貴方とのさよならを
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あの場から逃げる様に立ち去り、廊下を忙しなく歩く。
前も同じ様にあの女に会って廊下を歩いた事かあったけど、今回は少し状況が違った。
二人のあんなのを見せ付けられて冷静でいられる筈もない。私の頭も心も何もかもぐちゃぐちゃだ。
もう治さんとは別れたと云うのに、何故あの女が未だにそんな嫌がらせをしてくるのか分からなかった。
すると突然、朝と同じ位の激痛が身体を走る。残念ながらあのまま出てきてしまった私は薬の入った荷物を執務室に置いてきてしまった。
痛みを止める術なんて今の私には無くて、呻き声とともに寄り掛かった壁から其の儘ずり落ちた。呼吸が出来ない程息が乱れて苦しくて仕方ない。
スーツの内側に手を伸ばし震える手で携帯を取り出し電話を掛ける。
今、私が頼れるのは一人しかいなかった。
「おう詩織か。如何した?」
「中・・・也・・・っ」
「っおい!今何処にいやがる!」
「・・・・・・私さ、矢っ張り、馬鹿だったのかも、しれない」
「はぁ!?何云ってんだ!良いから何処にいるか教えろ!」
勿論、何処にいるか教えたかったけど、私にはもうそんな気力が無くて、少しずつ瞼が重くなる。
耳に携帯当てていた腕も力無く其の儘床に落ちていった。