bnyr!
「葵陽!葵陽もやってみないか!?」
「お願いだからやめて!!」
BLASTの四人は、どうやら着ていた水着をサルに奪われたらしく、股間に葉っぱを付けて戻ってきた。しかも、何故かは分からないけど、大和くんがオレにも同じことを要求してきて困っている。
「大和、葵陽くんに俺達のような男臭い格好をさせるのは失礼だろ。ここはもうビキニを着せるべきだ!!」
「な、何言ってるの翼くん!?」
「その手があったか!でもこんな無人島にそんなものあるわけ……」
「ふふっ、お困りのようですね!」
「はっ!そ、その声はユキホ!!」
外にいたはずのユキホちゃんが、いつの間にか部屋にいた。ユキホちゃんは、私物だと思われる大きなカバンを持っていた。
「実は、シェリーさんの提案で葵陽さんにビキニを着せるために買って持ってきたのです!」
「おお!流石シェリーだな!」
「いや着ないよ!?」
「ダメです!そのように上半身を晒して、私達を誘惑するなんて悪い子ですね!」
「だってオレ、男だよ!?上はいらないでしょ!?」
「だけどな葵陽!美郷は上を着ているぞ!」
「み、美郷はいいの!とにかくオレは着ないから!」
たとえユキホちゃんがわざわざ買ってきたものだとしても、オレがそんなの着たら変態だろ!あと、提案したのシェリーちゃんなの!?
「……意地でも着たくないようですね。まぁ、予想はしていました」
「え?ってことはまだ何かあるの?」
「勿論です!この大きなカバンに水着一着だけが入っていると思っていませんか?」
「あとは何が入っているんだ!?」
「うふふふっ……この中に入っているモノで、葵陽さんを女の子に出来るんですよ……」
「っ!?」
オレの間違いでなければ、この後オレは嫌なことをされるかもしれない……!!そう思って逃げようとしたら、大和くんに見つかってそのまま捕まってしまった。
「今のうちだユキホ!葵陽を俺の女にしてくれ!」
「ちょっと待て大和!葵陽くんは大和だけのじゃない、俺達みんなの女の子だぞ!」
「オレは女の子じゃないから!!」
「待っててください葵陽さん……私達と遊べる程度の立派な女の子にしてみせますから!!」
「えっ!?ちょ、う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
***
「まぁ!予想以上に似合ってますねぇ!」
「流石キュアトロ、伊達に男の娘やってないね」
「筋肉が邪魔だけど、それでも細いから女ってことで充分だな!」
今、とてつもなく死にたい気持ちだ。男とはいえ、見た目が女の子のユキホちゃんに水着を剥ぎ取られて、カバンに入っていた海をモチーフにしたような柄の、鮮やかな青いビキニを着せられた。それだけで済めば本当によかったのに。まさかあのカバンの中に髪の長いカツラとか、化粧道具が入っていたなんて……背中まで伸びた髪が擽ったい。
「うぅ……これじゃあオレ、男なのにこんな格好して本当に変態みたいだ……」
「そうですね、自分の魅力を自覚せず裸も同然の姿で歩き回って本当に変態でしたね。でももう安心です!こうして少女に目覚めた葵陽さんには一人だけで探索に行った皆さんを連れ戻しに行ってもらいましょう」
「えっ!?み、みんなは!?」
「大丈夫大丈夫、何かあったらすぐ駆けつけるから」
「サルに襲われそうになったら大声で叫ぶんだぞ!俺達も混ざるからな!」
「いやその時は助けて!?」
***
ユキホちゃん達に半ば強制的に外に追い出されたオレは、言われた通り森の中を一人で歩いていた。ちなみにあの後、背中までの髪を二つに結われた。マイリーとは違って下の方で……お下げ?っていうやつ?あ、そしたらミントもお下げだね、それと一緒。さらにユキホちゃんから、借りた麦わら帽子を被れ、じゃないとエデンに帰ってもまた女装させると脅された。もし、オレが着てなかったら可愛いはずの格好なんだけど……残念ながら着ているのは男のオレだ。
「サルに襲われそうになったらって……そんなのあるはずないだろ!?大体、胸もないんだから間違えられることないし……」
ぶつぶつと愚痴を零していると、水の流れる音が聞こえてくる。川とか近くにあるのかな?音を辿って行くと、開けた場所に出た。予想通り、そこには濁りのない透明な水の流れている川があった。
「こんなところあるんだ……あっ、いけない!みんなを探さないと!」
出来ればもっとこの場にいたいけど我慢。そういえば、この格好で一真くん達に会わないといけないんだよなぁ……嫌だなぁ。そう思っていると、近くから数人の声が聞こえてくる。聞き覚えのある声だ。
「……あっ!一真くんだ!」
食料確保に行っていたギター組が休憩しているみたいだ。……休憩にしては雰囲気が怪しいような気がするけれど。いけないと分かっているけど、隠れて何を話しているのか盗み聞きすることにした。
「……だから、葵陽にはお下げが似合うに決まってんだろ」
「あぁ?アイツなら肩まででも充分可愛いだろうが」
「いやいや、アサっちゃんだったら定番の腰までロングヘアーでもいいと思うぜ!」
「男は何も分かっていないわ、彼は……いいえ、彼女は昔ながらのポニーテールも捨て難いわ」
「くっ……流石キュアトロのギター……葵陽の傍にいた俺よりも葵陽のことをよく分かっている……!!」
いやもう本当何の話してるのこの人達。そして何故か一真くんがオレの今の髪型当ててるのなんか腑に落ちないし、シェリーちゃんは言い換える必要無かったよね。言い合ってる内容もくだらないし。
「はっ!葵陽の気配がここから感じる!おい、ここにいるんだろ葵陽!?」
「ひっ!?」
隠れていたはずの草が掻き分けられて、一真くんに見つかってしまった。何で分かったの、怖いんだけど!!
「え?葵陽、あなたその水着は……」
「ち、違っ!ゆ、ユキホちゃん達に着せられただけで……!!」
「やっぱりあたしの目に狂いはなかった!その水着、今女の子達の間で人気で、買うのに苦労したの」
「言いたくないけど狂ってる!オレ恥ずかしくて外でたくなかったんだけど!?」
「あら、ユキホにメイクまでしてもらったの?そうして見ると女の子にしか見えないね」
「ほら見ろ!葵陽にはお下げが似合うだろ!!」
「チッ……似合いすぎて何も言えねぇ……」
「やっぱり可愛いと何でも似合うんだな!」
「何この人達」
オレのこの姿が可愛いとか本当にどうかしてるんじゃないのかな。一真くん、お願いだから髪を撫でるのはやめてほしい、というか男相手に恍惚そうな顔でよくそんなこと出来るよね。
「ところでそんなイヤラシイ格好で男の群れに来るとか襲われに来たのか?」
「違うから!ユキホちゃんに連れ戻しに行けって言われただけ!!」
「こんなに可愛い水着美少女が来てくれたんだから、帰るしかないわね」
「からかうのやめてってば!!オレは他の人達のところ行ってくるから!」
「おい待て、ここはサルも出る危険な場所だ。だから俺達も行くぞ」
「サルなんてオレ一人でも何とかなるからいい!」
「あ、待てよアサっちゃん!!」
***
何故か勝手に付いて来ているギター組と、他のみんなを探して森の中を歩いていた。とりあえず、ギターの人達はオレから離れてほしい。半径五メートルくらい。
「みんなオレにくっつきすぎ!歩けないだろ!!」
「密着してないとお前を守れないだろ?何言ってるんだ?肉が食えなくてストレス溜まってるのか?」
「ねぇ一真くん、オレ今一真くんのこと殴りたいって思ってるんだ」
「ありがとな」
「なんでお礼言ったの!?あーもう!みんな離れて!!先に帰ってて!!」
「おいおい待てって……BLASTの奴らはサルに水着取られてんだぜ?今のアサっちゃんなら確実に狙われるだろ」
「逆に聞きたいんだけど、どうして葵陽じゃなくてその人達の水着が奪われたの?どうせなら葵陽の奪っておいてほしかった」
「悪かったな俺達で」
「お願いだからやめて!!」
BLASTの四人は、どうやら着ていた水着をサルに奪われたらしく、股間に葉っぱを付けて戻ってきた。しかも、何故かは分からないけど、大和くんがオレにも同じことを要求してきて困っている。
「大和、葵陽くんに俺達のような男臭い格好をさせるのは失礼だろ。ここはもうビキニを着せるべきだ!!」
「な、何言ってるの翼くん!?」
「その手があったか!でもこんな無人島にそんなものあるわけ……」
「ふふっ、お困りのようですね!」
「はっ!そ、その声はユキホ!!」
外にいたはずのユキホちゃんが、いつの間にか部屋にいた。ユキホちゃんは、私物だと思われる大きなカバンを持っていた。
「実は、シェリーさんの提案で葵陽さんにビキニを着せるために買って持ってきたのです!」
「おお!流石シェリーだな!」
「いや着ないよ!?」
「ダメです!そのように上半身を晒して、私達を誘惑するなんて悪い子ですね!」
「だってオレ、男だよ!?上はいらないでしょ!?」
「だけどな葵陽!美郷は上を着ているぞ!」
「み、美郷はいいの!とにかくオレは着ないから!」
たとえユキホちゃんがわざわざ買ってきたものだとしても、オレがそんなの着たら変態だろ!あと、提案したのシェリーちゃんなの!?
「……意地でも着たくないようですね。まぁ、予想はしていました」
「え?ってことはまだ何かあるの?」
「勿論です!この大きなカバンに水着一着だけが入っていると思っていませんか?」
「あとは何が入っているんだ!?」
「うふふふっ……この中に入っているモノで、葵陽さんを女の子に出来るんですよ……」
「っ!?」
オレの間違いでなければ、この後オレは嫌なことをされるかもしれない……!!そう思って逃げようとしたら、大和くんに見つかってそのまま捕まってしまった。
「今のうちだユキホ!葵陽を俺の女にしてくれ!」
「ちょっと待て大和!葵陽くんは大和だけのじゃない、俺達みんなの女の子だぞ!」
「オレは女の子じゃないから!!」
「待っててください葵陽さん……私達と遊べる程度の立派な女の子にしてみせますから!!」
「えっ!?ちょ、う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
***
「まぁ!予想以上に似合ってますねぇ!」
「流石キュアトロ、伊達に男の娘やってないね」
「筋肉が邪魔だけど、それでも細いから女ってことで充分だな!」
今、とてつもなく死にたい気持ちだ。男とはいえ、見た目が女の子のユキホちゃんに水着を剥ぎ取られて、カバンに入っていた海をモチーフにしたような柄の、鮮やかな青いビキニを着せられた。それだけで済めば本当によかったのに。まさかあのカバンの中に髪の長いカツラとか、化粧道具が入っていたなんて……背中まで伸びた髪が擽ったい。
「うぅ……これじゃあオレ、男なのにこんな格好して本当に変態みたいだ……」
「そうですね、自分の魅力を自覚せず裸も同然の姿で歩き回って本当に変態でしたね。でももう安心です!こうして少女に目覚めた葵陽さんには一人だけで探索に行った皆さんを連れ戻しに行ってもらいましょう」
「えっ!?み、みんなは!?」
「大丈夫大丈夫、何かあったらすぐ駆けつけるから」
「サルに襲われそうになったら大声で叫ぶんだぞ!俺達も混ざるからな!」
「いやその時は助けて!?」
***
ユキホちゃん達に半ば強制的に外に追い出されたオレは、言われた通り森の中を一人で歩いていた。ちなみにあの後、背中までの髪を二つに結われた。マイリーとは違って下の方で……お下げ?っていうやつ?あ、そしたらミントもお下げだね、それと一緒。さらにユキホちゃんから、借りた麦わら帽子を被れ、じゃないとエデンに帰ってもまた女装させると脅された。もし、オレが着てなかったら可愛いはずの格好なんだけど……残念ながら着ているのは男のオレだ。
「サルに襲われそうになったらって……そんなのあるはずないだろ!?大体、胸もないんだから間違えられることないし……」
ぶつぶつと愚痴を零していると、水の流れる音が聞こえてくる。川とか近くにあるのかな?音を辿って行くと、開けた場所に出た。予想通り、そこには濁りのない透明な水の流れている川があった。
「こんなところあるんだ……あっ、いけない!みんなを探さないと!」
出来ればもっとこの場にいたいけど我慢。そういえば、この格好で一真くん達に会わないといけないんだよなぁ……嫌だなぁ。そう思っていると、近くから数人の声が聞こえてくる。聞き覚えのある声だ。
「……あっ!一真くんだ!」
食料確保に行っていたギター組が休憩しているみたいだ。……休憩にしては雰囲気が怪しいような気がするけれど。いけないと分かっているけど、隠れて何を話しているのか盗み聞きすることにした。
「……だから、葵陽にはお下げが似合うに決まってんだろ」
「あぁ?アイツなら肩まででも充分可愛いだろうが」
「いやいや、アサっちゃんだったら定番の腰までロングヘアーでもいいと思うぜ!」
「男は何も分かっていないわ、彼は……いいえ、彼女は昔ながらのポニーテールも捨て難いわ」
「くっ……流石キュアトロのギター……葵陽の傍にいた俺よりも葵陽のことをよく分かっている……!!」
いやもう本当何の話してるのこの人達。そして何故か一真くんがオレの今の髪型当ててるのなんか腑に落ちないし、シェリーちゃんは言い換える必要無かったよね。言い合ってる内容もくだらないし。
「はっ!葵陽の気配がここから感じる!おい、ここにいるんだろ葵陽!?」
「ひっ!?」
隠れていたはずの草が掻き分けられて、一真くんに見つかってしまった。何で分かったの、怖いんだけど!!
「え?葵陽、あなたその水着は……」
「ち、違っ!ゆ、ユキホちゃん達に着せられただけで……!!」
「やっぱりあたしの目に狂いはなかった!その水着、今女の子達の間で人気で、買うのに苦労したの」
「言いたくないけど狂ってる!オレ恥ずかしくて外でたくなかったんだけど!?」
「あら、ユキホにメイクまでしてもらったの?そうして見ると女の子にしか見えないね」
「ほら見ろ!葵陽にはお下げが似合うだろ!!」
「チッ……似合いすぎて何も言えねぇ……」
「やっぱり可愛いと何でも似合うんだな!」
「何この人達」
オレのこの姿が可愛いとか本当にどうかしてるんじゃないのかな。一真くん、お願いだから髪を撫でるのはやめてほしい、というか男相手に恍惚そうな顔でよくそんなこと出来るよね。
「ところでそんなイヤラシイ格好で男の群れに来るとか襲われに来たのか?」
「違うから!ユキホちゃんに連れ戻しに行けって言われただけ!!」
「こんなに可愛い水着美少女が来てくれたんだから、帰るしかないわね」
「からかうのやめてってば!!オレは他の人達のところ行ってくるから!」
「おい待て、ここはサルも出る危険な場所だ。だから俺達も行くぞ」
「サルなんてオレ一人でも何とかなるからいい!」
「あ、待てよアサっちゃん!!」
***
何故か勝手に付いて来ているギター組と、他のみんなを探して森の中を歩いていた。とりあえず、ギターの人達はオレから離れてほしい。半径五メートルくらい。
「みんなオレにくっつきすぎ!歩けないだろ!!」
「密着してないとお前を守れないだろ?何言ってるんだ?肉が食えなくてストレス溜まってるのか?」
「ねぇ一真くん、オレ今一真くんのこと殴りたいって思ってるんだ」
「ありがとな」
「なんでお礼言ったの!?あーもう!みんな離れて!!先に帰ってて!!」
「おいおい待てって……BLASTの奴らはサルに水着取られてんだぜ?今のアサっちゃんなら確実に狙われるだろ」
「逆に聞きたいんだけど、どうして葵陽じゃなくてその人達の水着が奪われたの?どうせなら葵陽の奪っておいてほしかった」
「悪かったな俺達で」