変更可能で読めるお話しには『*』をつけております。
*砂のように落ちる
名前変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私がこの荘園に現れてから早一週間という時間が経った。
ゲームを外から遊ぶはずの【プレイヤー】であった私が何故荘園に居るのか、絵の中のナイチンゲールはわからないとしか答えなかった。私もある程度は調べたが全くと言っていいほど収穫がなかった。
今はバグでも構わない、とりあえずでも誰かと話そう。そう思い立ったのが四日ほど前の事である。
一応皆それ相応に程良い距離感で接してくれている。一人を覗いてだ。
食堂のテーブル越しに会話している私を見ている人物がいる。
【アンドルー・クレス】だ。
彼は墓守という職を持ち、この荘園では救助職というものに着いている。外にいた頃何度も使ったキャラクターだ。 程々に愛着はある。
だが、それ以上もそれ以下もないそんなキャラクターがだ。私に一体何のようなのだろか。
あまりにも見られ続け段々会話が弾まなくなってゆく。それは私と会話してるウィラもそうなのだろう。
気まずそうな顔をした私達は顔を見合せてから墓守の方を向いた。
「クレスさん何か御用ですか?」
意を決して聞いた私の言葉に墓守という男はあまり表情を変えずにキョトンとした顔をした。
「……? いや、用はないが……」
墓守は何故自分が話しかけられたのかわからないという顔をしている。表情筋は動かずだいぶ読み取りづらいが。
「先程から[#nama1]を見ているわ。何か用がある訳じゃないのかしら?」
ウィラこと、調香師が溜息混じりにそう口を挟む。相変わらず墓守は訳が分からないという顔で椅子に座ってこちらを見ている。
……まさか自覚がない?
そう思った時だった。食堂からロビーに繋がるドアが重い音を立てながら開いた。
「すまない、クレスさんはいるかい?」
ドアから顔を出したのは梟を連れた占い師こと、【イライ・クラーク】だ。
?……どこはかとなく嬉しそうな顔をしている気がする。気のせいだろか。
「僕はここだ。何か用か……?」
墓守は席を立ち占い師に近づいてゆく。
「ああ、次の試合の作戦を立てようという話になってね……」
そんな会話をしながら彼等は食堂から出ていった。
「はあ。なんだったのかしら……」
ウィラと私は一つ大きなため息をついた。
1/14ページ