アルリツ短編
「ただいま!」
まるで自宅に帰ったかのような言葉が飛び出した。
それだけアルフレッドの家には何度も来ているし、心地が良い。
それでもちょっと、図々しい発言だっただろうか?
アルフレッドを見る。
さっきまであった笑顔は消えている。
(あれ? 変なこと言ったかな)
これくらいの冗談のやり取りは日常茶飯事なはずなんだけどな、と思っていたリツカを抱き寄せ、アルフレッドはリツカの頬をその大きな手で包み込んだ。
「このまま住んじゃう?」
いつもより低い声。
真剣な表情。
そしてその言葉。
ーー告白。
「あ、え、えっと」
顔に熱が帯びていく。
この赤さが返事じゃだめかな、だめだよね……と思いつつ、まだ想いを形にすることは難しそうだから、とアルフレッドの頬に唇を寄せた。