日記

【ネタバレ今回も大丈夫!執筆裏話】第一章についてpart2

2023/01/17 15:00
いろいろ
 だいぶ間が空いてしまいましたが、第一章の裏話part2です。

 さて、今回はPTSDの設定や夢主とスコッチの事についてです。
以前もお伝えした通り、赤井さんが夢主を気に掛ける理由が欲しかったので、夢主は精神的に参っているという設定は最初から決まっていました。ただ、ここまでこじらせるつもりは無かったんですよね💦

 一章を書いている時点では、ケンバリ時代に仲間を失くしたことと、目の前で初恋の相手を失った、という二重のショックでPTSDを発症したという設定でした。
そこに唯一の心の支えだった赤井秀一の『偽装死』動画(撮影者:キール)を見たことで、症状を悪化させた——という設定をくっつけたんです。
つまり、その設定をくっつけることで、赤井さんが夢主を簡単に手放せない状況にしたんですね。


夢主の体調不良(PTSD)は自分にも責任がある。
まして、元々の原因であるケンバリでの出来事も赤井さんはその場にいましたし、スコッチの死も赤井さんが一端を担っています。
到底放っておける状況ではないわけです。

 ただ、色々考えて1章だけ終わらせるのはもったいないな…と思い始め、2章を書くことを決めた時、「いつかケンバリ時代のことも書きたいな~」となって、それが第6章につながっていきます。
また、2章を書いた時点で夢主の生い立ちも書こうと思ったので、精神的なダメージは両親のことにもつながり、より深いものに設定が変わっていきました。
(ごめんよ夢主……)


ま、設定は色々混雑しましたが……。明美さんを愛しながらも、夢主を気にかけていた赤井さん。
そこには赤井さんの面倒見の良さだったり、優しさだったりが垣間見える……そんな赤井秀一を書きたかったんです。

 ただ、それは同情か?と言われると、そうではない、と思います。
赤井さん自身も生死の分からない父親がいます。死んだと思えと言われた時の悲しみや絶望は彼も味わっているはず。
明確に死んだわけでもないけれど、生きているという確証もない。目の前で死を目撃した夢主とは、また別の苦しみはあったでしょうね。まして、スコッチは救えたはずの命。赤井さんのショックは大きかったに違いありません。

 そんな人の生死にかかわる苦しみを知っているからこそ、彼なりに夢主に『寄り添う』という関わりが出来たのでは?と思っています。
つまり、同情ではなく共感に近い感じかな。


 もう一つ、スコッチのことを絡ませることも最初から決めていました。夢主と赤井さんが共有する悲しい出来事という設定ですね。
そのため、ラスティーというコードネームは割と初期に決めていました。

 スコッチベースのお酒を夢主のコードネームにしようと思って、いろいろカクテルを調べました。
女性っぽい響きで、スコッチベースで、他に色々混ぜ物が少ない……という縛りを勝手に作ったため、かなり難航しました(笑)
ラスティー・ネイルというカクテル名を見つけた時は『これだ!』って思いましたね。
ただ原作では、コードネームは誰がどういうルールで決めているのか明確に出てきていません。(でしたよね…!? たぶん…)
自分で好きな名を名乗ってるわけではないんだろうなと思い、組織の上の人(ボスかラム、もしくは名づけ担当者…人事部?ww)が決めたということに。

 偶然だったとはいえ、スコッチベースのコードネームが付いたことに、夢主は内心喜んでいます。
それは短編の『カフェオレ(回想)』でヤンワリと表現しました。
(ラスティーという名を小さくつぶやきます。嬉しかったんです)
この場面では組織に連れてこられて2か月が経過しているため、夢主自身はスコッチとバーボンが公安の仲間だと知っています。
夢主は日本に来て数日で、中国警察にケンバリの報告を済ませていましたし、コッソリ風見さんと連絡を取っていました。

 この時、夢主が(成り行きだったとはいえ)組織潜入に成功したことを、公安上層部は『降谷・諸伏両名には伝えない』決定をした、という設定にしました。
潜入者が増えたことで、「敵にしっぽを掴まれないようにする」という意図ですね。潜入捜査官は任務遂行の為、万が一の時は仲間を切り捨てなければなりません。夢主がNOC だとバレた時、同じ公安部の出身だと知らない方が降谷や諸伏の精神的負担が減るということと、そこから生ずるスキや油断を減らし、彼らがNOCだとバレないようにするということです。

 ま、結局スコッチとラスティーは顔見知りだったので、スコッチはラスティーの素性を知ってましたけどね。
スコッチの死後も降谷さんの動揺っぷりを見た上層部は、それ以降も夢主の素性を降谷さんに明かさないという判断をした、という設定は、やって良かったなと思っています。
原作でも伊織さんの正体が元公安?と分かった回で、安室さんのことを「過去の柵(しがらみ)を引きずって…」と黒田管理官に言う場面がありました。伊織さんだけでなく、おそらく公安もそのことを認識しているだろうな、と。
潜入捜査は僅かなミスも致命傷になり得ますから、余計な情報は入れない方が良い、と判断してもおかしくないなと思いました。

 そんなこんなで、けっこう真面目に(笑)設定を考えていきました。
安室さんが警察学校時代の夢主を覚えていなかった、というところも、『親友を取られちゃうという嫉妬のせい』というかなり強引な設定にしたところもありましたが。

 原作の設定の邪魔をしないように、でも自分の物語がスムーズに進むように。
そのあたりを気を付けて色々決めていったと思います。
スコッチの死の真相も、やや強引に安室さんに認識させてしまったのですが、安室さんに夢主への淡い恋心を抱かせることで、立ち直りを早くさせました。

 赤⇄夢主←安の構図は、赤井さんと安室さんの夢主をめぐる駆け引き的なお話も書きたかったこともありますが、物語はあくまでも夢主と赤井さんの話が中心なので、安室さんがいつまでも落ち込んでると話が進まない……という事情もあったのです(笑)
あまりバトル的なことや、あからさまな敵対心剥き出しシーンは書きませんでしたけど、赤井さんと安室さんが夢主について話すシーンでは、どの章でもこの構図はかなり意識して書いていました。

ああ、もうだいぶ長くなってしまいました……。
あと少し、エンジェルダストにまつわる事件や出来事など伝えたい!
次のpart3でお話しできればいいかな。一章については次回のpart3で終わりにしたいと思います。

どれくらいの方に需要があるか分かりませんが(笑)
では、また~
See you!

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