幼馴染に転生しました【番外編】
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今日、私は治くんからの誘いでLupinに来ていた。
「やぁ安吾」
「お久しぶりです。安吾さん」
「お二人もご一緒にいらしたんですね」
「はい。ところで安吾さん。ちゃんと寝れてますか?」
「そうですね。今四徹目になりますね」
「駄目ですよ。忙しくてもちゃんと寝ないと」
「ねぇ詩織ー。早く此方に来てよー」
「うん。ちょっと待ってて治くん」
そんな気の抜けた会話をしていつもの様に酒杯を合わせた。
三人で色々な会話をしていると突然腕を枕にして机に身体を伏せている治くんがいた。
眠いのかな?
「治くん大丈夫?眠くなっちゃった?」
「少しね。私も最近ちゃんと寝れてないからねぇ」
そう云って治くんは私の手を取ると互いの指と指を絡めるようにしてゆっくりと握る。
何時も冷たい治くんの手はお酒を呑んでいるからか温かった。
おかげで今日は私が温めなくてもすみそうだ。
握っている手を見て満足そうにしてどこか子供っぽく、柔らかく笑うとそのまま瞳を閉じて眠ってしまった。
その余りの可愛さに私の中の何かがはち切れそうになるのを堪えて、何とか頭を撫でるだけに留めた。
安吾さんが私達を見て眼鏡の縁に手を当てながら小さく口を開いた。
「・・・唐突ですが、詩織さんは太宰君の事をどのような感情で見ているのですか?」
「へ・・・?」
本当に唐突だ。急にそんな事聞かれるなんて思ってもなかった。
「安吾さん。恋愛に興味があったんですか?」
「まさか。今の貴女を見ていて気になっただけです。それで回答は?」
「・・・治くんはずっと昔から一緒にいる1番好きで大切な幼馴染です。何だかんだ治くんって色々と危うい処があるから、なるべく一緒に居てあげたいと思うし、其れに私自身もずっと寄り添っていたいと思う様な人ですね」
その時、突然私の携帯が鳴り響く。電話が掛かってきたみたいだ。滅多にないんだけど、一体誰だろう。
「すみません。少し席を外しますね」
電話に出る為に私は席を立って出入口へ向かった。
「ーーーこれで良いですか太宰君?」
その声でゆっくりと起き上がった太宰は少し黒い笑みを浮かべる。
「うん。上出来だよ安吾」
「全く迷惑な話ですよ。今後は遣りませんからね」
「ところで今詩織に電話して来てるのって男?」
「彼女の女性の同僚ですよ。私が電話するように伝えたんです」
「ふーん。女性でも私の詩織と電話するなんて嫌だなぁ」
「自分で云い出したのですから、文句なんてよして下さい。其れに何故こんな事を企んだのですか?」
「企むなんて人聞きの悪い。私は唯、詩織の気持ちが知りたかっただけさ。好きな子の心情を知りたいのは当然だろう?」
「・・・詩織さんが貴方に潰されないか時々心配になりますよ」
その時出入口から音がした。詩織が戻ってきた様だ。その姿を目に映すと太宰は先程とはまるで別人の様に柔らかな笑みを浮かべる。
「おかえり詩織」
「あれ?治くん何時の間に起きてたの?」
「うん。先刻起きたばかりだよ」
そう云うと太宰は座らずに立っていた詩織の腰に腕を回し、お腹の辺りに顔を埋めて顔を左右に動かしたりしている。
その様子はまるで母親に纏う子供の様だ。
そんな太宰を見て詩織は優しく頭を撫でる。
「治くんまだ眠そうだね。帰って寝る?」
「そうだね。本当にもう眠いし、帰ろうかな。
帰ったら膝枕してね」
「うん。治くんがそれで眠れるのなら」
その言葉を聞くと太宰は目を細めて嬉しそうに微笑む。
そして立ち上がって詩織の手を取り、出入口へ早急に歩き始めた。
「ちょっ、待って治くん!安吾さん今日も有難うございました。またお会いしましょうね」
「じゃあね安吾。今日は助かったよ」
「ええ。お二人共機会があればまた」
二人を見送った安吾は静かになった空間で一人思う。
詩織の中の感情も思ったより酷い物だが、太宰の其れは大きく上回る程の膨大な強大さだ。
其れを幼い頃から受け止めてきているのだから詩織には本当に称賛の一言に尽きる。
だがそんな均衡もいつか崩れる時が来るかもしれない。
「まぁ、太宰君に限ってそんな事ありませんね。」
安吾は酒杯を片手に一人呟いていた。
「やぁ安吾」
「お久しぶりです。安吾さん」
「お二人もご一緒にいらしたんですね」
「はい。ところで安吾さん。ちゃんと寝れてますか?」
「そうですね。今四徹目になりますね」
「駄目ですよ。忙しくてもちゃんと寝ないと」
「ねぇ詩織ー。早く此方に来てよー」
「うん。ちょっと待ってて治くん」
そんな気の抜けた会話をしていつもの様に酒杯を合わせた。
三人で色々な会話をしていると突然腕を枕にして机に身体を伏せている治くんがいた。
眠いのかな?
「治くん大丈夫?眠くなっちゃった?」
「少しね。私も最近ちゃんと寝れてないからねぇ」
そう云って治くんは私の手を取ると互いの指と指を絡めるようにしてゆっくりと握る。
何時も冷たい治くんの手はお酒を呑んでいるからか温かった。
おかげで今日は私が温めなくてもすみそうだ。
握っている手を見て満足そうにしてどこか子供っぽく、柔らかく笑うとそのまま瞳を閉じて眠ってしまった。
その余りの可愛さに私の中の何かがはち切れそうになるのを堪えて、何とか頭を撫でるだけに留めた。
安吾さんが私達を見て眼鏡の縁に手を当てながら小さく口を開いた。
「・・・唐突ですが、詩織さんは太宰君の事をどのような感情で見ているのですか?」
「へ・・・?」
本当に唐突だ。急にそんな事聞かれるなんて思ってもなかった。
「安吾さん。恋愛に興味があったんですか?」
「まさか。今の貴女を見ていて気になっただけです。それで回答は?」
「・・・治くんはずっと昔から一緒にいる1番好きで大切な幼馴染です。何だかんだ治くんって色々と危うい処があるから、なるべく一緒に居てあげたいと思うし、其れに私自身もずっと寄り添っていたいと思う様な人ですね」
その時、突然私の携帯が鳴り響く。電話が掛かってきたみたいだ。滅多にないんだけど、一体誰だろう。
「すみません。少し席を外しますね」
電話に出る為に私は席を立って出入口へ向かった。
「ーーーこれで良いですか太宰君?」
その声でゆっくりと起き上がった太宰は少し黒い笑みを浮かべる。
「うん。上出来だよ安吾」
「全く迷惑な話ですよ。今後は遣りませんからね」
「ところで今詩織に電話して来てるのって男?」
「彼女の女性の同僚ですよ。私が電話するように伝えたんです」
「ふーん。女性でも私の詩織と電話するなんて嫌だなぁ」
「自分で云い出したのですから、文句なんてよして下さい。其れに何故こんな事を企んだのですか?」
「企むなんて人聞きの悪い。私は唯、詩織の気持ちが知りたかっただけさ。好きな子の心情を知りたいのは当然だろう?」
「・・・詩織さんが貴方に潰されないか時々心配になりますよ」
その時出入口から音がした。詩織が戻ってきた様だ。その姿を目に映すと太宰は先程とはまるで別人の様に柔らかな笑みを浮かべる。
「おかえり詩織」
「あれ?治くん何時の間に起きてたの?」
「うん。先刻起きたばかりだよ」
そう云うと太宰は座らずに立っていた詩織の腰に腕を回し、お腹の辺りに顔を埋めて顔を左右に動かしたりしている。
その様子はまるで母親に纏う子供の様だ。
そんな太宰を見て詩織は優しく頭を撫でる。
「治くんまだ眠そうだね。帰って寝る?」
「そうだね。本当にもう眠いし、帰ろうかな。
帰ったら膝枕してね」
「うん。治くんがそれで眠れるのなら」
その言葉を聞くと太宰は目を細めて嬉しそうに微笑む。
そして立ち上がって詩織の手を取り、出入口へ早急に歩き始めた。
「ちょっ、待って治くん!安吾さん今日も有難うございました。またお会いしましょうね」
「じゃあね安吾。今日は助かったよ」
「ええ。お二人共機会があればまた」
二人を見送った安吾は静かになった空間で一人思う。
詩織の中の感情も思ったより酷い物だが、太宰の其れは大きく上回る程の膨大な強大さだ。
其れを幼い頃から受け止めてきているのだから詩織には本当に称賛の一言に尽きる。
だがそんな均衡もいつか崩れる時が来るかもしれない。
「まぁ、太宰君に限ってそんな事ありませんね。」
安吾は酒杯を片手に一人呟いていた。