ごちゃまぜ短編
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※主人公の名前は有里 湊で固定にしています。ご了承ください。
「おはよう湊君。今日も眠そうだね」
「うん。眠い」
青髪の少年は寝ぼけ眼でその問い掛けに答える。
思い通りの答えにクスクスと微笑むのは青髪の少年の後ろの席にいる少女。
青髪の少年、湊と呼ばれた人物は問い掛けを投げてきた少女に怒る所か彼女の頭をくしゃくしゃにする様に撫で回した。
「わっ!髪がぐちゃぐちゃになっちゃうよ」
「僕をからかった詩織が悪い」
「ごめんごめん。だから許して?」
手を合わせながら謝罪をしている後ろの席の少女、詩織。
湊は溜息をつきながらも、自分がぐしゃぐしゃにしてしまった彼女の髪を整える。
その彼の手付きと表情は何処か優しげだ。
彼等は月光館学園に通う二学年である。
***
「でも湊君、本当に眠そうだよね。最近忙しそうだし、大丈夫?」
「大丈夫。眠いのはいつもの事だし」
「それは確かに!湊君ってば基本授業は寝てるしね!・・・ごめんなさい。そんなに睨まないで下さい」
その発言に無表情ながらも彼女を見つめる湊の目に、詩織はまた頭をぐしゃぐしゃにされない様にと頭を抱えて防御体制を取る。
基本彼が''無表情で考えが分かりづらい''としても、彼女は目を見ただけで彼の次の行動を何となく察したらしい。
彼が何もしてこない事を確認すると、頭を抑えていた手を退けて再び彼と会話をする。
「でも、何か手伝える事があれば遠慮なく言ってね。私達友達なんだしさ!」
そんな彼女の親切な言葉に、湊は少し考え込んでから言葉を発した。
「じゃあ早速お願いがある」
「お!なになに?詩織ちゃん喜んで聞きますぞ!」
「今日の夜、電話してもいい?」
「・・・・・はい?」
これが少年、湊と少女、詩織の変わった形の恋の始まりとなる。
ーーーーー
時刻は夜十時。私は少しソワソワした気持ちで彼からの電話を待ちながら、携帯を片手にベットで何故か正座している。
こうなったのはあの特に何も無い日常の筈だった日だ。
『で、電話デスか?』
『うん。ダメだった?』
キョトンとした顔で首を傾げる湊君に、私は全力で手を振りながら否定の言葉を紡ぐ。
『う、ううん!全然!ていうか寧ろそんなので良いの?』
『うん。詩織が良いなら』
『私は大丈夫だよ!じゃあいつ頃にする?』
『じゃあ、今日の夜の十時頃に僕から電話するよ』
『わ、分かった。じゃあ待ってるね』
私の返事を聞いて頷く。今、彼が笑った?
もう一度湊君を呼んでみても真顔で振り返るだけで、それと同時に休憩終了のチャイムが鳴ってしまい、次の授業が始まってしまった。
まぁ、多分彼が笑うなんて気の所為だろう。
ーーそうして時は流れ、話は冒頭に戻る。
よくよく考えれば電話なんて女友達か、男の子で話すと言えば順平くらいだったし、流石に緊張してきた。
「ど、どうしよう。本当に連絡来るのかな?
いや、湊君に限って嘘なんて事ある訳ーーーひゃぁああ!!」
色々考え込んでいた最中に突然電話が鳴り、思わず驚いて大声を上げてしまった。
湊君からだ。恐る恐る電話に出る。
「も、もしもし?」
「もしもし、僕だけど。こんばんは」
「こ、こんばんは湊君」
「詩織、緊張してるの?」
「そそそ、そんな事ないよ!全然!」
いやいや!こんな返答の仕方じゃバレるでしょ!何やってんの私!!
やっぱり湊君は私が緊張しているのに気が付いてしまったらしくクスクスと笑っている。
朝とは逆になってしまった。
「やっぱり詩織は面白いね」
「ううっ。それは褒められているのか貶されているのか・・・」
「褒めてる、かな。一応」
「一応って・・・。でも湊君が笑ってくれるなら善しとしよう!それで今日は何か話があったの?」
「うん。明日一緒に学校行こう」
「良いよ!じゃあ明日の七時半に駅に集合でいい?」
「大丈夫。じゃあまたね」
「うん。またね」
ツーツーと電話特有の機械音が聞こえる。どうやら電話は切れたようだ。
ふぁー!緊張した!
でも、自然と学校の頃の私にちゃんと戻ってた、かな?
明日の集合時間に間に合う為にさっさと寝ようっと!
そう思い電気を消してベットに横になる。
窓からは一際大きな月が私の部屋に差し込み、月光が射し込んでいた。
明日会ったら電話での話を湊君としようと心に決めながら、私は眠気とともに目を閉じた。
「おはよう湊君。今日も眠そうだね」
「うん。眠い」
青髪の少年は寝ぼけ眼でその問い掛けに答える。
思い通りの答えにクスクスと微笑むのは青髪の少年の後ろの席にいる少女。
青髪の少年、湊と呼ばれた人物は問い掛けを投げてきた少女に怒る所か彼女の頭をくしゃくしゃにする様に撫で回した。
「わっ!髪がぐちゃぐちゃになっちゃうよ」
「僕をからかった詩織が悪い」
「ごめんごめん。だから許して?」
手を合わせながら謝罪をしている後ろの席の少女、詩織。
湊は溜息をつきながらも、自分がぐしゃぐしゃにしてしまった彼女の髪を整える。
その彼の手付きと表情は何処か優しげだ。
彼等は月光館学園に通う二学年である。
***
「でも湊君、本当に眠そうだよね。最近忙しそうだし、大丈夫?」
「大丈夫。眠いのはいつもの事だし」
「それは確かに!湊君ってば基本授業は寝てるしね!・・・ごめんなさい。そんなに睨まないで下さい」
その発言に無表情ながらも彼女を見つめる湊の目に、詩織はまた頭をぐしゃぐしゃにされない様にと頭を抱えて防御体制を取る。
基本彼が''無表情で考えが分かりづらい''としても、彼女は目を見ただけで彼の次の行動を何となく察したらしい。
彼が何もしてこない事を確認すると、頭を抑えていた手を退けて再び彼と会話をする。
「でも、何か手伝える事があれば遠慮なく言ってね。私達友達なんだしさ!」
そんな彼女の親切な言葉に、湊は少し考え込んでから言葉を発した。
「じゃあ早速お願いがある」
「お!なになに?詩織ちゃん喜んで聞きますぞ!」
「今日の夜、電話してもいい?」
「・・・・・はい?」
これが少年、湊と少女、詩織の変わった形の恋の始まりとなる。
ーーーーー
時刻は夜十時。私は少しソワソワした気持ちで彼からの電話を待ちながら、携帯を片手にベットで何故か正座している。
こうなったのはあの特に何も無い日常の筈だった日だ。
『で、電話デスか?』
『うん。ダメだった?』
キョトンとした顔で首を傾げる湊君に、私は全力で手を振りながら否定の言葉を紡ぐ。
『う、ううん!全然!ていうか寧ろそんなので良いの?』
『うん。詩織が良いなら』
『私は大丈夫だよ!じゃあいつ頃にする?』
『じゃあ、今日の夜の十時頃に僕から電話するよ』
『わ、分かった。じゃあ待ってるね』
私の返事を聞いて頷く。今、彼が笑った?
もう一度湊君を呼んでみても真顔で振り返るだけで、それと同時に休憩終了のチャイムが鳴ってしまい、次の授業が始まってしまった。
まぁ、多分彼が笑うなんて気の所為だろう。
ーーそうして時は流れ、話は冒頭に戻る。
よくよく考えれば電話なんて女友達か、男の子で話すと言えば順平くらいだったし、流石に緊張してきた。
「ど、どうしよう。本当に連絡来るのかな?
いや、湊君に限って嘘なんて事ある訳ーーーひゃぁああ!!」
色々考え込んでいた最中に突然電話が鳴り、思わず驚いて大声を上げてしまった。
湊君からだ。恐る恐る電話に出る。
「も、もしもし?」
「もしもし、僕だけど。こんばんは」
「こ、こんばんは湊君」
「詩織、緊張してるの?」
「そそそ、そんな事ないよ!全然!」
いやいや!こんな返答の仕方じゃバレるでしょ!何やってんの私!!
やっぱり湊君は私が緊張しているのに気が付いてしまったらしくクスクスと笑っている。
朝とは逆になってしまった。
「やっぱり詩織は面白いね」
「ううっ。それは褒められているのか貶されているのか・・・」
「褒めてる、かな。一応」
「一応って・・・。でも湊君が笑ってくれるなら善しとしよう!それで今日は何か話があったの?」
「うん。明日一緒に学校行こう」
「良いよ!じゃあ明日の七時半に駅に集合でいい?」
「大丈夫。じゃあまたね」
「うん。またね」
ツーツーと電話特有の機械音が聞こえる。どうやら電話は切れたようだ。
ふぁー!緊張した!
でも、自然と学校の頃の私にちゃんと戻ってた、かな?
明日の集合時間に間に合う為にさっさと寝ようっと!
そう思い電気を消してベットに横になる。
窓からは一際大きな月が私の部屋に差し込み、月光が射し込んでいた。
明日会ったら電話での話を湊君としようと心に決めながら、私は眠気とともに目を閉じた。
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