貴方とのさよならを
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「如何いう事じゃ!きちんと話をせよ!」
動揺を隠せず少し声を荒げる姐さん
「其の儘の意味です。私は後二、三ヵ月の命なんです。現に今も痛みを中心に私を蝕み続けています」
「何故じゃ!如何して黙っておったのじゃ!」
「皆さん本当にお優しい心をお持ちの方ばかりでしたので、打ち明けて悲しい顔をさせるのが嫌だったんです。中也に云った時もそうでしたから」
「そうじゃったのか・・・」
「はい。それと太宰幹部には私の事は内密にお願いします」
「太宰にか?別に良いが、お主たち恋仲ではなかったのかえ」
「いいえ、もう別れました。最後にこれを貰って」
私は姐さんに貰った髪飾りを見せる。
すると其れを深い哀愁がこもった目で見つめた。
「白いカーネーションとは・・・太宰も粋な事をする奴じゃの」
「白いカーネーションの花言葉を知っているのですか?」
「勿論じゃ。花言葉は『無垢で深い愛』
あの女子垂らしの奴がその様な物を贈るとは、お主は随分と愛されていたようじゃの」
ーーーーーー''愛されていた。''
その事実だけ分かっただけでも今の私には倖せな事だ。
「ーー教えて頂き有難うございます。
其れが分かれば、もう思い残す事なく逝けます」
「詩織・・・・・・」
「私、明後日には此処を出ます」
「随分急じゃな・・・。何も用意出来ぬではないか」
「ふふっ。有難うございます。そのお気持ちだけ受け取らせて貰いますね。
恩義ある貴女を今まで騙してしまっていてすみませんでした」
私が謝りながら深く頭を下げると姐さんはそっと優しく肩に手を添え私に語りかけるように優しく話し出す。
「詩織。其方が謝る必要など初めから無い。
お主は誰より重い運命を背負いながらも良くここまで頑張った。だからこそお主が変に気負う必要などないのじゃ。そんな嘘を付いても誰もお主を責めたりなどせぬ。」
「けれど紅葉姐さん・・・。私は・・・っ」
「もし、お主が罪悪感に未だに塗れているのであれば一つ私からの願いを聞いてくれるか?」
「はい。今の私に出来る事であれば何でも」
「そうか。ではこの後の時間を私にくれるか?最後にお主と二人きりで話がしたいのじゃ。他愛もない話を」
「そんなので、良いのですか?」
「構わぬ。其れにお主と話をするのが『そんなの』と云う扱いでは困る。お主もそれで善いかえ?」
「っ・・・はい!」
その後、姐さんの要望で着物を着たり写真撮影をしたり、本当にお茶をしながら他愛もない話をした。
もう有り得ることのないこの機会を最後に与えてくれた紅葉姐さんは矢っ張り好きだし、何より偉大な人だと改めて思えた。
貴女を欺くような酷い私を今まで可愛がってくれて有難う姐さん。そして、さようなら。
またいつかきっと会いましょうね。
動揺を隠せず少し声を荒げる姐さん
「其の儘の意味です。私は後二、三ヵ月の命なんです。現に今も痛みを中心に私を蝕み続けています」
「何故じゃ!如何して黙っておったのじゃ!」
「皆さん本当にお優しい心をお持ちの方ばかりでしたので、打ち明けて悲しい顔をさせるのが嫌だったんです。中也に云った時もそうでしたから」
「そうじゃったのか・・・」
「はい。それと太宰幹部には私の事は内密にお願いします」
「太宰にか?別に良いが、お主たち恋仲ではなかったのかえ」
「いいえ、もう別れました。最後にこれを貰って」
私は姐さんに貰った髪飾りを見せる。
すると其れを深い哀愁がこもった目で見つめた。
「白いカーネーションとは・・・太宰も粋な事をする奴じゃの」
「白いカーネーションの花言葉を知っているのですか?」
「勿論じゃ。花言葉は『無垢で深い愛』
あの女子垂らしの奴がその様な物を贈るとは、お主は随分と愛されていたようじゃの」
ーーーーーー''愛されていた。''
その事実だけ分かっただけでも今の私には倖せな事だ。
「ーー教えて頂き有難うございます。
其れが分かれば、もう思い残す事なく逝けます」
「詩織・・・・・・」
「私、明後日には此処を出ます」
「随分急じゃな・・・。何も用意出来ぬではないか」
「ふふっ。有難うございます。そのお気持ちだけ受け取らせて貰いますね。
恩義ある貴女を今まで騙してしまっていてすみませんでした」
私が謝りながら深く頭を下げると姐さんはそっと優しく肩に手を添え私に語りかけるように優しく話し出す。
「詩織。其方が謝る必要など初めから無い。
お主は誰より重い運命を背負いながらも良くここまで頑張った。だからこそお主が変に気負う必要などないのじゃ。そんな嘘を付いても誰もお主を責めたりなどせぬ。」
「けれど紅葉姐さん・・・。私は・・・っ」
「もし、お主が罪悪感に未だに塗れているのであれば一つ私からの願いを聞いてくれるか?」
「はい。今の私に出来る事であれば何でも」
「そうか。ではこの後の時間を私にくれるか?最後にお主と二人きりで話がしたいのじゃ。他愛もない話を」
「そんなので、良いのですか?」
「構わぬ。其れにお主と話をするのが『そんなの』と云う扱いでは困る。お主もそれで善いかえ?」
「っ・・・はい!」
その後、姐さんの要望で着物を着たり写真撮影をしたり、本当にお茶をしながら他愛もない話をした。
もう有り得ることのないこの機会を最後に与えてくれた紅葉姐さんは矢っ張り好きだし、何より偉大な人だと改めて思えた。
貴女を欺くような酷い私を今まで可愛がってくれて有難う姐さん。そして、さようなら。
またいつかきっと会いましょうね。