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灼熱カバディ夢



「お、コレ今月の新作だって。食べてみようぜ」
「えー……銀、まだ食べるの? 夕飯あんなに食べたのに」
 おうおう、何でも買っていけ。もうすぐ上がりの時間だ、スカスカの棚を綺麗にするのは自分じゃない。そう思ったら店内に響き渡るイチャついた会話だって耐えられる。
「まさか。明日の朝メシ」
 自分の分と彼女の分だろう、菓子パンを二袋ぽいぽいカゴに入れてレジに持ってきた。
「わたし、朝ご飯くらい作るよ?」
「や、嬉しいけどさ。すばるちゃん、作れんの? だって――」
 ぴ、とバーコードを読み取る音に掻き消された、その男の放った一言はなんだったのだろう。一瞬で彼女の顔を真っ赤にさせ「銀のばか」と「さいてー!」しか喋れなくしたその言葉は。
ふとカゴの中を見る。菓子パンふたつ、ミネラルウォーター二本、そして堂々とカゴの中に居る『それ』。しかも……三箱!?
……あー、そう。青春ですね、真っ盛りなんですね。羨ましいぞ、クソッ。

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