるもんなー!」
「うるせぇよ。つーか、お前はさっきから何してんだ」
「何って、銭湯なんて泳ぐか覗くっきゃねーじゃん」
「「「「「両方違ぇえええーー!!」」」」」
相変わらずな水町は周りが止めているからスルーして、赤羽についてわかってることをセナに話した。ポジションは違うが、かなりの実力者だ。コイツが赤羽を超えねぇと勝ち目はないだろう。
「男湯うるさーい」
「健悟くん、静かにしなさーい」
「…はーい」
「花音ってすげぇな。あの水町も一発だもんな」
「あはは…その花音ちゃんにどうこう言えるの、ウチじゃ筧くらいだけどね~」
「へぇー」
「…なあ、花音って昔からあんな感じだったのか?」
「そうだね。勉強は出来るし、優しいし、陸といつも一緒で」
「ンハッ!やっぱ変わんねーんだ!」
「でも寂しそう、だったかな」
「寂しそう?」
「たまにだけどね。今はよく笑ってて良かった。あのほうが花音ちゃんらしいよ」
心底喜んでいる姿を見てすぐに、セナも花音が好きなんだと悟った。多分花音は、昔から優等生として生きていくって決めてたんだろうな。今は大分柔らかくなったけど、そんな前からあんな寂しい生き方をしていたのか。
「なんだよー!やっぱセナ、花音のこと好きなんじゃねーか!」
「い、いや僕は!そんな!」
「だーめだってー!!花音ちゃんは絶対渡さねぇー!!」
「「うおおおお!!許さん!!」」
「うわあああ!!?」
「何やってんだか…」
「もー駿くーん!迷惑だから静かにさせてー!」
「…お前ら、覚悟はいいか」
「「「「え、ちょ、ぎゃああああ!!!」」」」
「うーん…やっぱ筧と花音ちゃんタッグは最強だね~」
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