月歌。
「恋、最近痩せた?」
「え?」
相方である駆と楽屋が一緒になった日のこと。着替えるためにシャツを脱いだところを見た駆が俺にそう問いかけてきた。
「なんかこの辺りすっきりしたなーって思ってさ」
「!」
言いながら、駆は俺の腰周りを遠慮なく触る。ふと、この一ヶ月の出来事を思い出してしまう。
一ヶ月前、俺はライバルユニットである郁と……
「とっ、特に何もしてないデスヨ?」
「なんで片言になるの?」
「い、いやー別に……」
言えない。言えるわけがない。一ヶ月で痩せた理由なんて、ましてや友人でもある駆に言うことなんて出来ない。
その日は何とか考えついた嘘を並べたけれど、きっとその内容も苦しいものだったと思う。駆は納得していない顔だったけれど、その返事は「わかった」と言っただけだった。
***
……郁にその話をし終えた時、一瞬だけぽかんとした表情を見せた後、面白そうに笑いだした。
「笑うなよー!お前が悪いのにー!」
「あはははっ、ごめんね?」
謝罪しつつも笑うことを止めない郁。果たして、本当に悪いと思っているのだろうか。普段の郁なら悪いと思うかもしれない。
「でも、恋が気持ち良さそうにしてるからさ。俺がそんなに優しくないの、恋も知ってるだろ?」
「うっ……」
一ヶ月前。その日は駆と涙による恒例のお肉チェックが行われ、俺は納得のいかない結果をもらってしまった。そこで、同じ歳で俺とは真逆の結果だった郁に、トレーニングを手伝ってもらうことにした。その時、腹筋中に郁に押し倒された。かと思えば、好きだと告白されたり身体を触られたり……キス、されたりした。
郁が俺に感じている「好き」というのは、恋愛の意味らしい。友情の意味かと質問したら、「そんなことない」と真面目な顔で即答された。
それからは、郁に「筋肉つけたいんだろ?俺が見てあげる」と呼び出されては郁の部屋の玄関前でドアの前に押さえ付けられてキスされる。そのまま郁のベッドに連れて行かれて……あとは察してください。
そして問題が一つ。郁は、夜は全く優しくない。いや、気遣いは割としてくれるけれど、最中は基本抵抗してもそれを聞いてくれることはない。誰かが郁はテディベアみたいだとか言っていたけど、こいつはテディベアというより野生のクマじゃないか。
「俺のこと好きならもう少し優しく出来ませんかね!?」
「それは無理かな。恋が可愛いから我慢できなくなるわけだし」
「……可愛いって言うのやめろ!」
それでも、「やめてほしい」と言わないのは、俺も郁が好きだから。もちろん、郁と同じ意味。じゃないと、郁からの誘いなんて絶対乗らない。
「え?」
相方である駆と楽屋が一緒になった日のこと。着替えるためにシャツを脱いだところを見た駆が俺にそう問いかけてきた。
「なんかこの辺りすっきりしたなーって思ってさ」
「!」
言いながら、駆は俺の腰周りを遠慮なく触る。ふと、この一ヶ月の出来事を思い出してしまう。
一ヶ月前、俺はライバルユニットである郁と……
「とっ、特に何もしてないデスヨ?」
「なんで片言になるの?」
「い、いやー別に……」
言えない。言えるわけがない。一ヶ月で痩せた理由なんて、ましてや友人でもある駆に言うことなんて出来ない。
その日は何とか考えついた嘘を並べたけれど、きっとその内容も苦しいものだったと思う。駆は納得していない顔だったけれど、その返事は「わかった」と言っただけだった。
***
……郁にその話をし終えた時、一瞬だけぽかんとした表情を見せた後、面白そうに笑いだした。
「笑うなよー!お前が悪いのにー!」
「あはははっ、ごめんね?」
謝罪しつつも笑うことを止めない郁。果たして、本当に悪いと思っているのだろうか。普段の郁なら悪いと思うかもしれない。
「でも、恋が気持ち良さそうにしてるからさ。俺がそんなに優しくないの、恋も知ってるだろ?」
「うっ……」
一ヶ月前。その日は駆と涙による恒例のお肉チェックが行われ、俺は納得のいかない結果をもらってしまった。そこで、同じ歳で俺とは真逆の結果だった郁に、トレーニングを手伝ってもらうことにした。その時、腹筋中に郁に押し倒された。かと思えば、好きだと告白されたり身体を触られたり……キス、されたりした。
郁が俺に感じている「好き」というのは、恋愛の意味らしい。友情の意味かと質問したら、「そんなことない」と真面目な顔で即答された。
それからは、郁に「筋肉つけたいんだろ?俺が見てあげる」と呼び出されては郁の部屋の玄関前でドアの前に押さえ付けられてキスされる。そのまま郁のベッドに連れて行かれて……あとは察してください。
そして問題が一つ。郁は、夜は全く優しくない。いや、気遣いは割としてくれるけれど、最中は基本抵抗してもそれを聞いてくれることはない。誰かが郁はテディベアみたいだとか言っていたけど、こいつはテディベアというより野生のクマじゃないか。
「俺のこと好きならもう少し優しく出来ませんかね!?」
「それは無理かな。恋が可愛いから我慢できなくなるわけだし」
「……可愛いって言うのやめろ!」
それでも、「やめてほしい」と言わないのは、俺も郁が好きだから。もちろん、郁と同じ意味。じゃないと、郁からの誘いなんて絶対乗らない。