ごちゃまぜ短編
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私が小さい頃から仲が良かった両親は外に出る些細な用事でも必ず手を握って歩いていた。それが、幼い頃からずっと疑問だった。
『ねぇお母さん。どうしてお父さんとお母さんは何時も手を握りながら街を歩いているの?』
『そうだねぇ。心が温かくなるからかな』
『? お父さんと手を繋ぐと心が温かくなるの?そしたら詩織だって温かくなるよ!』
『うーん。多分詩織が思ってるのとはちょっと違うかな。』
『ちがうの?』
『お父さんと手を繋ぐと、心がふわって優しい気持ちになるの。お父さん大好きーってね。
でもそれはね、他の誰でもない相手がお父さんだからなのよ』
『・・・ぜんぜん分かんない』
『ふふっ。詩織がもう少し大人になって好きな人が出来たら分かるよ。きっと』
『ほんと!?じゃあ早く私も大人になりたいなー!』
『じゃあいっぱい食べて大きくなら、ないと、ねーーーーー』
そこでお母さんの声が、途切れた。
ーー「ん、うん」
目が覚めると青空ーーーではなく赤く空が染まっている。どうやら外縁でだいぶ寝てしまったようだ。
起き上がればハラリと何かが私の体からずり落ちる。腰までずり落ちた物を見てみると緑と黒の市松模様の羽織、正しくこれは炭治郎の物だ。
「何で、炭治郎の物が・・・」
思わず沸いた疑問を声に出てしまった。
炭治郎の事だ。何も掛けずに寝ていた私を見兼ねて自分の羽織を掛けてくれたのだろう。
相変わらず優しい人だ。
羽織を丁寧に畳み返しに行こうと立ち上がると、今から探しに行こうと思っていた人物がすぐ目の前に立っていた。
「炭治郎・・・」
「起きたのか詩織。随分よく寝てたみたいだな」
笑いながら此方へ歩み寄る炭治郎に、何故かふと夢の母の言葉を思い出す。
彼なら、母の言った意味も分かるのだろうか。
思い至った私は炭治郎の指先辺りに手を添えて、そっと握ってみる。彼の手は温かかった。
「詩織!? きゅ、急にどうしたんだ!?」
顔を赤くさせてあたふたと慌てている彼の行動は初心の様に見えて、何だか可愛らしくて口角が上がる。
私が笑っているのが見えてしまったのか、炭治郎がもっと狼狽えてしまったので、触れていた手を離す。離した時に何だか胸の辺りが寂しくなったのは気の所為だろうか。
それに何の前触れもなく急に手を握ってしまったし、彼に説明しなければと思い、まだ顔が赤い炭治郎に視線を向けた。
「あのね、さっき寝てる時に夢を見たの」
「夢?」
「そう、小さい頃の夢。私のお母さんとお父さんよく手を握って外を歩いてたの。理由を聞いたら『お父さんと手を握ると温かくなるから』って。家族と手を繋ぐのは違うらしくて。
私未だに分からないから、だから炭治郎とだったら分かるかなって思って」
それでいきなり手を握っちゃったの。ごめんね、と謝ると炭治郎は首を横に振った。
「気にしないでくれ。それに俺も詩織のお母さんがどんな気持ちを抱いていたか、分かる気がする」
「え・・・。本当に?」
「ああ。俺も最近知ったばかりだけど」
そう頬を掻きながら照れたように笑う炭治郎を見て、胸がドクンと唸った気がした。
「・・・ねぇ炭治郎。私も、いつか分かるかな」
「ああ。きっと分かるさ。俺も、詩織に分かって貰えるように頑張るから」
炭治郎が私の両手をそっと握り取る。
剣だこが沢山その手は、決して握り心地が良い訳では無い。
それでも彼が握ってくれた両手と、胸の辺りが暖かくなったのは、きっと間違いじゃないだろう。
『ねぇお母さん。どうしてお父さんとお母さんは何時も手を握りながら街を歩いているの?』
『そうだねぇ。心が温かくなるからかな』
『? お父さんと手を繋ぐと心が温かくなるの?そしたら詩織だって温かくなるよ!』
『うーん。多分詩織が思ってるのとはちょっと違うかな。』
『ちがうの?』
『お父さんと手を繋ぐと、心がふわって優しい気持ちになるの。お父さん大好きーってね。
でもそれはね、他の誰でもない相手がお父さんだからなのよ』
『・・・ぜんぜん分かんない』
『ふふっ。詩織がもう少し大人になって好きな人が出来たら分かるよ。きっと』
『ほんと!?じゃあ早く私も大人になりたいなー!』
『じゃあいっぱい食べて大きくなら、ないと、ねーーーーー』
そこでお母さんの声が、途切れた。
ーー「ん、うん」
目が覚めると青空ーーーではなく赤く空が染まっている。どうやら外縁でだいぶ寝てしまったようだ。
起き上がればハラリと何かが私の体からずり落ちる。腰までずり落ちた物を見てみると緑と黒の市松模様の羽織、正しくこれは炭治郎の物だ。
「何で、炭治郎の物が・・・」
思わず沸いた疑問を声に出てしまった。
炭治郎の事だ。何も掛けずに寝ていた私を見兼ねて自分の羽織を掛けてくれたのだろう。
相変わらず優しい人だ。
羽織を丁寧に畳み返しに行こうと立ち上がると、今から探しに行こうと思っていた人物がすぐ目の前に立っていた。
「炭治郎・・・」
「起きたのか詩織。随分よく寝てたみたいだな」
笑いながら此方へ歩み寄る炭治郎に、何故かふと夢の母の言葉を思い出す。
彼なら、母の言った意味も分かるのだろうか。
思い至った私は炭治郎の指先辺りに手を添えて、そっと握ってみる。彼の手は温かかった。
「詩織!? きゅ、急にどうしたんだ!?」
顔を赤くさせてあたふたと慌てている彼の行動は初心の様に見えて、何だか可愛らしくて口角が上がる。
私が笑っているのが見えてしまったのか、炭治郎がもっと狼狽えてしまったので、触れていた手を離す。離した時に何だか胸の辺りが寂しくなったのは気の所為だろうか。
それに何の前触れもなく急に手を握ってしまったし、彼に説明しなければと思い、まだ顔が赤い炭治郎に視線を向けた。
「あのね、さっき寝てる時に夢を見たの」
「夢?」
「そう、小さい頃の夢。私のお母さんとお父さんよく手を握って外を歩いてたの。理由を聞いたら『お父さんと手を握ると温かくなるから』って。家族と手を繋ぐのは違うらしくて。
私未だに分からないから、だから炭治郎とだったら分かるかなって思って」
それでいきなり手を握っちゃったの。ごめんね、と謝ると炭治郎は首を横に振った。
「気にしないでくれ。それに俺も詩織のお母さんがどんな気持ちを抱いていたか、分かる気がする」
「え・・・。本当に?」
「ああ。俺も最近知ったばかりだけど」
そう頬を掻きながら照れたように笑う炭治郎を見て、胸がドクンと唸った気がした。
「・・・ねぇ炭治郎。私も、いつか分かるかな」
「ああ。きっと分かるさ。俺も、詩織に分かって貰えるように頑張るから」
炭治郎が私の両手をそっと握り取る。
剣だこが沢山その手は、決して握り心地が良い訳では無い。
それでも彼が握ってくれた両手と、胸の辺りが暖かくなったのは、きっと間違いじゃないだろう。