降谷さんと義娘【お父さんはトリプルフェイス】
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私の名前はみょうじなまえ。帝丹高校に通う3年生の女子高生、…のはずだったのだが5年前から私は降谷なまえとして生活を始めた。
何故苗字が変わったのか。世間一般には離婚や再婚で苗字が変わることが多いのだろうが、私の場合は’’里親’’の苗字に変わったから、と言えばいいのだろうか。中学2年生の時両親を事故で亡くし、途方に暮れていた所を今のお父さんに拾われたというわけ。
私のお父さんは安室透もとい降谷零、またはウィスキーだったか焼酎だったか?しつこく聞いても詳しく教えてくれないのだがお酒の名前をハンドルネームにしている職にも就いているのだとか。
公安に勤め、情報収集のために身元を偽って探偵兼喫茶店でアルバイトをしている。ということらしい。
職業を聞いてそのハイスペックさに驚いたものの、私が一番驚愕したのは年齢で。
拾われた当時中学2年生14歳の私に対してお父さんは24歳。今は18歳だから父は29歳になる。
こんなに年齢差のない親子は世間でも稀に見るレアケースではないだろうか。実際に私の周りの友達のお父さんは40歳代が多く、二人で歩いていると妹と兄にしか見えないとよく言われる。
それに私はお父さんのことを’’父親’’として見たことがない。否、見れない。初めて出会った時から私は零さんに恋をしていて、これは私の友達や、ましては零さん本人も知らない気持ちで、そして絶対に知られてはいけない秘密の恋。
父と娘という関係を越える勇気などあるわけもなく今日も良い’’娘’’を演じる私。お父さんに恋人ができるまでせめて想うだけでも許してほしい。もしその日が来たなら潔く諦める覚悟は出来ている。
・
・
・
「ちょっとお父さん!!私のアイス食べたよね?!一緒に買いに行った時お父さんバニラにしてたじゃん!」
「まあまあ、なまえ落ち着け。アイスならまた買ってく」
「今!今食べたかったのに!私のアイスちゃん……ああお風呂上がり唯一の楽しみ…」
がっくりとうなだれる私に苦笑いで謝罪を述べる彼は私のお父さん。一昨日、買い物に行った時買ってもらったアイスを食べられていたようで冷凍庫の中で楽しみに寝かせておいたアイスは忽然と姿を消していた。犯人捜しをすることなくアイスを食べたのは目の前のお父さんしかいないわけで。
「ごめん、ごめん。どうしても食べたくてな…明日一緒に買いに行こう!今度こそ食べないから」
「……ほんと?…じゃあ……許す」
アイス1つで騒ぎ立てる私だが、案外簡単な性格である。’’一緒に’’買いに行こうと言われただけで許せてしまうのだから。
「明日はポアロの退勤がなまえの学校終わりと重なる頃のはず。悪いがお店に寄ってもらえるか?」
「分かった!絶対だからね!」
頬を膨らませふくれっ面な私の頭をポンポンと撫で、人差し指で膨らんだ頬押されブフっと可愛くない音が鳴った。
「…フッ、なまえは本当に可愛いな。」
「はいはい。ありがとうございますっと。」
アイスを食べられ、怒っている私に対するご機嫌取りのように思われるだろうが、これはお父さんの通常運転。引き取られた当初はこんなに親バカになるとは思わなかった。今はされないものの中学生の時は愛しさがこみ上げるたび抱きしめられていた。最初のうちは慣れないスキンシップに加え恋愛感情を持ち合わせていた私にとって心臓破壊されかねない行為だった。のだが慣れとは恐ろしいもので今では囁かれる愛の言葉(?)もスルー出来るようになった。
「(あー…ポアロに行くのかあ、)」
頭を好きに撫でる父を尻目に明日のことを考える。
ポアロが嫌いというわけでないのだが、うーん…どちらかと言えば苦手なのだ。食べ物も梓さんも大好きだし、落ち着いた空間で言う事無しなのだが如何せん娘として気まずいあの場所。
私がお父さんに好意を寄せているからこそ分かったことがある。梓さんはきっとお父さんのことを恋愛対象として見ていて、幸か不幸か目の前の父はその好意に気づいていない。
それを第三者として見なければいけない私のこの気持ち。
’’親子’’という関係を持ち合わせていない、お父さんと梓さんを羨ましく思ってしまう…妬みなのだろうか。とにかく自分が蚊帳の外にいるような寂しいような気持ちになってしまうのだ。
「その代わり!と言ってはなんだが、今日はなまえの大好物を作ってみた」
ひとしきり頭を撫でたお父さんはキッチンに向かうと夕飯を準備を始め出した。
「なまえとりあえず髪を乾かしてきなさい。俺はご飯の準備をするから、…ちなみにローストビーフ。」
「やった!急いで乾かしてきます!お父様!」
警察官よろしく敬礼をし急いで洗面所に向かいドライヤーで髪を乾かす。
「…まってこれってお父さんに良いように転がされた?…アイスを食べたのもわざとだったりする…?」
あの父なら十分ありえること。前もふて腐れる私を見たくてしょうもない意地悪をされたし、今回もその類なのではないか?
仕事の時は誰よりもクール(風見さんから聞いた)なのにオフの時は案外子どもっぽいところがあるお父さん。まあそのギャップも好きなところなのだが。
髪を乾かし終わりそっとリビングに入ると、鼻歌を歌いながら上機嫌で用意をしている後ろ姿。
「(上機嫌すぎて怖い)」
「あ、なまえ、もう出来るよ。」
何も手伝わないわけにもいかず取り皿やコップ、箸などを棚から取り出し机に並べていく。
「よく出来た娘に育ってくれたな、お父さん嬉しい。」
いや、私何歳よ?小学生でもあるまし、夕食の準備を少し手伝っただけでここまで褒められるってどんな親バカフィルターかかってるの。よく私に「目に入れても痛くない」と言うがこれ本当の子どもいたら、溺愛するあまり食べてしまうんじゃないか?
「お父さん、私もう高校生だしなんなら来年卒業するんだよ?」
「なまえがいくつになろうが、お前はずっと可愛い俺の愛娘だ!」
「お父さん……私お嫁にいけない気がしてきた…」
「え!?まさか好きな人でも…?認めないからな。俺は絶対に認めない。」
’’お嫁’’というキーワードに過剰に反応を示したお父さんは完全に1人の世界に入ってしまったようで言葉をかけても返事は返ってこない。
「お父さん…好きな人はいないから安心して?」
「なまえそういえばこの間、LIMEの通知に快斗という名前を見たが…まさかそいつじゃ?」
「だーかーら!いないって!しかも快斗は友達だし青子っていう幼馴染が」
「……もう一度身辺調査をするべきか」
「…ん?なんて?」
ボソリととんでもないことを呟いた父に、踏み込んではいけない何かを感じ一歩引いた。
「お父さん!…私将来はお父さんと結婚するから!お嫁に行かないよ!」
正直きつい、キツすぎる。幼児が言えばとっても可愛いのだろうが私は高校生で、流石に
「…本当?ならよかった」
うん、私のお父さんには通用したようだ。これいつまで経っても子離れできないやつじゃん。
まるでコントのようだがこれが私たちの日常。永遠に続くわけないと分かっているけど、ずっと続きますようにと願わずにはいられない。
何故苗字が変わったのか。世間一般には離婚や再婚で苗字が変わることが多いのだろうが、私の場合は’’里親’’の苗字に変わったから、と言えばいいのだろうか。中学2年生の時両親を事故で亡くし、途方に暮れていた所を今のお父さんに拾われたというわけ。
私のお父さんは安室透もとい降谷零、またはウィスキーだったか焼酎だったか?しつこく聞いても詳しく教えてくれないのだがお酒の名前をハンドルネームにしている職にも就いているのだとか。
公安に勤め、情報収集のために身元を偽って探偵兼喫茶店でアルバイトをしている。ということらしい。
職業を聞いてそのハイスペックさに驚いたものの、私が一番驚愕したのは年齢で。
拾われた当時中学2年生14歳の私に対してお父さんは24歳。今は18歳だから父は29歳になる。
こんなに年齢差のない親子は世間でも稀に見るレアケースではないだろうか。実際に私の周りの友達のお父さんは40歳代が多く、二人で歩いていると妹と兄にしか見えないとよく言われる。
それに私はお父さんのことを’’父親’’として見たことがない。否、見れない。初めて出会った時から私は零さんに恋をしていて、これは私の友達や、ましては零さん本人も知らない気持ちで、そして絶対に知られてはいけない秘密の恋。
父と娘という関係を越える勇気などあるわけもなく今日も良い’’娘’’を演じる私。お父さんに恋人ができるまでせめて想うだけでも許してほしい。もしその日が来たなら潔く諦める覚悟は出来ている。
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「ちょっとお父さん!!私のアイス食べたよね?!一緒に買いに行った時お父さんバニラにしてたじゃん!」
「まあまあ、なまえ落ち着け。アイスならまた買ってく」
「今!今食べたかったのに!私のアイスちゃん……ああお風呂上がり唯一の楽しみ…」
がっくりとうなだれる私に苦笑いで謝罪を述べる彼は私のお父さん。一昨日、買い物に行った時買ってもらったアイスを食べられていたようで冷凍庫の中で楽しみに寝かせておいたアイスは忽然と姿を消していた。犯人捜しをすることなくアイスを食べたのは目の前のお父さんしかいないわけで。
「ごめん、ごめん。どうしても食べたくてな…明日一緒に買いに行こう!今度こそ食べないから」
「……ほんと?…じゃあ……許す」
アイス1つで騒ぎ立てる私だが、案外簡単な性格である。’’一緒に’’買いに行こうと言われただけで許せてしまうのだから。
「明日はポアロの退勤がなまえの学校終わりと重なる頃のはず。悪いがお店に寄ってもらえるか?」
「分かった!絶対だからね!」
頬を膨らませふくれっ面な私の頭をポンポンと撫で、人差し指で膨らんだ頬押されブフっと可愛くない音が鳴った。
「…フッ、なまえは本当に可愛いな。」
「はいはい。ありがとうございますっと。」
アイスを食べられ、怒っている私に対するご機嫌取りのように思われるだろうが、これはお父さんの通常運転。引き取られた当初はこんなに親バカになるとは思わなかった。今はされないものの中学生の時は愛しさがこみ上げるたび抱きしめられていた。最初のうちは慣れないスキンシップに加え恋愛感情を持ち合わせていた私にとって心臓破壊されかねない行為だった。のだが慣れとは恐ろしいもので今では囁かれる愛の言葉(?)もスルー出来るようになった。
「(あー…ポアロに行くのかあ、)」
頭を好きに撫でる父を尻目に明日のことを考える。
ポアロが嫌いというわけでないのだが、うーん…どちらかと言えば苦手なのだ。食べ物も梓さんも大好きだし、落ち着いた空間で言う事無しなのだが如何せん娘として気まずいあの場所。
私がお父さんに好意を寄せているからこそ分かったことがある。梓さんはきっとお父さんのことを恋愛対象として見ていて、幸か不幸か目の前の父はその好意に気づいていない。
それを第三者として見なければいけない私のこの気持ち。
’’親子’’という関係を持ち合わせていない、お父さんと梓さんを羨ましく思ってしまう…妬みなのだろうか。とにかく自分が蚊帳の外にいるような寂しいような気持ちになってしまうのだ。
「その代わり!と言ってはなんだが、今日はなまえの大好物を作ってみた」
ひとしきり頭を撫でたお父さんはキッチンに向かうと夕飯を準備を始め出した。
「なまえとりあえず髪を乾かしてきなさい。俺はご飯の準備をするから、…ちなみにローストビーフ。」
「やった!急いで乾かしてきます!お父様!」
警察官よろしく敬礼をし急いで洗面所に向かいドライヤーで髪を乾かす。
「…まってこれってお父さんに良いように転がされた?…アイスを食べたのもわざとだったりする…?」
あの父なら十分ありえること。前もふて腐れる私を見たくてしょうもない意地悪をされたし、今回もその類なのではないか?
仕事の時は誰よりもクール(風見さんから聞いた)なのにオフの時は案外子どもっぽいところがあるお父さん。まあそのギャップも好きなところなのだが。
髪を乾かし終わりそっとリビングに入ると、鼻歌を歌いながら上機嫌で用意をしている後ろ姿。
「(上機嫌すぎて怖い)」
「あ、なまえ、もう出来るよ。」
何も手伝わないわけにもいかず取り皿やコップ、箸などを棚から取り出し机に並べていく。
「よく出来た娘に育ってくれたな、お父さん嬉しい。」
いや、私何歳よ?小学生でもあるまし、夕食の準備を少し手伝っただけでここまで褒められるってどんな親バカフィルターかかってるの。よく私に「目に入れても痛くない」と言うがこれ本当の子どもいたら、溺愛するあまり食べてしまうんじゃないか?
「お父さん、私もう高校生だしなんなら来年卒業するんだよ?」
「なまえがいくつになろうが、お前はずっと可愛い俺の愛娘だ!」
「お父さん……私お嫁にいけない気がしてきた…」
「え!?まさか好きな人でも…?認めないからな。俺は絶対に認めない。」
’’お嫁’’というキーワードに過剰に反応を示したお父さんは完全に1人の世界に入ってしまったようで言葉をかけても返事は返ってこない。
「お父さん…好きな人はいないから安心して?」
「なまえそういえばこの間、LIMEの通知に快斗という名前を見たが…まさかそいつじゃ?」
「だーかーら!いないって!しかも快斗は友達だし青子っていう幼馴染が」
「……もう一度身辺調査をするべきか」
「…ん?なんて?」
ボソリととんでもないことを呟いた父に、踏み込んではいけない何かを感じ一歩引いた。
「お父さん!…私将来はお父さんと結婚するから!お嫁に行かないよ!」
正直きつい、キツすぎる。幼児が言えばとっても可愛いのだろうが私は高校生で、流石に
「…本当?ならよかった」
うん、私のお父さんには通用したようだ。これいつまで経っても子離れできないやつじゃん。
まるでコントのようだがこれが私たちの日常。永遠に続くわけないと分かっているけど、ずっと続きますようにと願わずにはいられない。