ペリドットとアンバー短編集
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「ねぇ元太君! あれ…昴さんじゃありませんか?」
学校を出てすぐ、光彦は遠くを歩く昴の姿を見つけた。普段こんな時間に見かけた事は無い。
「ホントだ~。今頃どこ行くんだ?」
「何か推理に行き詰まって、家を出て来たのかもしれませんよ」
「マジか! なんか面白そうだなぁ……光彦、兄ちゃんの後を追っかけてみようぜ!」
「はい!」
好奇心旺盛な少年探偵団の二人は、すぐさま昴の後を追う。それをコナンが見つけて声を掛けた。
「お~い! 二人ともどこ行くんだ~?」
「あ、コナン! ちょうど良いや! お前も来いよ!」
「はぁ?」
ニコニコ顔の元太を見て、コナンは不思議に思いながらも、二人の後を追った。
「歩き方からして散歩…ではなさそうですし…。目的地があるようですね」
どこにも目もくれず、スタスタと歩き続ける昴の姿を見て、光彦がボソリとつぶやいた。
「ああ。この先にあるのはドラッグストアと…歯医者と…公園…」
コナンはすぐさま頭の中で周辺の地図をリサーチした。
「もしかして歯医者か? 兄ちゃん虫歯にでもなったんじゃねえか?」
元太が心配そうに二人に問いかけた。
「まさか! 元太君じゃあるまいし……」
光彦は呆れたように答える。
話をしているうちに、昴は歯医者の前を通り過ぎた。どうやら歯が痛いわけでは無いらしい。コナンは考え込む。
その時、隣で同じように考え込んでいた光彦が不思議そうにコナンに声をかけた。
「ボクちょっと不思議に思ったんですけど……。いつも昴さんってさくらさんと一緒に出掛けるじゃないですか。買い物もお二人揃って、ですよね?」
「た、確かに」
そう言われてみれば確かにそうだ。スーパーへもデパートへも、いつも二人で出掛けている。
今日だって家にはさくらがいるはずなのに。
「ただ単に買い物頼まれたんじゃねぇの? トイレットペーパー無いから買ってこいって言われてさ!」
元太の言いたいことも分かる。『タバコを買いに出たついでに買ってきて』と言われる事もあるだろう。
「でも、昴さんがタバコを買うコンビニはこっちじゃないし……」
コナンはさらに考え込んだ。
3人であれこれ話しているうちに、昴がドラッグストアへと吸い込まれるように入っていく。
「ほら、やっぱりトレぺ頼まれたんだよ」
元太は得意げだ。
(いや、待てよ……。男が一人ドラッグストアに買いに行くもの……)
コナンは目を閉じ考えた。
「!? ま、まさかッ‼」
コナンは一つ思い当たり、思わず顔を赤くした。メガネがずり落ちる。
そう。それこそ恋人がいる男性であれば、必ず用意しなければならない…アレである。
(い、いや…ちょっと待て! それ元太たちに見られて『アレ何?』って訊かれたら……オレ教えなきゃならねぇの?)
コナンの顔から汗が滴り落ちる。今度は血の気が引いて青くなった。
(いや、待て。まだそうとは……。で、でも…赤井さんはさくらさんのところを『抱いてから思いを告げた』って言ってた……。《短編『恋愛相談』》
つまり二人はそういう関係で…。そ、それなら…絶対アレは必要なわけで…だから一人でドラッグストアに買いに……)
そこまで思い当たって、『見た目は子ども頭脳は思春期男子』のコナンはグルグルと考えを巡らせる。
もちろん…どうやって元太と光彦を連れて今すぐここから立ち去るか、だ。
しかしどんなに優秀な頭脳であっても、茹った脳みそからは何も知恵が浮かばない。
浮かんでくるのは……とてもココには書けないような……高校生男子が妄想することばかり。
(だ、ダメだ…しっかりしろッ! オレッ!)
自分の頭に両手を当てて、ぎゅうぅぅっと目を固く閉じた。
なんとか妄想から抜け出て目を開けた時、コナンにさらなる危機が訪れる。元太たちがもうすでに昴の近くに身を潜めていたからだ。
(オイオイオイオイ!! どーすんだよ!)
コナンの焦りはピークに達していた。
よく見ると、昴は店員さんに声を掛けているではないか。
(ちょ、ちょっと! 赤井さん! もしかして…どれが良いとか訊いちゃう? アメリカ人ってみんなそうなの!? 恥ずかしいとか無いの? さくらさん…あの人大丈夫?)
これは国民性の違いなのだろうか。コナンは昴の行動が全く理解できない。
しかもそれを、何も知らない元太と光彦は息を潜め、昴が何を買う気なのか興味津々で見ている。
(本気でヤバい。今すぐ立ち去らないと…)
コナンは逃げる準備をした。
「おい、コナン! 兄ちゃんと店員さん、場所移動するみたいだぞ。オレたちもいくぞ!」
元太に首根っこを掴まれて、もはや逃げることは出来ない——。
(江戸川コナン人生最大のピンチ‼)
元太に引きずられながら、コナンは汗が止まらなかった。
「こちらの商品いかがですか?」
「ほぅ…。これが新商品ですか。従来の物とはかなり違うのですか?」
「ええ、もちろんです。つけ心地は抜群ですよ。しかも、一度なじんでしまえばその後は付けている感じがありません」
「それは良いですね」
(おいおい…なんで店員さんもそんな嬉しそうに説明してんだよ…)
売り場の棚を挟んで反対側に移動したコナン達3人には、店員と昴の声がよく聞こえる。
「香りは付いているのでしょうか?」
「ええ、こちらはフローラル系です。もし香りが気になるようでしたら、無香料もありますよ」
「大きさはこのサイズだけですか?」
「いいえ、こちらのサイズもございます」
「じゃあ…無香料の…こっちでお願いします」
「かしこまりました」
(香りやサイズまで……ってかそれより、そんなん店員さんに聞いて買う物なのか?)
話の内容的にもほぼ間違いないんじゃないか…と、コナンは頭を抱える。そしてコナンの予想通り元太と光彦が二人でなにやら話し込んでいる。
「元太君。ここからじゃ良く分からなかったのですが、昴さんいったい何を買ったのでしょうか?」
「さあ…。サイズと匂いのこと訊いてたよな。フローラルの匂いがする薬なんて、オレ聞いたことねぇぞ」
「確かに…」
「おい、コナン」
「ねえ、コナンくん」
(ヤベぇ…きた…)
コナンのこめかみから汗が滴り落ちた。
「昴さんは」「昴の兄ちゃんは」
「「いったい何を買った?」」
ふたりにじりじりと詰め寄られるコナン。
「え…あの…えっと…」
どう答えて良いのかコナンは本気で困った。数歩後ろに下がるものの、すぐに商品棚が背に触れる。もう逃げ道は無い。
(か、かんべんしてくれ~~~~ッ!!)
コナンはぎゅっと目を瞑った。
学校を出てすぐ、光彦は遠くを歩く昴の姿を見つけた。普段こんな時間に見かけた事は無い。
「ホントだ~。今頃どこ行くんだ?」
「何か推理に行き詰まって、家を出て来たのかもしれませんよ」
「マジか! なんか面白そうだなぁ……光彦、兄ちゃんの後を追っかけてみようぜ!」
「はい!」
好奇心旺盛な少年探偵団の二人は、すぐさま昴の後を追う。それをコナンが見つけて声を掛けた。
「お~い! 二人ともどこ行くんだ~?」
「あ、コナン! ちょうど良いや! お前も来いよ!」
「はぁ?」
ニコニコ顔の元太を見て、コナンは不思議に思いながらも、二人の後を追った。
「歩き方からして散歩…ではなさそうですし…。目的地があるようですね」
どこにも目もくれず、スタスタと歩き続ける昴の姿を見て、光彦がボソリとつぶやいた。
「ああ。この先にあるのはドラッグストアと…歯医者と…公園…」
コナンはすぐさま頭の中で周辺の地図をリサーチした。
「もしかして歯医者か? 兄ちゃん虫歯にでもなったんじゃねえか?」
元太が心配そうに二人に問いかけた。
「まさか! 元太君じゃあるまいし……」
光彦は呆れたように答える。
話をしているうちに、昴は歯医者の前を通り過ぎた。どうやら歯が痛いわけでは無いらしい。コナンは考え込む。
その時、隣で同じように考え込んでいた光彦が不思議そうにコナンに声をかけた。
「ボクちょっと不思議に思ったんですけど……。いつも昴さんってさくらさんと一緒に出掛けるじゃないですか。買い物もお二人揃って、ですよね?」
「た、確かに」
そう言われてみれば確かにそうだ。スーパーへもデパートへも、いつも二人で出掛けている。
今日だって家にはさくらがいるはずなのに。
「ただ単に買い物頼まれたんじゃねぇの? トイレットペーパー無いから買ってこいって言われてさ!」
元太の言いたいことも分かる。『タバコを買いに出たついでに買ってきて』と言われる事もあるだろう。
「でも、昴さんがタバコを買うコンビニはこっちじゃないし……」
コナンはさらに考え込んだ。
3人であれこれ話しているうちに、昴がドラッグストアへと吸い込まれるように入っていく。
「ほら、やっぱりトレぺ頼まれたんだよ」
元太は得意げだ。
(いや、待てよ……。男が一人ドラッグストアに買いに行くもの……)
コナンは目を閉じ考えた。
「!? ま、まさかッ‼」
コナンは一つ思い当たり、思わず顔を赤くした。メガネがずり落ちる。
そう。それこそ恋人がいる男性であれば、必ず用意しなければならない…アレである。
(い、いや…ちょっと待て! それ元太たちに見られて『アレ何?』って訊かれたら……オレ教えなきゃならねぇの?)
コナンの顔から汗が滴り落ちる。今度は血の気が引いて青くなった。
(いや、待て。まだそうとは……。で、でも…赤井さんはさくらさんのところを『抱いてから思いを告げた』って言ってた……。《短編『恋愛相談』》
つまり二人はそういう関係で…。そ、それなら…絶対アレは必要なわけで…だから一人でドラッグストアに買いに……)
そこまで思い当たって、『見た目は子ども頭脳は思春期男子』のコナンはグルグルと考えを巡らせる。
もちろん…どうやって元太と光彦を連れて今すぐここから立ち去るか、だ。
しかしどんなに優秀な頭脳であっても、茹った脳みそからは何も知恵が浮かばない。
浮かんでくるのは……とてもココには書けないような……高校生男子が妄想することばかり。
(だ、ダメだ…しっかりしろッ! オレッ!)
自分の頭に両手を当てて、ぎゅうぅぅっと目を固く閉じた。
なんとか妄想から抜け出て目を開けた時、コナンにさらなる危機が訪れる。元太たちがもうすでに昴の近くに身を潜めていたからだ。
(オイオイオイオイ!! どーすんだよ!)
コナンの焦りはピークに達していた。
よく見ると、昴は店員さんに声を掛けているではないか。
(ちょ、ちょっと! 赤井さん! もしかして…どれが良いとか訊いちゃう? アメリカ人ってみんなそうなの!? 恥ずかしいとか無いの? さくらさん…あの人大丈夫?)
これは国民性の違いなのだろうか。コナンは昴の行動が全く理解できない。
しかもそれを、何も知らない元太と光彦は息を潜め、昴が何を買う気なのか興味津々で見ている。
(本気でヤバい。今すぐ立ち去らないと…)
コナンは逃げる準備をした。
「おい、コナン! 兄ちゃんと店員さん、場所移動するみたいだぞ。オレたちもいくぞ!」
元太に首根っこを掴まれて、もはや逃げることは出来ない——。
(江戸川コナン人生最大のピンチ‼)
元太に引きずられながら、コナンは汗が止まらなかった。
「こちらの商品いかがですか?」
「ほぅ…。これが新商品ですか。従来の物とはかなり違うのですか?」
「ええ、もちろんです。つけ心地は抜群ですよ。しかも、一度なじんでしまえばその後は付けている感じがありません」
「それは良いですね」
(おいおい…なんで店員さんもそんな嬉しそうに説明してんだよ…)
売り場の棚を挟んで反対側に移動したコナン達3人には、店員と昴の声がよく聞こえる。
「香りは付いているのでしょうか?」
「ええ、こちらはフローラル系です。もし香りが気になるようでしたら、無香料もありますよ」
「大きさはこのサイズだけですか?」
「いいえ、こちらのサイズもございます」
「じゃあ…無香料の…こっちでお願いします」
「かしこまりました」
(香りやサイズまで……ってかそれより、そんなん店員さんに聞いて買う物なのか?)
話の内容的にもほぼ間違いないんじゃないか…と、コナンは頭を抱える。そしてコナンの予想通り元太と光彦が二人でなにやら話し込んでいる。
「元太君。ここからじゃ良く分からなかったのですが、昴さんいったい何を買ったのでしょうか?」
「さあ…。サイズと匂いのこと訊いてたよな。フローラルの匂いがする薬なんて、オレ聞いたことねぇぞ」
「確かに…」
「おい、コナン」
「ねえ、コナンくん」
(ヤベぇ…きた…)
コナンのこめかみから汗が滴り落ちた。
「昴さんは」「昴の兄ちゃんは」
「「いったい何を買った?」」
ふたりにじりじりと詰め寄られるコナン。
「え…あの…えっと…」
どう答えて良いのかコナンは本気で困った。数歩後ろに下がるものの、すぐに商品棚が背に触れる。もう逃げ道は無い。
(か、かんべんしてくれ~~~~ッ!!)
コナンはぎゅっと目を瞑った。