月歌。
「ただいまー……あれ?恋いないのかな」
眠っている恋がいる共有ルームに入って来た人物は、神無月郁だった。
「……なんだ、いるじゃん」
ソファーに近付くと、見慣れた桃色が眠っているのを見つけた。確か朝は早く出ていたなと思い出す。
(こうして見ると……本当に綺麗な顔してるよな、恋)
ほぼ毎日飽きることなく同じユニットのメンバーから、残念だと言われ続けている所為なのか。外見に関して言われることが少ないが、郁から見る恋は良く整った顔立ちだと思う。恋に至っては珍しく、規則正しい息を立てている寝顔を見つめる。
「…ねぇ、恋」
何を思い立ったのか、眠っているはずの恋の名を口に出す。ソファーの横に座り込み、恋の耳元で囁く。
「お前は俺のことどう思ってる?」
郁の質問に対する恋からの返答はもちろんない。
「……まぁ、恋がどう思っていようが関係ないけど」
吐き出すように乾いた笑いを零す郁。そんなことを知らない恋は、未だ眠り続けている。
「……ん」
起きたか、と少し焦ったが寝返りを打っただけらしく安堵する。恋が郁とは反対の方へ向いてしまい、顔が見えなくなってしまった。
「あはは……ソファーで寝てると怒られちゃうよ恋?」
今起きたらどんな反応をするのだろう、それとも何とも思わないのか。ここで寝かせておいてもいいかもしれないが、おそらく帰ってくるだろう始さんあたりに怒られてしまいそうだ。そう考えながら、郁は立ち上がり恋の背中と膝裏を手で支え持ち上げる。所謂、お姫様抱っこという奴だ。
「折角だから、俺が運んであげるね」
夢の世界に意識を飛ばしている恋に、郁は呟くように言った。
眠っている恋がいる共有ルームに入って来た人物は、神無月郁だった。
「……なんだ、いるじゃん」
ソファーに近付くと、見慣れた桃色が眠っているのを見つけた。確か朝は早く出ていたなと思い出す。
(こうして見ると……本当に綺麗な顔してるよな、恋)
ほぼ毎日飽きることなく同じユニットのメンバーから、残念だと言われ続けている所為なのか。外見に関して言われることが少ないが、郁から見る恋は良く整った顔立ちだと思う。恋に至っては珍しく、規則正しい息を立てている寝顔を見つめる。
「…ねぇ、恋」
何を思い立ったのか、眠っているはずの恋の名を口に出す。ソファーの横に座り込み、恋の耳元で囁く。
「お前は俺のことどう思ってる?」
郁の質問に対する恋からの返答はもちろんない。
「……まぁ、恋がどう思っていようが関係ないけど」
吐き出すように乾いた笑いを零す郁。そんなことを知らない恋は、未だ眠り続けている。
「……ん」
起きたか、と少し焦ったが寝返りを打っただけらしく安堵する。恋が郁とは反対の方へ向いてしまい、顔が見えなくなってしまった。
「あはは……ソファーで寝てると怒られちゃうよ恋?」
今起きたらどんな反応をするのだろう、それとも何とも思わないのか。ここで寝かせておいてもいいかもしれないが、おそらく帰ってくるだろう始さんあたりに怒られてしまいそうだ。そう考えながら、郁は立ち上がり恋の背中と膝裏を手で支え持ち上げる。所謂、お姫様抱っこという奴だ。
「折角だから、俺が運んであげるね」
夢の世界に意識を飛ばしている恋に、郁は呟くように言った。