貴方とのさよならを
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「でもごめんなさい。私の中のこの好きの気持ちは、あの人に抱いていた想いとは違うもの。
貴方への好きは友人としての想いなんです。
だから気持ちには答えられません。」
驚きで見開いていた目は直ぐ細目になり閉じられた。
「・・・・・そうか。まぁその答えは判ってた積もりだ。其の道を決めたって事は覚悟があるんだろ?」
「ええ。ーーー私は最期まで、あの人を愛して逝くわ」
「だったら俺は何も云わねえ。其れが手前が決めた最期だってなら最期まで貫け」
「うん。有難う」
再び歩いて出入口へ向かう。今度は二人で並んで歩いた。
着くまでは会話も無くなってしまったけど、其れでも不思議と気まずさを感じる事はなかった。
「・・・此処でいいよ。見送ってくれて有難うね」
「嗚呼。元気でな。ちゃんと連絡寄越せよ」
「ちゃんとするよ。・・・中也、ちょっと此方来て」
「ああん?何だよっ・・・・・・」
私は近づいて来た中也の肩にそっと手を置き、
肌つやの良い柔らかそうな頬に接吻をした。
接吻をした時の独特な音とともに頬から唇を離す。
今までこんな私に恋心を抱いてくれた事への感謝と親しみを込めた最後の接吻だ。
そして一瞬何が起きたか判らなかった中也も直ぐに理解したようで。
「お、お、お前何やってんだ!」
接吻した方の頬を手を抑えて思いっ切り動揺していたのを見て私はお腹を押さえて笑った。
こんなに笑ったのは久し振りだ。
笑い過ぎてお腹が痛い。
彼ともまだ沢山会話をして楽しみたいけど、
残念ながらもう行かなくてはならない時間だ。
「はーー。過去最高に笑ったわ。
荷物持ってくれて有難う。時間だからもう行くね」
「・・・・・・おう。もう一回云うがちゃんと連絡取れるようにしておけよ」
「分かってるってば。ーーじゃあ、またね中也」
「嗚呼。またな、詩織」
何時もみたいな普通の別れ方。
其れをしてくれたのが私はとても嬉しかった。
本当に今まで有難う中也。
貴方は怒るだろうからこれは面と向かっては云わないけどーーーーー
私の分まであの人の事、宜しくね。