ごちゃまぜ短編
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家族を殺されて山を飛び出したあの日から、もう会うことなどないと思っていたのに。
「詩織・・・?」
「炭治郎・・・?」
どうして、君がここにいるんだ。
ーー「たぁああんじろぉおお!お前こんな可愛い知り合いの女の子がいたのか!!またそうやってお前一人だけーーー!!」
丁度隣にいた善逸が何か叫んでいるが今の俺の耳に入ってくることはなかった。
どうして彼女がここにいるのかという疑問と
再び逢えた事による歓喜が心に溢れたからだ。
「詩織、どうしてここに?」
「えっとね、野菜の売り出しに出てたんだけど途中で道に迷っちゃって・・・。
そこを偶然通りかかった鬼狩り様に助けて貰ったんだけど、怪我もしてるってことでここに連れて来て貰ったんだ」
そうか怪我したのか。怪我、けが、ケガ!?
「怪我って!歩いて大丈夫なのか!一体何処を怪我したんだ!?」
「た、炭治郎、落ち着いて・・・」
「落ち着いていられるわけないだろう!」
「私は大丈夫だから、ね」
嘘だ。そう言って笑っている詩織からは何処か不安を感じている匂いがする。
鬼殺隊の誰かに助けて貰ったという事は即ち、鬼に遭って殺されかけたという事だ。むしろ不安に思わない訳が無い。
「ごめん、俺が助けてあげられなくて。怖かったよな」
俺はかすかに震える彼女の手を引いて抱き締めた。いきなりの事に詩織は体を揺らして驚いていたけど、すぐに受け入れてくれた。
詩織の体の震えが止まるように背中を撫でながら、大丈夫だと何度も呟いた。
これで彼女の不安を拭えるなんて思ってはいない。けど、少しでも不安を無くしてあげる事が出来るならーーーと。
自分が助けられなかった悔しさと歯痒さを必死に心の隅に押しやって。
「有難う炭治郎。少しだけ、気持ちが楽になった。でももう行かないと」
傷を見せる問診の時間になっちゃう、と焦る詩織に俺も行くと伝えようとした途端、何か咎めるような大きな声が俺達の耳に鳴り響いた。
「あの!俺置いてけぼりなんですけど!炭治郎さんそろそろ説明して貰っていいですかね!」
「ああ!すまない善逸。この子はーー」
「如月詩織と申します。炭治郎の友人です。名前も告げず申し訳ございませんでした。どうか御無礼をお許し下さい」
背筋を伸ばし頭を下げる詩織に善逸は頭を上げさせ、いつものあの言葉を口にした。
「俺は我妻善逸です!あの俺と結婚してくれませんか!」
「・・・へ?」
その言葉に胸が痛く、黒く染まる。理由は分からないけど、何だか凄く嫌だ。
「お願いしますぅうう!俺の子供を産んでくれぇええ!」
「え?えぇ!? あの、私・・・」
「駄目だ!」
そう思った瞬間、口から零れるように出た言葉に自分でも驚いた。
俺の言葉に善逸は物凄い形相をしたけど、
それは一瞬だけで、直ぐに何かを悟ったような顔に変わった。
一方、詩織は眉を下げて俺の名前を呼ぶ。
とても心配してくれている匂いがした。
「ごめん。分からないけど、俺・・・」
「大丈夫だよ炭治郎。私、我妻さんとは結婚なんてしないから」
「ほ、本当に?」
「本当だよ」
嘘ついてどうするの?と笑う彼女に胸の中の黒い物が溶けてゆくと同時に昔、詩織とよく話していた時に感じていた胸の高鳴りが蘇る。
「という事で、我妻さん。求婚は拒否させて頂きますね」
「ですよね 分かってましたよ!」
「ご期待に添えられずすみません。あ、ごめんなさい。私もう本当に行かないと・・・」
「あ、詩織!この土地は不慣れだろうから俺が案内するよ」
「わぁ!凄く助かる。有難う!」
彼女の笑顔にまた胸が一つ高鳴った。何だろうこれは。
彼女を蝶屋敷へと案内する為に手を取って歩き出す。小さい頃からの癖で握った詩織は少し恥ずかしがっていたけど、またそんな所も可愛らしく愛らしいと思う。
そんな俺を見て''炭治郎に春がきた・・・''なんて善逸が呟いていたのを俺は知る由もない。
「詩織・・・?」
「炭治郎・・・?」
どうして、君がここにいるんだ。
ーー「たぁああんじろぉおお!お前こんな可愛い知り合いの女の子がいたのか!!またそうやってお前一人だけーーー!!」
丁度隣にいた善逸が何か叫んでいるが今の俺の耳に入ってくることはなかった。
どうして彼女がここにいるのかという疑問と
再び逢えた事による歓喜が心に溢れたからだ。
「詩織、どうしてここに?」
「えっとね、野菜の売り出しに出てたんだけど途中で道に迷っちゃって・・・。
そこを偶然通りかかった鬼狩り様に助けて貰ったんだけど、怪我もしてるってことでここに連れて来て貰ったんだ」
そうか怪我したのか。怪我、けが、ケガ!?
「怪我って!歩いて大丈夫なのか!一体何処を怪我したんだ!?」
「た、炭治郎、落ち着いて・・・」
「落ち着いていられるわけないだろう!」
「私は大丈夫だから、ね」
嘘だ。そう言って笑っている詩織からは何処か不安を感じている匂いがする。
鬼殺隊の誰かに助けて貰ったという事は即ち、鬼に遭って殺されかけたという事だ。むしろ不安に思わない訳が無い。
「ごめん、俺が助けてあげられなくて。怖かったよな」
俺はかすかに震える彼女の手を引いて抱き締めた。いきなりの事に詩織は体を揺らして驚いていたけど、すぐに受け入れてくれた。
詩織の体の震えが止まるように背中を撫でながら、大丈夫だと何度も呟いた。
これで彼女の不安を拭えるなんて思ってはいない。けど、少しでも不安を無くしてあげる事が出来るならーーーと。
自分が助けられなかった悔しさと歯痒さを必死に心の隅に押しやって。
「有難う炭治郎。少しだけ、気持ちが楽になった。でももう行かないと」
傷を見せる問診の時間になっちゃう、と焦る詩織に俺も行くと伝えようとした途端、何か咎めるような大きな声が俺達の耳に鳴り響いた。
「あの!俺置いてけぼりなんですけど!炭治郎さんそろそろ説明して貰っていいですかね!」
「ああ!すまない善逸。この子はーー」
「如月詩織と申します。炭治郎の友人です。名前も告げず申し訳ございませんでした。どうか御無礼をお許し下さい」
背筋を伸ばし頭を下げる詩織に善逸は頭を上げさせ、いつものあの言葉を口にした。
「俺は我妻善逸です!あの俺と結婚してくれませんか!」
「・・・へ?」
その言葉に胸が痛く、黒く染まる。理由は分からないけど、何だか凄く嫌だ。
「お願いしますぅうう!俺の子供を産んでくれぇええ!」
「え?えぇ!? あの、私・・・」
「駄目だ!」
そう思った瞬間、口から零れるように出た言葉に自分でも驚いた。
俺の言葉に善逸は物凄い形相をしたけど、
それは一瞬だけで、直ぐに何かを悟ったような顔に変わった。
一方、詩織は眉を下げて俺の名前を呼ぶ。
とても心配してくれている匂いがした。
「ごめん。分からないけど、俺・・・」
「大丈夫だよ炭治郎。私、我妻さんとは結婚なんてしないから」
「ほ、本当に?」
「本当だよ」
嘘ついてどうするの?と笑う彼女に胸の中の黒い物が溶けてゆくと同時に昔、詩織とよく話していた時に感じていた胸の高鳴りが蘇る。
「という事で、我妻さん。求婚は拒否させて頂きますね」
「ですよね 分かってましたよ!」
「ご期待に添えられずすみません。あ、ごめんなさい。私もう本当に行かないと・・・」
「あ、詩織!この土地は不慣れだろうから俺が案内するよ」
「わぁ!凄く助かる。有難う!」
彼女の笑顔にまた胸が一つ高鳴った。何だろうこれは。
彼女を蝶屋敷へと案内する為に手を取って歩き出す。小さい頃からの癖で握った詩織は少し恥ずかしがっていたけど、またそんな所も可愛らしく愛らしいと思う。
そんな俺を見て''炭治郎に春がきた・・・''なんて善逸が呟いていたのを俺は知る由もない。