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*砂のように落ちる
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僕が【恋】を自覚してから早二週間。
少しづつではあるが彼女。……プレイヤー、[#nama1]とは仲良くやっている。
所謂『友人』と言う名の関係にはなった。
だが、それ止まりでそれ以上関係に進展がない。僕が臆病なのもあるだろう。占い師はアレ以降関わりがない。試合に引っ張りだこなのもそうだが、彼なりに気をつかっているのかもしれない。
全くもって迷惑な話だ。手を貸すのならば最後まで面倒を見て欲しいものだ。僕は正直な所助け舟が欲しくて仕方がない。
今まで恋人どころか友人と呼べる存在がいなかったせいか、僕は人との会話にとても乏しい。会話なんてろくに出来やしないほどだ。
ましてや好意のある相手に会話なんて更に続くはずがない。
……それに彼女も僕のような化け物に好かれて嬉しいはずがない。ああ、きっとそうさ。今日もあまり続かなかった会話に一人俯きポツリとそんな事を想う。
「よお、墓守」
俯く僕に声をかけたのは緑色のフードが目印の傭兵こと【ナワーブ・サベダー】だ。この荘園に来た頃は彼によく世話になった。
今も正直世話になっているがソコについては一旦置いておこう。
「……何か用か」
「いや、俯いていたから声をかけたんだ。何か悩み事か?」
……この【傭兵】と言う人間はよく周りを見ている。ゲームの最中もそうだが、ゲームのない日だってこんな感じだ。少々疲れそうな気もするがそんな所が彼のよいところなのかもしれない。
「た、大した事ではないんだ」
僕は相変らずちゃんと喋ることが出来ない。彼のようにハキハキと喋ることが出来たならと叶いもしない事が頭をよぎる。
「大した事じゃなくてもいい。仲間なんだ。話してくれよ」
そう彼は言う。この男は僕が思うより口が硬い。職業柄なのかもしれないが、打ち明けても良いのかもしれない……。
「……なるほど、[#nama1]を」
僕は彼に[#nama1]の事を好きなのだと打ち明けた。
のはいいが、僕の言葉は彼を酷く困らせているようだ。
「……すまない、このような事を言っても迷惑だったな」
やってしまったと思った。別に彼を困らせたいわけじゃない。
彼は苦笑いしながら
「いや大丈夫だ」
と言うと、続けて僕が最も聞きたくない言葉を告げた。
「お前も【[#nama1]】が好きなのか」