「お、治くん････これ少し不味いんじゃ･･･」

「大丈夫｡私を信じ給え」

「治くんの事はいつも信じてるけど、私より治くんが･････」









今 治くんは私を抱えて虎化した敦くんから逃げている。

そしてとうとう後ろは壁になって逃げ道がなくなった｡

治くんは私を降ろし、手の位置を私の腰に固定して自分の方に引き寄せる｡













「治くん･･･」

「２人一緒に獣に喰い殺される最期というのも悪くないが、''君では私を殺せない''」










治くんの異能力で敦くんは人間に戻った｡










倒れる敦くんを支えた治くんだったけど、男と抱き合う趣味はないと敦くんを離した｡






地面に落ちていく敦くんを咄嗟に支えて、
ゆっくりと横たわせる｡見た所特に外傷は無さそうだ。









「良かったぁ｡怪我もなくて無事みたい」









本当に眠っているだけの敦くんが可愛くて思わずニヤけてしまう｡いけないいけない。








「もう治くん！もう少し優しく横たわらせてあげないと！」

「だって抱き合うなら詩織がいいもの｡」

「恥ずかしいからそういうのサラッと言わないでよ」

「本当の事だよ｡どんな事でも私は詩織が一番だからね」

「だから言わないでってば･････」












それ言われると私が凄く弱いのを知ってて
治くんは言ってるから本当にタチが悪いよね。