中也は狼狽した表情で何とか口を開く。






｢は？何云ってやがんだ。お前が死ぬだなんてそんな話･･･｣

｢そうだね。信じられない話かもしれないけど本当だよ。生きていられても後半年位だってさ｣


｢･･･この事を、首領は･･･｣

｢勿論知ってるよ。もう話した｣

｢･･･治んねぇのか？｣

｢首領が色々調べてはくれたけど、駄目みたい｣












その事実を中也は困惑する頭で必死に理解し、力の無い表情で私を見つめた。







｢ーー太宰にはこの事話したのか｣

｢してないよ。第一私もう彼女じゃないし｣



｢なっ！？別れたのか？｣

｢まだ別れてはないけど、何れそうなると思う。｣




｢･･･そうか｣









なんともいえない悲しい表情をして俯く中也を見て、やっぱり云わなければ良かったなんて思ってしまう。








予想通り気まずい雰囲気になってしまった。その空気が少し嫌になったので、何とか明るい声を出して彼を見送る事にした。







｢さ、早く仕事に戻りなよ！部下が心配してるよきっと｣

｢けどお前が･････｣

｢私なら大丈夫。ちゃんと休んでから行くから。薬も飲むし｣

｢じゃあ薬を飲むまでは此処にいてやる。
そうじゃねえと俺の気も晴れねぇからな｣


｢･････薬なんて一瞬で全部飲み終わるのになぁ｣







そう薬なんて多いだけで飲むのは一瞬だ。







それでも彼の優しさが今の私にはとても居心地良かったのを中也が去った後も暫く忘れる事が出来なかった。