のんびり
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たまには
のんびりまったりも
いいじゃない!
「……フゥ」
お茶を一口飲み、伊紗は軽く息をついた。
浴衣を着込み、下駄を履いた足をパタパタと動かしながら、夕暮れの橙色に染まりゆく空を見上げる。
「風情がありますねぇ」
「浴衣だから、なおさらですねぇ」
同じく浴衣姿のメフィストが隣に座る。
ここはメフィスト行きつけのもんじゃ屋、ぽんちゃん。
注文が終わり、準備が整うまでの間は外の椅子で過ごすつもりのようだ。
「もうすぐ秋ですね」
「新しい景色に出会える季節ですね。日本の景色は情緒があって美しい。とても楽しみです」
頭を撫でられ、伊紗は目を細めて恥ずかしそうに微笑んだ。
とても幸せを感じるひと時……。
「メフィストさん」
「何ですか?」
「……何でもないです!」
「気になるじゃないですか」
問い詰めてやろうとメフィストが口を開いた時、店の奥から店員の声がした。
もんじゃを焼く準備が整ったらしい。
「仕方ないですね。続きは、もんじゃの後にしましょう」
「メフィストさん」
「今度は何ですか?」
半ば呆れたように、立ち上がったばかりのメフィストは伊紗を見下ろす。
伊紗は空を見上げたまま、口元に笑みを浮かべた。
「来年も、再来年も、私と一緒に空を見てくれますか?」
「……何を言うのかと思えば……そんなことですか」
「そっ、そんなことって言わないでください! 恥ずかしいけど……勇気出して言ってみたのに、言い損です!」
「まったく、伊紗さんには敵わない。たまにかわいらしいことを言うんですから」
ポンポンと頭を撫でると、伊紗の顔は林檎のように赤くなった。
その真っ赤に熟れた頬にキスを落とし、メフィストは微笑む。
「答えはもちろんYESですよ☆ 来年、再来年と言わず、10年20年、100年先だって一緒に見ましょう!」
「100年後まで生きれるか分かりませんけど……望むところです! 私、メフィストさんのこと大好きですから、何年先でも生きちゃいます!」
「大好き? ……私とは違うようですねぇ」
「え……?」
公の場であるにも関わらず、メフィストは伊紗を優しく抱きしめる。
伊紗の耳元に口を寄せ、囁いた。
「愛しています」
私はのんびりさせてあげませんよ
貴女の心が
私を見るたびに高鳴るよう
いつまでもこの言葉を囁いてあげましょう