ごちゃまぜ短編
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「おかえり炭治郎」
「ただいま詩織」
ただこの会話をするだけで、それだけで幸せと思ってしまう私は単純な人間なのだろうか。
鬼舞辻無惨との死闘を乗り越え、私達の日常にも平和が訪れた。
それでも何故か鬼は存在し、鬼殺隊は続いている。
炭治郎は隊の柱として今も人々の為に闘ってくれているのだ。
そんな夫を誇らしいと思う反面、いつ死が訪れるか分からない職という事もあり、酷く心配になる。
''何時かこうして交わす挨拶すらも突然と出来なくなってしまうかもしれない''なんて事を考えるのもよくある事だ。
「詩織?」
「ご、ごめんちょっと考え事してた!」
何でもないと視界に突然入ってきた炭治郎に驚きながらも慌てて話を逸らして玄関から歩き出そうとすると、いきなり手首を炭治郎に掴まれる。
「た、炭治郎?どうしたの?」
「詩織こそ何かあったんじゃないのか?」
「何もないよ・・・?」
「嘘だ!こんなに君から、不安な匂いがしてるのに・・・」
ああ。やっぱりバレてしまった。今までバレない様に彼の前で考える事は止めていたのに、
考えてしまったのは私の落ち度だ。
手を掴まれていて逃げる事も出来ず、炭治郎を真っ直ぐ見れずに視線を逸らす。
私の手首を掴んでいる炭治郎の腕の力が強くなった。逸らしていた筈の視線は頬に手を添えられて戻る。
視線を戻せば必然的に見える炭治郎の顔は悲しげで、明らかに眉が下がってしまっている。
そんな顔、させたくなかったのに。
「何か不安に思ってる事があるなら、俺に話してくれないか?不安でも何でも、俺が受け止めるから」
''だから、話してくれ''
そうせがまれる様に言われてしまえば、断れる筈もなく。
「・・・あのね、炭治郎ーーー」
私が数分前に思っていた事を正直に口にすると、炭治郎は暫く俯いて微動だにしなくなった。
「た、たんじろっ、うわっ」
恐る恐る炭治郎の覗き込もうとしようとした瞬間、握られていた手首を引き寄せられてそのまま彼の胸に飛び込む形になる。
炭治郎は左手を包み込むように私の腰に回し、右手で痛くない程度に自分の胸に私を押し付ける。
「そんな事思わさせていたなんて全然分からなかった。ごめんな詩織」
「ううん。私こそ、ごめんなさい。
貴方と一緒になった時から覚悟はしているけれど、でも、時折どうしても不安になってしまって・・・」
「いや、良いんだ。俺は闘いに身を置いているし、不安になるのは当たり前の事だ。
でも、良かった。帰って来ると時々詩織から秘密の匂いがしてたから」
「秘密にしてたのは今話した事なの。我儘なのは、分かってるのに。炭治郎も不安だったよね。ごめんなさい」
「気にしないでくれ。俺も不安を拭えたし、これでおあいこだな」
その言葉に顔を上げると、炭治郎の顔付きに先程の悲しさはなく、目を細めて微笑みながらまだ私の頭に添えていた右手を優しく時たま髪を梳く様にして私の頭を撫でる。
撫でていた右手を頬に移動させると、炭治郎の顔が近付き唇が重なる。
今日の接吻は忘れられない、そうきっとハナミズキを連想させる愛ある接吻だったのだろうと私は思う。
「ただいま詩織」
ただこの会話をするだけで、それだけで幸せと思ってしまう私は単純な人間なのだろうか。
鬼舞辻無惨との死闘を乗り越え、私達の日常にも平和が訪れた。
それでも何故か鬼は存在し、鬼殺隊は続いている。
炭治郎は隊の柱として今も人々の為に闘ってくれているのだ。
そんな夫を誇らしいと思う反面、いつ死が訪れるか分からない職という事もあり、酷く心配になる。
''何時かこうして交わす挨拶すらも突然と出来なくなってしまうかもしれない''なんて事を考えるのもよくある事だ。
「詩織?」
「ご、ごめんちょっと考え事してた!」
何でもないと視界に突然入ってきた炭治郎に驚きながらも慌てて話を逸らして玄関から歩き出そうとすると、いきなり手首を炭治郎に掴まれる。
「た、炭治郎?どうしたの?」
「詩織こそ何かあったんじゃないのか?」
「何もないよ・・・?」
「嘘だ!こんなに君から、不安な匂いがしてるのに・・・」
ああ。やっぱりバレてしまった。今までバレない様に彼の前で考える事は止めていたのに、
考えてしまったのは私の落ち度だ。
手を掴まれていて逃げる事も出来ず、炭治郎を真っ直ぐ見れずに視線を逸らす。
私の手首を掴んでいる炭治郎の腕の力が強くなった。逸らしていた筈の視線は頬に手を添えられて戻る。
視線を戻せば必然的に見える炭治郎の顔は悲しげで、明らかに眉が下がってしまっている。
そんな顔、させたくなかったのに。
「何か不安に思ってる事があるなら、俺に話してくれないか?不安でも何でも、俺が受け止めるから」
''だから、話してくれ''
そうせがまれる様に言われてしまえば、断れる筈もなく。
「・・・あのね、炭治郎ーーー」
私が数分前に思っていた事を正直に口にすると、炭治郎は暫く俯いて微動だにしなくなった。
「た、たんじろっ、うわっ」
恐る恐る炭治郎の覗き込もうとしようとした瞬間、握られていた手首を引き寄せられてそのまま彼の胸に飛び込む形になる。
炭治郎は左手を包み込むように私の腰に回し、右手で痛くない程度に自分の胸に私を押し付ける。
「そんな事思わさせていたなんて全然分からなかった。ごめんな詩織」
「ううん。私こそ、ごめんなさい。
貴方と一緒になった時から覚悟はしているけれど、でも、時折どうしても不安になってしまって・・・」
「いや、良いんだ。俺は闘いに身を置いているし、不安になるのは当たり前の事だ。
でも、良かった。帰って来ると時々詩織から秘密の匂いがしてたから」
「秘密にしてたのは今話した事なの。我儘なのは、分かってるのに。炭治郎も不安だったよね。ごめんなさい」
「気にしないでくれ。俺も不安を拭えたし、これでおあいこだな」
その言葉に顔を上げると、炭治郎の顔付きに先程の悲しさはなく、目を細めて微笑みながらまだ私の頭に添えていた右手を優しく時たま髪を梳く様にして私の頭を撫でる。
撫でていた右手を頬に移動させると、炭治郎の顔が近付き唇が重なる。
今日の接吻は忘れられない、そうきっとハナミズキを連想させる愛ある接吻だったのだろうと私は思う。