京楽春水
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
可愛いお花があるとしよう。道端や、またはお花屋さんで見かけた可愛いお花たち。その花を見ると、僕は彼女の事を思い出してしまうんだ。いまは仕事でそれぞれ会社が違うから、出勤時間は同じでも勤め先が違うって、こんなに悲しいんだなぁ、なんて事を思うけど、まぁそれも仕方ないと片付けてしまおう。そんな僕は、仕事帰りに、いつもの帰り道ではなく、たまには気分転換も必要だと思ったから、いつもの帰り道から、今まで通らなかった道を使い、僕は歩いた。
そこで、ふと、花屋さんが目に止まる。
色とりどりな可愛いお花が店内に並んでいた。
僕は花のことなんてあまり分かっていないんだけど、可愛いなぁと思った。そんな僕は、ひとつの花を見て、足を止めた。名前も分からない花なんだけど、可愛い赤い色のお花で、なんの花なんだろうかと思いつつ、店内に入って辺りを見る。本当に可愛らしいお店だ。今度彼女に教えてあげよう。あのね、この道の通りに可愛いお花屋さんがあるんだよって、そしたら君はこう言ってくれるのかな。わぁ、いいね!じゃあ今度2人で行こうよって。ふふふ、と、彼女の事を思い浮かべてしまうと顔が綻んでしまう。
「いらっしゃいませ〜」
店内に入ると、お若いご夫婦がご経営されていらっしゃった。こんにちわぁ〜と挨拶をして、僕は花を決める事にした。彼女に花を贈ることは全くないという訳ではなくて、特別な時に花を贈るけど、こんな、なんでもない時に花を贈るのも、とても素敵な事だよね。僕はこれだ!と思ったお花を見つけた。8月にぴったりのお花で、この花を彼女に!僕はそれをラッピングしてもらい、お店を出た
「た〜だいま〜」
「あ、おかえりなさ〜い!今日はスープと漬物、そしてメインはオムライスですよ〜!」
「わぁ、嬉しいなぁ〜」
先に帰宅していた彼女は、料理を僕のために、まぁ自分のためにでもあるけれど、帰宅後すぐにいつも作ってくれている。ありがとう、という思う気持ちを僕は彼女に直接言った。彼女は笑顔で、どういたしましてと、いつも言ってくれる。
リビングに行くと、食卓の上にこの前伊万里焼の食器で美味しい色とりどりなご馳走が並んであった。ああ、いいねこういうの....と、僕は思う。
でも、きっとこの思いは僕だけじゃなくて君も思っていると思う
「はい!このお花を君に」
「ええ!ありがとう、春水さん!」
可愛いお花と、可愛い君がセットになるこの場面を、僕は帰り中に思っていたんだよ、なんて事を伝えると、彼女は恥ずかしいのかなんなのか、もう!と、でもちゃんともう一度お礼を伝えてくれた。
「じゃあこのお花、どこに飾ろうかな...あ、、このお花...フヨウっていう名前なんだね。可愛いピンクで、とっても可愛いね...なんだか、春水さんみたいだなぁ」
「ええ?僕だって?僕は君と思って買ったんだよ。」
「でも、この可愛い色は春水さんにも凄く似合っていると思うよ、ねぇ、今度良かったらピンクのものを身に付けてお出かけ、しませんか?」
「わぁ、デートのお誘い?うん、勿論だよ。」
ひとつの花で、ここまで話題が広まったのはとても嬉しい。僕は君とお出かけしたい場所がいくつもあるんだと自慢げに言うと、私も!と主張してきた。わぁ、僕達は意思が通じ合っているよね。
じゃあ、いつにしようかと、出掛けたら目的はなんにしよう?とその日はデートの話題で話が終わった。
翌日、僕は彼女と出かける時用の服を買いに来た。それは有給を取ってまでする事ではないけど、それは僕に必要なこと、だと思い会社を休んで僕は彼女に黙ってショッピングに向かった。
その内容は服を買いに行こうと思ったんだけど、その服は僕用の服ではなくて、彼女の服だ。
僕が選んだ服を彼女に着てもらいたい、それでお出かけしたいなぁと、昨日の夜、彼女と喋っている時に思った。彼女は花柄のワンピースが似合う、可愛い女性だ。だから、僕は彼女に似合うものを数時間かけて選ぼう!と思って意気込んだのは言いものの、これだ!と思うワンピースを、お店に入った瞬間に出会ってしまって、早くショッピングが終わってしまった。
お店から出て、どうするかなぁと思ったとき、京楽さんですか?と話掛けられた。誰だろう?と思って振り向くと名前だった。ええ、なんでここに?
嬉しさと驚きが、僕の脳に感じた。
「わ、私はちょっと用事があって....」
「僕はね、昨日の夜言ったこと覚えてる?」
「え?スイカを一緒に食べたいねって」
「うーん、そうだけど、その話よりもちょっと後の話になるかな」
「.....まさか、...ワンピース....?」
「そう!正解だよ!」
もう〜〜春水さんってば〜〜
許してくれよ、彼女の可愛い姿が見たいのは彼氏としては当然だと思うんだ。僕と彼女は人の邪魔にならないよう、隅っこに移動して話をした。
本当はあと少し怒られてしまうんじゃないかと思っていたんだけど、彼女は思ったよりも、怒らなかった。でも、少しなんだか言いたそうにしていた。
「....あのね、春水さん、」
「うん?なぁに〜?」
「ふふ、...実はね、私も春水さんに似合うものを買ってきたんだよ」
「ええ??」
「えへ、帽子です」
さっきから彼女が持っている、紙袋の中から薄いピンク色の帽子が出てきた。嬉しい、嬉しいなぁ。それを僕にくれるの?と言ったら、似合うと思って、なんて、嬉しい言葉が返ってきた。
「どうかな?似合う?」
「うん!」
値札がついたまま、帽子を被ると、
似合う〜!と彼女が言ってくれた。早く彼女にこのワンピースを着てもらいたい!と思ったんだけど、彼女の携帯が鳴った。ああ〜お呼び出しかな?全く、山じいは相変わらずだなぁ。
「ごめんね春水さん、」
「いいよ、山じいでしょ?あ、山じいに良かったらあそこの羊羹を買ってきてくるから、それをあげてくれる?喜ぶからさ」
「ええ、いいよ、自分で買うよ。」
「ううん、いいよ。だって僕とのいる時間がもっと増えるから。さぁ、行こう」
早く可愛い彼女とお出掛け、したいなぁ。
1/5ページ