20.One more time
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筧が…偽物に抜かされた。あのまま入ったら、俺らの逆転負け。そんなの嫌だ。勝って待ってるっていったじゃん。花音ちゃんだって今お父さんとこで、すっげー辛い思いして頑張ってんじゃん。
「笑わないよ。おかしくなんかない。頑張りすぎちゃうくらい真っすぐな貴方は素敵だと思う」
「信じたいって思える人は、目を見ればわかるよ。その人を信じて」
花音ちゃんの言葉を聞いて、俺は筧を信じたんだよ。コイツの言葉は嘘じゃないって思ったんだ。
俺の無茶な要求にも、みんなついてきてくれた。花音ちゃんも何度も倒れそうになりながら、一生懸命頑張ってくれた。いつだって応援してくれた。だから俺、やだよ。このまま負けんの。絶対、絶対…っ
「ああああぁあああああああっ」
…でも結局、負けちまった。折角ギリギリで偽物止めたのに、最後に俺が小結に倒されたから。あんなにバカにしてたちっこいのにさ。花音ちゃんが見下すのやめろっていってたのに、聞かなかったせいかな。
「なぁ筧、どうしたらいい。花音ちゃんに、なんて言ったらいい」
「………」
「彼女のお父様も心配ですが、我々の失態をどう見るか…」
「うおおおお!花音ちゃんには嫌われたくないっス!!」
「そういう子じゃねぇよ。ただ俺ら、全国大会さ…なんで…」
「…とにかく、着替えよう。先輩達と合流すっぞ」
「……おう」
筧のやつ、全然悔しそうじゃねーのな…なんて思うだろ。でも俺、わかるよ。一番悔しいのは筧だって。勝ち進んでアイシールド21と戦いたいっていってたけど、それ以上に花音ちゃんとの約束があるから。涙一つ流さないのは、俺と同じように頭ん中ぐちゃぐちゃだからだと思うんだ。
「我らの海を穢す、悪しき~…えーっとなんだっけ?」
「………」
「ほら、筧!なんだっけ!」
「
「~~っ、ポーセイドン!!」
これが最後の試合になるんだったら、花音ちゃんに言ってほしかったな。折角考えてくれたんだから。そしたら俺、もっと頑張れたかな。筧も花音ちゃんも五分五分だっていってたから…もしかしたらさ、なんて。今更喚いてもしょうがねぇんだけど。
なんで、なんで…終わっちゃったんだろうな。
「…?どうしたの、ヒル魔くん」
「向こうのマネがいなかったのが救いだったな。分析担当が糞つり目くれぇで済んだ」
「マネって、あのギャルっぽい子だけじゃないんスか?」
「途中で入った女がもう一人いる。賊学戦の前からいねぇけどな。あいつがいたら、最悪は…」
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