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日差しが強く輝き始めた初夏の頃。
辺りの気温が上昇し、部屋によくあるあの家庭用電気を入れて部屋を涼しくしたくなる頃合いになり始めたであろう季節ーーーなのだが。
私の背中は暑い。何故かと云うと、体の後ろに巻き付いている或る人物の所為である。
「詩織ー」
「何、治くん」
「私に構って」
「仕事が終わったらね」
「今がいいのだけれど」
「今は仕事中だから駄目。それより少し暑いから一旦離れて欲しいな」
「じゃあ詩織が私に構ってくれたら離れるよ」
「・・・もう、しょうが無いなぁ」
腰に巻き付いている治くんの腕に手を添えて
躯を後ろへ向けようとした時だった。
「おい糞鯖野郎!さっさっと姿を現しやがれ!此処にいんのは判ってんだ」
聞き慣れた怒号が飛び交う。叫んでいるのは中也くんだ。糞鯖って事は中也くんが探しているのは治くんの事で。
「・・・治くん。仕事は如何したの?」
「んー、そりゃあ勿論ぜーんぶ中也と部下に任せてきたけど」
・・・やっぱりそうか。仕事熱心で治くんと仲が悪い中也くんが怒る訳だ。まぁ、何時もの事だから仕方が無いけど。
そんな治くんに負けずに頑張る中也くんに今私がしてあげられる事としたら一つだけだ。
「治くん、仕事しようか」
「えー、じゃあ詩織も一緒じゃないと私は嫌だなぁ」
「私も出来る処は手伝うから、ね」
そう云うと、治くんは嬉しげに顔を緩ませて私の手を取り歩き出すーーーってちょっと待って!
「待って治くん!中也くんにも声掛けなきゃ・・・」
「そんな事しなくても中也なら気付くよ。だから大丈夫」
「全然大丈夫じゃないよ!中也くんに声掛けてくるからちょっと待ってて」
嫌々と駄々を捏ねる治くんを宥めて中也くんの元へ向かうと、眉を歪めてムスッとした表情の中也くんと目があった。
「詩織」
「はい」
「太宰は何処だ」
「私の処にいたの。私が中也くんに声を掛けたくて待っててもらってるんだ」
「ーーっ。そうか。・・・詩織、お前に折り入って頼みがある」
「なぁに中也くん」
「その、太宰に仕事をさせてェんだ。だから
よ・・・・」
「うん。私もその積もりだったの。中也くんも色々忙しいから大変だと思うし、だから私にもお手伝いさせて?」
「すまねぇ。お前も自分のがあるのによ、」
「私は大丈夫だよ。仕事もそんなに急ぎのやつじゃないし、気にしないで」
よしよしと帽子越しに頭を撫でると、顔を真っ赤にした中也くんに撫でるなと怒られた。まぁ、中也くんも18歳だし彼の性格上撫でられるのは恥ずかしいのだろう。
然し、精神年齢が皆より高い私であるからなのか、如何しても母性本能が出てきてしまうのだ。どうか許して欲しい中也くん。
未だに顔を赤らめている中也くんに私も自然と口角が上がりながら中也くんを見つめていると、手を軽くクイッと引っ張られた。私に触れるとしたらこの場では後一人しかいない。
「治くん?」
「遅いよ詩織。流石の私も待ちくたびれたのだけども」
「太宰手前っ!散々人に仕事押し付けて姿を眩ませてた癖に今頃出てきやがって!」
「おや、何処の誰かと思えば小さい弱虫蛞蝓の中也くんじゃあないか。此処で何してるのかな?」
「あァ''!? 手前、あんま巫山戯てっと本当にぶっ殺すぞ」
「へぇ。君に出来るのかい?是非実践してくれ給えよ」
「やってやろうじゃねぇか!表にでやがれ!」
ああ、また始まってしまった。転生する前は二人の絡みは凄く面白い、などと客観的にそのやり取りを見ていた私を殴りたくなるくらいだ。兎にも角にも早く二人を止めなければ。
「二人とも、落ち着いて。早くしないと仕事が終わらなくなっちゃうよ!」
「! そうだな、悪ィ。」
「ううん、大丈夫だよ。」
「詩織ー。早く行くよ」
「あ!待って治くん」
先を歩きながらも振り向いて私に細長い綺麗な手を此方へ向けてくれる。その手を迷いなく取って今度こそ歩き出した。
勿論、中也くんに声を掛けることは忘れない。
「中也くんも一緒に行こう!」
「・・・おう」
俯きながら何故かまたもや頬を赤らめる中也くんを治くんがからかって喧嘩が再開された。流石にその展開に頭を抱えたのは云うまでもない。
辺りの気温が上昇し、部屋によくあるあの家庭用電気を入れて部屋を涼しくしたくなる頃合いになり始めたであろう季節ーーーなのだが。
私の背中は暑い。何故かと云うと、体の後ろに巻き付いている或る人物の所為である。
「詩織ー」
「何、治くん」
「私に構って」
「仕事が終わったらね」
「今がいいのだけれど」
「今は仕事中だから駄目。それより少し暑いから一旦離れて欲しいな」
「じゃあ詩織が私に構ってくれたら離れるよ」
「・・・もう、しょうが無いなぁ」
腰に巻き付いている治くんの腕に手を添えて
躯を後ろへ向けようとした時だった。
「おい糞鯖野郎!さっさっと姿を現しやがれ!此処にいんのは判ってんだ」
聞き慣れた怒号が飛び交う。叫んでいるのは中也くんだ。糞鯖って事は中也くんが探しているのは治くんの事で。
「・・・治くん。仕事は如何したの?」
「んー、そりゃあ勿論ぜーんぶ中也と部下に任せてきたけど」
・・・やっぱりそうか。仕事熱心で治くんと仲が悪い中也くんが怒る訳だ。まぁ、何時もの事だから仕方が無いけど。
そんな治くんに負けずに頑張る中也くんに今私がしてあげられる事としたら一つだけだ。
「治くん、仕事しようか」
「えー、じゃあ詩織も一緒じゃないと私は嫌だなぁ」
「私も出来る処は手伝うから、ね」
そう云うと、治くんは嬉しげに顔を緩ませて私の手を取り歩き出すーーーってちょっと待って!
「待って治くん!中也くんにも声掛けなきゃ・・・」
「そんな事しなくても中也なら気付くよ。だから大丈夫」
「全然大丈夫じゃないよ!中也くんに声掛けてくるからちょっと待ってて」
嫌々と駄々を捏ねる治くんを宥めて中也くんの元へ向かうと、眉を歪めてムスッとした表情の中也くんと目があった。
「詩織」
「はい」
「太宰は何処だ」
「私の処にいたの。私が中也くんに声を掛けたくて待っててもらってるんだ」
「ーーっ。そうか。・・・詩織、お前に折り入って頼みがある」
「なぁに中也くん」
「その、太宰に仕事をさせてェんだ。だから
よ・・・・」
「うん。私もその積もりだったの。中也くんも色々忙しいから大変だと思うし、だから私にもお手伝いさせて?」
「すまねぇ。お前も自分のがあるのによ、」
「私は大丈夫だよ。仕事もそんなに急ぎのやつじゃないし、気にしないで」
よしよしと帽子越しに頭を撫でると、顔を真っ赤にした中也くんに撫でるなと怒られた。まぁ、中也くんも18歳だし彼の性格上撫でられるのは恥ずかしいのだろう。
然し、精神年齢が皆より高い私であるからなのか、如何しても母性本能が出てきてしまうのだ。どうか許して欲しい中也くん。
未だに顔を赤らめている中也くんに私も自然と口角が上がりながら中也くんを見つめていると、手を軽くクイッと引っ張られた。私に触れるとしたらこの場では後一人しかいない。
「治くん?」
「遅いよ詩織。流石の私も待ちくたびれたのだけども」
「太宰手前っ!散々人に仕事押し付けて姿を眩ませてた癖に今頃出てきやがって!」
「おや、何処の誰かと思えば小さい弱虫蛞蝓の中也くんじゃあないか。此処で何してるのかな?」
「あァ''!? 手前、あんま巫山戯てっと本当にぶっ殺すぞ」
「へぇ。君に出来るのかい?是非実践してくれ給えよ」
「やってやろうじゃねぇか!表にでやがれ!」
ああ、また始まってしまった。転生する前は二人の絡みは凄く面白い、などと客観的にそのやり取りを見ていた私を殴りたくなるくらいだ。兎にも角にも早く二人を止めなければ。
「二人とも、落ち着いて。早くしないと仕事が終わらなくなっちゃうよ!」
「! そうだな、悪ィ。」
「ううん、大丈夫だよ。」
「詩織ー。早く行くよ」
「あ!待って治くん」
先を歩きながらも振り向いて私に細長い綺麗な手を此方へ向けてくれる。その手を迷いなく取って今度こそ歩き出した。
勿論、中也くんに声を掛けることは忘れない。
「中也くんも一緒に行こう!」
「・・・おう」
俯きながら何故かまたもや頬を赤らめる中也くんを治くんがからかって喧嘩が再開された。流石にその展開に頭を抱えたのは云うまでもない。
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