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「詩織、お願いがあるんだ」
「なぁに治くん?」
本日の業務が終わり、真っ先に私の元へとやって来た治くんが何とも愛らしくて、気分が上がってしまう。ああ、胸がキュンとする。
然し、そんな私の気持ちとは裏腹に何やら治くんは真剣な眼差しだ。一体如何したと云うのだろう。
「あのね、詩織」
「うん」
「中也と話をするの、止めて欲しいんだ」
「へ・・・?」
思ってもいなかった答えに思わず変な声が出てしまった。理由を聞いても黙りこくって教えてくれなかった。
「治くん、それは出来ないよ」
「なんで?」
「中也くんは大切な友達だし、無視なんてしたくない。治くんだって、大事な人にそういう事されるのは嫌でしょ?」
「僕にとっての特別は詩織だけだよ」
「ん〜!其れは凄く嬉しい言葉だけど私だけじゃなく、もっと視野を広げて欲しいなぁと」
「広げる必要なんて無い。詩織がいなくなった世界に生きる価値なんてないから」
「決め付けちゃ駄目なの!
あのね、治くんが思ってる以上に世間は楽しい事ばかりなんだよ。そりゃ辛い事も沢山あるかもしれないけど、治くんが温かいと感じる場所だっていつか必ずあるから、だから、そう簡単にそんな事言わないで。
・・・話が逸れちゃったけど、兎に角、中也くんは私にとっても大事な友達なので、治くんの云う通りには出来ません!」
だからごめんね、と謝りを入れたが治くんは俯いて返答がない。
・・・怒らせてしまっただろうか。でも、これで嫌われてしまっても後悔はしない。私がそう選択したのだし。
少しの間沈黙が続く。治くんの名前を呼び掛けても俯いたままそっぽを向いてしまう。逸らす際に頬が膨れている様に見えたので、怒っているのかもしれない。
少し、色々と言い過ぎてしまったようだ。
そんなご機嫌斜めな治くんに負けじと再び声を掛けようと試みると、不意に私を呼ぶ声が聞こえた気がした。
どうやら声的に私を呼んでいるのは中也くんの様だ。
「中也くん?」
私がポツリとそう呟くと治くんの躰がピクリと動いた気がして振り向くけど俯いており何も変化はなかった。
今も中也くんは私を探しているのか呼び声が止むことはない。流石に申し訳ないので、治くんとの話が着くまで少し待ってもらおうか。
「治くん、中也くんに待ってて貰うように声掛けてくるから少しだけ待っててね」
そう伝えて扉の方へ歩き出す。ドアノブに手を添えようとした途端、物凄い力で後方へと引き寄せられて突然黒い服を纏った腕が私の首元辺りを交差する。
私は一瞬のうちに治くんに後ろから抱き寄せられていた。
「駄目だよ」
交差された腕の力が、強くなる。
「中也の処になんか行かないで・・・。詩織は、僕と一緒にいる約束でしょ?」
治くんが私の肩に頭をグリグリと押し付けていて一寸だけ痛い。と云うか何ですかその行動。可愛すぎません?
何とか色々と脳内に巻き起こった興奮を抑えて治くんと正面で向き合って、其の儘そっと抱き寄せる。
まだ成長期に入っていないのか、腕の中に収まる治くんはこじんまりとしていて凄く可愛いので、自然と自分の手で治くんの頭を撫でていた。
「よしよし」
「・・・僕の事子供扱いしてるでしょ」
「ふふふ。機嫌直った?」
「・・・もっと撫でてくれたらね」
早く撫でてくれと云わんばかりに抱擁が強くなる。其れに答えて優しく撫でれば、治くんは気持ち良さそうに目を細めた。
今回は機嫌も治ったし、許してくれたみたいだ。
可愛らしい幼馴染を何時までも愛でていられたらいいのに、なんてそんな柄にもないことを思ってしまった。
「なぁに治くん?」
本日の業務が終わり、真っ先に私の元へとやって来た治くんが何とも愛らしくて、気分が上がってしまう。ああ、胸がキュンとする。
然し、そんな私の気持ちとは裏腹に何やら治くんは真剣な眼差しだ。一体如何したと云うのだろう。
「あのね、詩織」
「うん」
「中也と話をするの、止めて欲しいんだ」
「へ・・・?」
思ってもいなかった答えに思わず変な声が出てしまった。理由を聞いても黙りこくって教えてくれなかった。
「治くん、それは出来ないよ」
「なんで?」
「中也くんは大切な友達だし、無視なんてしたくない。治くんだって、大事な人にそういう事されるのは嫌でしょ?」
「僕にとっての特別は詩織だけだよ」
「ん〜!其れは凄く嬉しい言葉だけど私だけじゃなく、もっと視野を広げて欲しいなぁと」
「広げる必要なんて無い。詩織がいなくなった世界に生きる価値なんてないから」
「決め付けちゃ駄目なの!
あのね、治くんが思ってる以上に世間は楽しい事ばかりなんだよ。そりゃ辛い事も沢山あるかもしれないけど、治くんが温かいと感じる場所だっていつか必ずあるから、だから、そう簡単にそんな事言わないで。
・・・話が逸れちゃったけど、兎に角、中也くんは私にとっても大事な友達なので、治くんの云う通りには出来ません!」
だからごめんね、と謝りを入れたが治くんは俯いて返答がない。
・・・怒らせてしまっただろうか。でも、これで嫌われてしまっても後悔はしない。私がそう選択したのだし。
少しの間沈黙が続く。治くんの名前を呼び掛けても俯いたままそっぽを向いてしまう。逸らす際に頬が膨れている様に見えたので、怒っているのかもしれない。
少し、色々と言い過ぎてしまったようだ。
そんなご機嫌斜めな治くんに負けじと再び声を掛けようと試みると、不意に私を呼ぶ声が聞こえた気がした。
どうやら声的に私を呼んでいるのは中也くんの様だ。
「中也くん?」
私がポツリとそう呟くと治くんの躰がピクリと動いた気がして振り向くけど俯いており何も変化はなかった。
今も中也くんは私を探しているのか呼び声が止むことはない。流石に申し訳ないので、治くんとの話が着くまで少し待ってもらおうか。
「治くん、中也くんに待ってて貰うように声掛けてくるから少しだけ待っててね」
そう伝えて扉の方へ歩き出す。ドアノブに手を添えようとした途端、物凄い力で後方へと引き寄せられて突然黒い服を纏った腕が私の首元辺りを交差する。
私は一瞬のうちに治くんに後ろから抱き寄せられていた。
「駄目だよ」
交差された腕の力が、強くなる。
「中也の処になんか行かないで・・・。詩織は、僕と一緒にいる約束でしょ?」
治くんが私の肩に頭をグリグリと押し付けていて一寸だけ痛い。と云うか何ですかその行動。可愛すぎません?
何とか色々と脳内に巻き起こった興奮を抑えて治くんと正面で向き合って、其の儘そっと抱き寄せる。
まだ成長期に入っていないのか、腕の中に収まる治くんはこじんまりとしていて凄く可愛いので、自然と自分の手で治くんの頭を撫でていた。
「よしよし」
「・・・僕の事子供扱いしてるでしょ」
「ふふふ。機嫌直った?」
「・・・もっと撫でてくれたらね」
早く撫でてくれと云わんばかりに抱擁が強くなる。其れに答えて優しく撫でれば、治くんは気持ち良さそうに目を細めた。
今回は機嫌も治ったし、許してくれたみたいだ。
可愛らしい幼馴染を何時までも愛でていられたらいいのに、なんてそんな柄にもないことを思ってしまった。