あれからまた数週間が経ち、死期が五ヶ月を切った私の身体は激しい痛みと吐血の繰り返しが多くなり、日に日に身体が病に蝕まれていくのを感じ取っていた。







あれから太宰幹部の忙しさは増し、まだ別れ話は出来ていない。








今日も出ているのを見るとあの女の処へ行っているのだろう。







よくもまぁ呼んだり通ったりするものだ。







本当に普通の恋愛をしている様で私にとって其れは羨ましいの他になかった。







私も普通の恋愛が出来たら、なんて思うけど其れも今やもう遅い話である。









どうせ別れるならもっと早くに別れておけば良かったかもなぁ、なんて事を考えていると、丁度よく太宰幹部が戻ってきた。
こんな機会は滅多にない。話をするなら今しかない。








私は息を一つ吐いてあの人の元へ向かった。








｢お帰りなさい太宰幹部｣








｢やぁ、只今詩織 。仕事は進んでるかい？｣








｢はい。順調ですよ。あの･･･太宰幹部ーーーーーーーいいえ、治さん。話があるの｣







太宰幹部は少しだけ目を見開いたと思うと直ぐに何時もの表情に戻る。







驚くのも無理はない。私は仕事とプライベートは分ける派なので、普段仕事をしている時に彼を名前で呼んだりなんてしない。ましてや敬語だ。

何時も絶対に遣らない事をすれば彼も少しは驚きもするのだろう。








｢仕事中に珍しいね。如何したんだい？｣








もう一度だけ、軽く深呼吸をして私はあの言葉告げた。








｢私と･････別れてください｣