ペリドットとアンバー短編集
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
とあるホテルのケーキバイキング。
そこに姿を現したのは少年探偵団の5人と、保護者として同行した昴とさくら。
博士は《カロリーオーバーになるから》と哀に止められ、本日はお留守番である。
「わ~ぁ! すごい。カワイイケーキがいっぱい!」
「すっげぇ~!!」
「これ、全部食べて良いんですか~?」
ホテルのカフェに入るや否や、子どもたちは目をまん丸にしてカフェ全体を見回した。その姿を見てさくらがほほ笑む。
「実はウチの大学の学生さんがここのホテルの息子さんなんですって。
先日『サービスデーなのでどうですか』ってチラシを貰ったのよ」
さくらがバッグからチラシを出してみんなに見せた。
「探偵のお仕事頑張ってるから、今日は私からみんなにご褒美よ」
「「「やった~!!」」」
元太と光彦、歩美が歓声を上げた。
(コイツらの尻ぬぐいしてるのは俺だけどな……)
喜ぶ3人をしり目に、コナンは心の中でツッコミを入れる。
ふと哀の方を見ると、ニコニコと笑みを浮かべ、いつもより機嫌がいい。
「おい灰原。おめーもケーキとか嬉しいのかよ」
お前が笑顔見せるなんて珍しいな、とコナンが問いかける。
「当たり前じゃない。女の子は甘いものに目が無いものよ」
——ホント、女心が分かってないわね!
哀はそうつぶやくと、わざとらしくツンとソッポを向いてコナンから距離を取る。
「哀ちゃん、ケーキ見に行こ!」
「ええ!」
歩美と手をつなぎ、二人は嬉しそうにケーキが陳列されたワゴンへ向かった。
「女の子ねぇ……」
コナンは呆れたように二人を見送った。
「じゃあ私たちは場所だけ確保しておきましょうか」
昴がさくらに声をかける。
「ええ、そうですね」
コナンにも「行っておいで」と声をかけ、二人はテーブル席へと向かった。
カフェの壁際にはたくさんのケーキや飲み物が食事ワゴンに載せられて一列に並んでいる。
お客達がめいめい好きなワゴンに集まり、皿にケーキを取り分けていた。
コナンがどれにしようかとキョロキョロしていると、見知った人の後姿が目に留まる。
「あれ? 安室さん。どうしたの?」
フルーツケーキが並んだワゴンの前に、安室が皿を持って立っていた。
「あれ、コナンくん。君もケーキバイキングに来たのかい?」
「うん。元太たちと一緒にね。今日はさくらさんがご馳走してくれるんだって。安室さんはどうしたの?」
皿に小さなケーキが数個乗っているのを見ると、どうやら《捜査》では無いようだ。
「ああ、ポアロで新しいケーキを出そうと思ってね。何かヒントにならないかと思って、梓さんと来てみたんだ」
安室が指さす先には、シフォンケーキのワゴンの前で品定めをする梓の姿が見えた。
「ふ~ん……。安室さんって、けっこう研究熱心だよね」
(ハハハ……時々この人の本業が分からなくなるな…)
安室の正体を知るコナンは、やや半目になって乾いた笑みを浮かべた。
和やかな雰囲気のカフェ。次々と新しいケーキが並べられていた。
女性や子どもたちの賑やかなおしゃべりがここかしこで聞こえる。
4人組の女子高生や二人組のマダム。
小さな子を連れたママさんたち——
皆、美味しいケーキを頬張りながら楽しく語り合っていた。
あちこちで談笑する人々の中に怪しい人影がスッと通り過ぎても、その不穏な動きを気にする者は誰一人いなかった。
「子どもたちがケーキを取りに行っている間に、飲み物を取ってきますね。さくらは何にしますか?」
「あ、昴さんありがとう。私は……そうね、いつもので」
「わかりました。じゃあさくらは皆に分かるようにココに居て下さいね」
全員の席を確保したところで昴が飲み物のコーナーへと向かった。
「さくらお姉さ~ん!」
それと入れ替わるように、一足先にケーキを選んだ歩美が皿を二つ持って座席へと戻ってきた。
「歩美ちゃん早かったわね! あら、お皿を二つ使ったの?」
「ううん。これはお姉さんの分。今日の特別メニューなんだよってカフェのお兄さんに勧められたの。
お姉さんラズベリーのケーキ好きなんでしょう? 洋酒のソースがかかっているから歩美たちは食べられないけど、お姉さんなら大丈夫だよって」
歩美が差し出した皿にはラズベリーのムースに、色鮮やかなベリーのソースがかかっていた。
「わぁ! ありがとう。美味しそうね」
さくらは嬉しそうに皿を受け取る。
歩美の皿には可愛らしいイチゴのケーキとチョコレートケーキが載っていた。
「お待たせしました~」
「いっぱいあって迷っちまうな~」
光彦と元太もお皿にたくさんのケーキを載せて戻ってきた。
やがてトレーに全員分の飲み物を載せた昴が戻る頃には、哀とコナンが昴の分のケーキを持って戻り、隣の席には安室と梓が座った。
「じゃあ早速食べようぜ。おかわりもしたいしな!」
元太がフォークを持って号令をかけた。
「「「いただきま~す」」」
子どもたちは嬉しそうにケーキにかぶりつく。
その様子をさくらはニコニコしながら見ていた。
「あれ、さくらさんのケーキ美味しそうですね。でも……そんな鮮やかなソースが載ったケーキありました?」
皆のケーキを一通り眺めていた安室がさくらに声をかけた。
「あ、それね~歩美が持って来たの。今日の特別メニューだって言ってたよ」
「特別メニュー? 梓さん、そんなのありましたっけ?」
安室が不思議そうに梓に訊ねた。
「さあ……私は見なかったけど、限定品はすぐ無くなっちゃうから……」
「まあ、そうですね」
限定品は人気も高く、ゲット出来ればラッキーだ。広い店内では限定品の存在を知る前に終わっていることもある。
「限定品、か……」
さくらはケーキを眺めた。
「さくら、どうしました?」
なかなかケーキに手を付けないさくらに昴は声をかける。
「あ、ううん。なんでもないよ」
さくらはニッコリ笑ってフォークを手に取った。
(歩美ちゃん……どうして私がラズベリー好きだと知ってたんだろう)
さくらはわずかに違和感を持つ。
自分のラズベリー好きは、この中では昴と安室、梓そしてコナンしか知らないはずだ。もちろんこの四人が何かの折に歩美に話した可能性はあるが。
(まあでも、歩美ちゃんがせっかく持って来てくれたケーキだし……考え過ぎかな)
さくらはフォークで一口分ムースを切り分けるとパクリと口に入れた。
「うん! 美味しい」
甘酸っぱいベリーのソースとふんわりムースが口の中でとろけ合い、絶妙な美味しさだった。
(でも、歩美ちゃんが言ってた《洋酒》の香りは全然感じないけど……)
やはりわずかな違和感を感じつつ、さくらはケーキを飲み込んだ。
ぺろりと皿の上のケーキを食べつくした元太は、再び席を離れて今度は別のケーキの元へ。
光彦、歩美、コナンがそれに続く。
昴もガトーショコラを食べ終え席を立った。
「やっぱりホテルは専門のパティシエが作るから美味しいわね」
哀も持って来た分のケーキを食べ終わり、満足そうにつぶやく。
「さてと…さくらさんは次は何にするの?」
席を立ちながら哀がさくらに声をかけた。
「…」
「さくらさん?」
返事が返ってこないので、哀は不思議そうに顔を上げる。
「ッ!」
やや青い顔をして額に脂汗を浮かべたさくらが、ぼんやりとしていた。
「どうしたの? 具合でも悪い?」
哀は小さな声でさくらに問いかけた。
「う、うん…なんか…ちょっとめまいが…でも大丈夫」
「なら…いいんだけど…」
幸い、哀以外でさくらの体調不良に気付いた者はいない。
「ケーキ見てきて」というさくらの言葉に後押しされ、哀は後ろ髪を引かれつつ皿を手に取る。
自分と入れ替わるように光彦と昴が新しいケーキを皿にのせて戻ってきた。
昴にだけでもさくらの事を伝えようと、哀が声をかけた瞬間——
ドサ…
さくらがイスから崩れ落ちた。
「さくらッ!?」
「さくらさん!?」
昴が慌てて駆け寄った。
席に居た安室と梓も何事かと立ち上がる。
さくらは浅い呼吸を繰り返し、苦しそうに顔を歪めていた。
「どうしました?」
昴と哀がさくらの状態を見ていると、若い男性が近付いた。
「ッ! 星川さんじゃないですか!! どうされたんですか?!」
「あなたは?」
昴の問いかけに男が慌てて答えた。
「僕は仲野と言います。東都大の学生で今日のケーキバイキングの事を星川さんにお話したんですよ」
「ああ、このホテルのオーナーの息子さんだという……」
昴は大学でチラシを渡された、とさくらが話していたことを思い出す。
「体調不良でしょうか? 星川さん、最近体調が優れず大学もお休みされる事が多いですし……お部屋を取りましょう。僕がお連れします。
小さなお子さんもいらっしゃいますし、皆さんはバイキングを楽しんでいってください」
仲野はそういうと、さくらを抱き上げようとした。
そこに姿を現したのは少年探偵団の5人と、保護者として同行した昴とさくら。
博士は《カロリーオーバーになるから》と哀に止められ、本日はお留守番である。
「わ~ぁ! すごい。カワイイケーキがいっぱい!」
「すっげぇ~!!」
「これ、全部食べて良いんですか~?」
ホテルのカフェに入るや否や、子どもたちは目をまん丸にしてカフェ全体を見回した。その姿を見てさくらがほほ笑む。
「実はウチの大学の学生さんがここのホテルの息子さんなんですって。
先日『サービスデーなのでどうですか』ってチラシを貰ったのよ」
さくらがバッグからチラシを出してみんなに見せた。
「探偵のお仕事頑張ってるから、今日は私からみんなにご褒美よ」
「「「やった~!!」」」
元太と光彦、歩美が歓声を上げた。
(コイツらの尻ぬぐいしてるのは俺だけどな……)
喜ぶ3人をしり目に、コナンは心の中でツッコミを入れる。
ふと哀の方を見ると、ニコニコと笑みを浮かべ、いつもより機嫌がいい。
「おい灰原。おめーもケーキとか嬉しいのかよ」
お前が笑顔見せるなんて珍しいな、とコナンが問いかける。
「当たり前じゃない。女の子は甘いものに目が無いものよ」
——ホント、女心が分かってないわね!
哀はそうつぶやくと、わざとらしくツンとソッポを向いてコナンから距離を取る。
「哀ちゃん、ケーキ見に行こ!」
「ええ!」
歩美と手をつなぎ、二人は嬉しそうにケーキが陳列されたワゴンへ向かった。
「女の子ねぇ……」
コナンは呆れたように二人を見送った。
「じゃあ私たちは場所だけ確保しておきましょうか」
昴がさくらに声をかける。
「ええ、そうですね」
コナンにも「行っておいで」と声をかけ、二人はテーブル席へと向かった。
カフェの壁際にはたくさんのケーキや飲み物が食事ワゴンに載せられて一列に並んでいる。
お客達がめいめい好きなワゴンに集まり、皿にケーキを取り分けていた。
コナンがどれにしようかとキョロキョロしていると、見知った人の後姿が目に留まる。
「あれ? 安室さん。どうしたの?」
フルーツケーキが並んだワゴンの前に、安室が皿を持って立っていた。
「あれ、コナンくん。君もケーキバイキングに来たのかい?」
「うん。元太たちと一緒にね。今日はさくらさんがご馳走してくれるんだって。安室さんはどうしたの?」
皿に小さなケーキが数個乗っているのを見ると、どうやら《捜査》では無いようだ。
「ああ、ポアロで新しいケーキを出そうと思ってね。何かヒントにならないかと思って、梓さんと来てみたんだ」
安室が指さす先には、シフォンケーキのワゴンの前で品定めをする梓の姿が見えた。
「ふ~ん……。安室さんって、けっこう研究熱心だよね」
(ハハハ……時々この人の本業が分からなくなるな…)
安室の正体を知るコナンは、やや半目になって乾いた笑みを浮かべた。
和やかな雰囲気のカフェ。次々と新しいケーキが並べられていた。
女性や子どもたちの賑やかなおしゃべりがここかしこで聞こえる。
4人組の女子高生や二人組のマダム。
小さな子を連れたママさんたち——
皆、美味しいケーキを頬張りながら楽しく語り合っていた。
あちこちで談笑する人々の中に怪しい人影がスッと通り過ぎても、その不穏な動きを気にする者は誰一人いなかった。
「子どもたちがケーキを取りに行っている間に、飲み物を取ってきますね。さくらは何にしますか?」
「あ、昴さんありがとう。私は……そうね、いつもので」
「わかりました。じゃあさくらは皆に分かるようにココに居て下さいね」
全員の席を確保したところで昴が飲み物のコーナーへと向かった。
「さくらお姉さ~ん!」
それと入れ替わるように、一足先にケーキを選んだ歩美が皿を二つ持って座席へと戻ってきた。
「歩美ちゃん早かったわね! あら、お皿を二つ使ったの?」
「ううん。これはお姉さんの分。今日の特別メニューなんだよってカフェのお兄さんに勧められたの。
お姉さんラズベリーのケーキ好きなんでしょう? 洋酒のソースがかかっているから歩美たちは食べられないけど、お姉さんなら大丈夫だよって」
歩美が差し出した皿にはラズベリーのムースに、色鮮やかなベリーのソースがかかっていた。
「わぁ! ありがとう。美味しそうね」
さくらは嬉しそうに皿を受け取る。
歩美の皿には可愛らしいイチゴのケーキとチョコレートケーキが載っていた。
「お待たせしました~」
「いっぱいあって迷っちまうな~」
光彦と元太もお皿にたくさんのケーキを載せて戻ってきた。
やがてトレーに全員分の飲み物を載せた昴が戻る頃には、哀とコナンが昴の分のケーキを持って戻り、隣の席には安室と梓が座った。
「じゃあ早速食べようぜ。おかわりもしたいしな!」
元太がフォークを持って号令をかけた。
「「「いただきま~す」」」
子どもたちは嬉しそうにケーキにかぶりつく。
その様子をさくらはニコニコしながら見ていた。
「あれ、さくらさんのケーキ美味しそうですね。でも……そんな鮮やかなソースが載ったケーキありました?」
皆のケーキを一通り眺めていた安室がさくらに声をかけた。
「あ、それね~歩美が持って来たの。今日の特別メニューだって言ってたよ」
「特別メニュー? 梓さん、そんなのありましたっけ?」
安室が不思議そうに梓に訊ねた。
「さあ……私は見なかったけど、限定品はすぐ無くなっちゃうから……」
「まあ、そうですね」
限定品は人気も高く、ゲット出来ればラッキーだ。広い店内では限定品の存在を知る前に終わっていることもある。
「限定品、か……」
さくらはケーキを眺めた。
「さくら、どうしました?」
なかなかケーキに手を付けないさくらに昴は声をかける。
「あ、ううん。なんでもないよ」
さくらはニッコリ笑ってフォークを手に取った。
(歩美ちゃん……どうして私がラズベリー好きだと知ってたんだろう)
さくらはわずかに違和感を持つ。
自分のラズベリー好きは、この中では昴と安室、梓そしてコナンしか知らないはずだ。もちろんこの四人が何かの折に歩美に話した可能性はあるが。
(まあでも、歩美ちゃんがせっかく持って来てくれたケーキだし……考え過ぎかな)
さくらはフォークで一口分ムースを切り分けるとパクリと口に入れた。
「うん! 美味しい」
甘酸っぱいベリーのソースとふんわりムースが口の中でとろけ合い、絶妙な美味しさだった。
(でも、歩美ちゃんが言ってた《洋酒》の香りは全然感じないけど……)
やはりわずかな違和感を感じつつ、さくらはケーキを飲み込んだ。
ぺろりと皿の上のケーキを食べつくした元太は、再び席を離れて今度は別のケーキの元へ。
光彦、歩美、コナンがそれに続く。
昴もガトーショコラを食べ終え席を立った。
「やっぱりホテルは専門のパティシエが作るから美味しいわね」
哀も持って来た分のケーキを食べ終わり、満足そうにつぶやく。
「さてと…さくらさんは次は何にするの?」
席を立ちながら哀がさくらに声をかけた。
「…」
「さくらさん?」
返事が返ってこないので、哀は不思議そうに顔を上げる。
「ッ!」
やや青い顔をして額に脂汗を浮かべたさくらが、ぼんやりとしていた。
「どうしたの? 具合でも悪い?」
哀は小さな声でさくらに問いかけた。
「う、うん…なんか…ちょっとめまいが…でも大丈夫」
「なら…いいんだけど…」
幸い、哀以外でさくらの体調不良に気付いた者はいない。
「ケーキ見てきて」というさくらの言葉に後押しされ、哀は後ろ髪を引かれつつ皿を手に取る。
自分と入れ替わるように光彦と昴が新しいケーキを皿にのせて戻ってきた。
昴にだけでもさくらの事を伝えようと、哀が声をかけた瞬間——
ドサ…
さくらがイスから崩れ落ちた。
「さくらッ!?」
「さくらさん!?」
昴が慌てて駆け寄った。
席に居た安室と梓も何事かと立ち上がる。
さくらは浅い呼吸を繰り返し、苦しそうに顔を歪めていた。
「どうしました?」
昴と哀がさくらの状態を見ていると、若い男性が近付いた。
「ッ! 星川さんじゃないですか!! どうされたんですか?!」
「あなたは?」
昴の問いかけに男が慌てて答えた。
「僕は仲野と言います。東都大の学生で今日のケーキバイキングの事を星川さんにお話したんですよ」
「ああ、このホテルのオーナーの息子さんだという……」
昴は大学でチラシを渡された、とさくらが話していたことを思い出す。
「体調不良でしょうか? 星川さん、最近体調が優れず大学もお休みされる事が多いですし……お部屋を取りましょう。僕がお連れします。
小さなお子さんもいらっしゃいますし、皆さんはバイキングを楽しんでいってください」
仲野はそういうと、さくらを抱き上げようとした。