あれから依頼の電話を受けて皆で事務所へ戻ってきた。

もちろん、依頼の電話の主はご存知の通り樋口ちゃんだ。ちょこんと座ってて可愛いらしい！










｢それで･･･依頼というのは･･･｣

｢美しい･････睡蓮のごとく果敢なく
そして可憐なお嬢さんだ。
どうか私と心中して頂けないだろうかーー｣








谷崎くんの言葉を遮って、ファンタジー映画の様に樋口ちゃんを口説き始めた治くんを国木田さんが頭を殴って別室へそのまま連れて行った。



治くん、ご愁傷様です。
















｢･･････それで依頼と云うのはですね
我が社のビルヂングの裏手に最近善からぬ輩が
屯している様なんです｣



そして普通に始める樋口ちゃん。凄い好き





｢善からぬ輩ッて云うと？｣

｢分かりません。ですが襤褸をまとって日陰を歩き、聞き慣れない異国語を話す者もいるとか｣

｢そいつは密輸業者だろう。なら小僧お前が行け。ただ見張るだけだ。
それに密輸業者は無法者だが取り得の無害な連中ーーー初仕事には丁度いい｣

｢で、でも･･･｣

｢谷崎、一緒に行ってやれ｣

｢私も一緒に行きますよ｣

｢ああ。頼む詩織」

｢はい。じゃあ行こうか敦くん｣

｢は、はい！｣









｢待て小僧。こいつには遭うな。遭ったら逃げろ｣

そう云って国木田さんは一枚の写真を敦くんに見せる。
敦くんの頭の上に疑問符が浮き出た。







｢この人は？｣

｢マフィアだよ。尤も他に呼びようがないからそう呼んでるだけなんだけどね｣








横から急に治くんが出てきた。復活するの早いなぁ









｢名は芥川。ポートマフィアの狗だ。
殺戮に特化した異能力者だ。注意しろ｣







其れを聞くと敦くんは素直に頷いた。







出発しようとすると治くんに声を掛けられた。







｢詩織、''気を付けて''行ってらっしゃい｣

｢うん。行ってきます治くん｣








口は笑ってたけど、あんまり目が笑ってなかったなぁ。






さぁ、治くんに怒られない程度にどう頑張ろうかな･･････