本編
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待ちに待ったお休みの日。今日は志保ちゃん·····いや、哀ちゃんの方がいいのかな?哀ちゃんのいる阿笠博士の研究所にお邪魔する日である。
美味しいと有名なお店のケーキをいくつか買ってルンルン気分で向かう。遊びに行くわけじゃないんだけど久々に会えるのが嬉しいのと、·····詰まることろ小さい子供が好きなのだ。あんなに整った顔をした志保ちゃんが幼児後退した姿は不謹慎にもとても可愛かった。本当に妹にして甘やかしたい。これぞ天使スター(天シスター)である。
「おじゃましまーす。」
インターホンを押して中に通され広い室内に届くように声を張り上げでお断りをいれたが、これ聞こえてる?
広いリビングにでると阿笠博士と、志保ちゃんと見覚えないのない子供たちが3人。
「誰だ、このネーチャン!」
「元太くん失礼ですよ?まず名乗るなら自分からです!」
個性的な子供たちだ。体の大きい子は元太くん、そばかす顔の彼は光彦くんで、カチューシャをしている可愛らしい女の子は歩美ちゃんと言うらしい。お土産のケーキを食べようと言うと目を輝かせて喜んでくれた。(主に元太くん)
子供はなんて無邪気で可愛いんだろう。
「コナンくんも久しぶりだね!」
彼の事情は大まかに知っている。志保ちゃんが事の経緯を話してくれたからだ。本当の自分を偽って親しかった人と接さなければならないのはどれほど辛いのだろう。そんな彼らのためにもいち早く元に戻れる薬を作らなければならない。
「もういいかしら?大事な話があるの」
「ちぇー。灰原だけずりーよ!」
しばらくゆっくりお茶をして一区切りがついたところで、本題に入った。子供たちの前では話せないので彼女の部屋でメールでは言えなかった詳しい研究成果について報告しあう。
「前にも連絡したけど一度工藤くんの体が元に戻ったこともあったの。風邪の状態が長引くと元に戻ることが分かってる。その状態を誘発するのがパイカルだったの。ただ飲み続けるとお酒が強くなるように耐性がつく。しかも短時間なの。恐らく同じ方法で元に戻るのは難しいわ。」
「お酒、か。そんなことがあったんだね。風邪の時に元に戻ったと聞いてピンときたの。大抵の人が持ってる旧型のウイルスって既に体の中に抗体が出来てる訳じゃない?それを利用出来ないかなって思って。症状が出ない、且つ健康に影響が出ない程度のウイルスを改良してみようと思う。体内で上手いこと作用し合えれば成功なんだけど。それで幼児後退の構造を理解するために後退化薬を作ったの。理論上は大丈夫だとは思うんだけど…後は実験を繰り返して経過を観察していかないとダメかな。成功すれば次のステップに進めそう。」
「驚いたわ。もうそんなに進んでたのね。·····本当にありがとう。組織にはこの事は気づかれてない?あなたの身が心配だわ·····。」
「今のところは大丈夫だよ。実験も全部家でしてるし記録が残らないように徹底してる。」
「そう……。何かあったらいつでも言ってきて。ベルモットにはこのことは?」
「ううん、言ってないの。他言はしないと思うけどリスクが増えるし秘密を背負わせて迷惑はかけたくないんだ。」
お互いの持ちうる情報を交換し終われば、話は自然と雑談に傾いてくる。
「ところで、例のカフェ店員さんはどうなったの?」
「あー…うん。平行線、かなぁ?特に進展もないの。(あんなことがあったし)」
「あら、そ?平行線にしては浮かない顔ね。別に深くは聞かないけどなにかあったら言って。話を聞くことはできるわ。」
「うん、ありがと。」
志保ちゃんはなんでもお見通しのようだ。頼りになる人が近くにいるだけでこんなに頼もしいことはない。
窓から見た景色はもうすっかり暮れていて、騒がしかった子供たちの声も聞こえなくなっていた。リビングに出ると3人組は帰ったらしく賑やかだった部屋もすっかり静まり返っていた。
「えっと、新一くんって呼べばいいのかな?会うのは哀ちゃんが小さくなった時以来だね。」
「呼び方はお任せします。そうですね、お久しぶりです。」
差し出された手を握り返す。うわあ、おてて小さくってかわいい…。
「今哀ちゃんと幼児後退を治す薬の話をしてきたばかりなの。研究はアンチ後退化薬を作り出すため、その元となる後退化薬の試作品が出来たとところなの。まだ元に戻せる薬は作れてないけど不可能じゃないってことは言える、かな。」
「まさかそんなに進んでいたなんて。…ありがとうございます。」
そのあとは、阿笠博士の計らいで夕食に誘っていただき、素直に甘えることにした。コナン君は居候している先で既に夕ご飯が用意されていたため一緒に食べることはできなかったが、少しの時間で彼が正義感に溢れる好青年であることが分かった。見た目は可愛い少年だけど。そんな彼のためにもなると思えば益々研究を頑張ろうと思える。あと志保ちゃんのためにも。
***
博士が出す食後のクイズがなかなかに面白くて随分長居してしまい、人を行き交う人は少ない。蛍光灯の頼りない光が照らす夜道を少し速度を速めて歩く。肩に掛けていたバッグがブーブーと振動し震源である組織用のスマホを取り出した。辺りが静かなだけあっていつもよりうるさく聞こえ、急いでロックを解除した。
「はい、カルヴァドス。」
’’俺だ。例の任務の件で連絡した。今大丈夫か?’’
聞き慣れた低い声が鼓膜を揺らし、名前を名乗らなくとも誰か分かる。念のため人がいないか見渡したが、生憎誰一人といなかった。居れば通話を終了させる口実ができたってのに。
''おそらく今日あたりにバーボンから連絡がくると思うが、それとは別件だ。お前に聞きたいことがあってな…俺に何か隠し事はないか?’’
「別に…何も」
''そうか。ならいい、''
心臓がドクりを脈打つのが分かった。一気に押し寄せた緊張感に口の中の水分がなくなり、やっとのことで絞り出せたのがこの一言だった。きっと隠れて研究していることがバレている。研究内容までは知られていないはずだが。動揺がバレないようになんでもなかったかのように話した。
「急に連絡がくるものだからびっくりしたよ……また無茶な任務をさせられるのかと思った。」
''フッ。今まで俺がお前に無茶な任務をさせた覚えはない''
きっとこの人の「無茶」の基準がおかしいのだ。私はおかしくない…はず。長いことこの世界にいたら常人の感覚からはずれてしまうんだろうな、私はそうはならないけど。だって自分の命が惜しいし。
''ま、そういうことだ。変な真似はするなよ。俺たちもお前を失いたくはないからな。’’
「よく分からないけど分かった。」
ブチりと切れた電話を震える手でバックに仕舞った。まだ心臓がどきどきしている。’’俺たちもお前を失いたくない’’という言葉を胸の中で反芻する。つまり何かすれば「始末」されるということだ。ぞわりと肌が粟立つ。今自分が置かれている立場の危うさを改めて実感する。電話を切ってからあまり時間が経たないうちにバッグの中の携帯がブルっと一回だけ短く振動する。メールを受信したようだった。
【ご無沙汰しております。次の任務の打ち合わせのため一度お会いしたいのですが】
『かしこまりました。こちらはいつでも大丈夫です。バーボンさんのご都合のいい日で構いません。』
送り主はバーボンさん。あの一件から顔を合わせずらくて最近はポアロにすら行ってない。本心では行きたくなかったが、これも任務のうちの一つだし、前回の任務で痛い目を見て出来ることなら入念な準備をしてもらった方がこちらとしてありがたい。幸いにも彼は私の正体に気付いてないようだし。打ち合わせでベルに変装を施してもらうのは忍びないが頼むしかしないなあ。
美味しいと有名なお店のケーキをいくつか買ってルンルン気分で向かう。遊びに行くわけじゃないんだけど久々に会えるのが嬉しいのと、·····詰まることろ小さい子供が好きなのだ。あんなに整った顔をした志保ちゃんが幼児後退した姿は不謹慎にもとても可愛かった。本当に妹にして甘やかしたい。これぞ天使スター(天シスター)である。
「おじゃましまーす。」
インターホンを押して中に通され広い室内に届くように声を張り上げでお断りをいれたが、これ聞こえてる?
広いリビングにでると阿笠博士と、志保ちゃんと見覚えないのない子供たちが3人。
「誰だ、このネーチャン!」
「元太くん失礼ですよ?まず名乗るなら自分からです!」
個性的な子供たちだ。体の大きい子は元太くん、そばかす顔の彼は光彦くんで、カチューシャをしている可愛らしい女の子は歩美ちゃんと言うらしい。お土産のケーキを食べようと言うと目を輝かせて喜んでくれた。(主に元太くん)
子供はなんて無邪気で可愛いんだろう。
「コナンくんも久しぶりだね!」
彼の事情は大まかに知っている。志保ちゃんが事の経緯を話してくれたからだ。本当の自分を偽って親しかった人と接さなければならないのはどれほど辛いのだろう。そんな彼らのためにもいち早く元に戻れる薬を作らなければならない。
「もういいかしら?大事な話があるの」
「ちぇー。灰原だけずりーよ!」
しばらくゆっくりお茶をして一区切りがついたところで、本題に入った。子供たちの前では話せないので彼女の部屋でメールでは言えなかった詳しい研究成果について報告しあう。
「前にも連絡したけど一度工藤くんの体が元に戻ったこともあったの。風邪の状態が長引くと元に戻ることが分かってる。その状態を誘発するのがパイカルだったの。ただ飲み続けるとお酒が強くなるように耐性がつく。しかも短時間なの。恐らく同じ方法で元に戻るのは難しいわ。」
「お酒、か。そんなことがあったんだね。風邪の時に元に戻ったと聞いてピンときたの。大抵の人が持ってる旧型のウイルスって既に体の中に抗体が出来てる訳じゃない?それを利用出来ないかなって思って。症状が出ない、且つ健康に影響が出ない程度のウイルスを改良してみようと思う。体内で上手いこと作用し合えれば成功なんだけど。それで幼児後退の構造を理解するために後退化薬を作ったの。理論上は大丈夫だとは思うんだけど…後は実験を繰り返して経過を観察していかないとダメかな。成功すれば次のステップに進めそう。」
「驚いたわ。もうそんなに進んでたのね。·····本当にありがとう。組織にはこの事は気づかれてない?あなたの身が心配だわ·····。」
「今のところは大丈夫だよ。実験も全部家でしてるし記録が残らないように徹底してる。」
「そう……。何かあったらいつでも言ってきて。ベルモットにはこのことは?」
「ううん、言ってないの。他言はしないと思うけどリスクが増えるし秘密を背負わせて迷惑はかけたくないんだ。」
お互いの持ちうる情報を交換し終われば、話は自然と雑談に傾いてくる。
「ところで、例のカフェ店員さんはどうなったの?」
「あー…うん。平行線、かなぁ?特に進展もないの。(あんなことがあったし)」
「あら、そ?平行線にしては浮かない顔ね。別に深くは聞かないけどなにかあったら言って。話を聞くことはできるわ。」
「うん、ありがと。」
志保ちゃんはなんでもお見通しのようだ。頼りになる人が近くにいるだけでこんなに頼もしいことはない。
窓から見た景色はもうすっかり暮れていて、騒がしかった子供たちの声も聞こえなくなっていた。リビングに出ると3人組は帰ったらしく賑やかだった部屋もすっかり静まり返っていた。
「えっと、新一くんって呼べばいいのかな?会うのは哀ちゃんが小さくなった時以来だね。」
「呼び方はお任せします。そうですね、お久しぶりです。」
差し出された手を握り返す。うわあ、おてて小さくってかわいい…。
「今哀ちゃんと幼児後退を治す薬の話をしてきたばかりなの。研究はアンチ後退化薬を作り出すため、その元となる後退化薬の試作品が出来たとところなの。まだ元に戻せる薬は作れてないけど不可能じゃないってことは言える、かな。」
「まさかそんなに進んでいたなんて。…ありがとうございます。」
そのあとは、阿笠博士の計らいで夕食に誘っていただき、素直に甘えることにした。コナン君は居候している先で既に夕ご飯が用意されていたため一緒に食べることはできなかったが、少しの時間で彼が正義感に溢れる好青年であることが分かった。見た目は可愛い少年だけど。そんな彼のためにもなると思えば益々研究を頑張ろうと思える。あと志保ちゃんのためにも。
***
博士が出す食後のクイズがなかなかに面白くて随分長居してしまい、人を行き交う人は少ない。蛍光灯の頼りない光が照らす夜道を少し速度を速めて歩く。肩に掛けていたバッグがブーブーと振動し震源である組織用のスマホを取り出した。辺りが静かなだけあっていつもよりうるさく聞こえ、急いでロックを解除した。
「はい、カルヴァドス。」
’’俺だ。例の任務の件で連絡した。今大丈夫か?’’
聞き慣れた低い声が鼓膜を揺らし、名前を名乗らなくとも誰か分かる。念のため人がいないか見渡したが、生憎誰一人といなかった。居れば通話を終了させる口実ができたってのに。
''おそらく今日あたりにバーボンから連絡がくると思うが、それとは別件だ。お前に聞きたいことがあってな…俺に何か隠し事はないか?’’
「別に…何も」
''そうか。ならいい、''
心臓がドクりを脈打つのが分かった。一気に押し寄せた緊張感に口の中の水分がなくなり、やっとのことで絞り出せたのがこの一言だった。きっと隠れて研究していることがバレている。研究内容までは知られていないはずだが。動揺がバレないようになんでもなかったかのように話した。
「急に連絡がくるものだからびっくりしたよ……また無茶な任務をさせられるのかと思った。」
''フッ。今まで俺がお前に無茶な任務をさせた覚えはない''
きっとこの人の「無茶」の基準がおかしいのだ。私はおかしくない…はず。長いことこの世界にいたら常人の感覚からはずれてしまうんだろうな、私はそうはならないけど。だって自分の命が惜しいし。
''ま、そういうことだ。変な真似はするなよ。俺たちもお前を失いたくはないからな。’’
「よく分からないけど分かった。」
ブチりと切れた電話を震える手でバックに仕舞った。まだ心臓がどきどきしている。’’俺たちもお前を失いたくない’’という言葉を胸の中で反芻する。つまり何かすれば「始末」されるということだ。ぞわりと肌が粟立つ。今自分が置かれている立場の危うさを改めて実感する。電話を切ってからあまり時間が経たないうちにバッグの中の携帯がブルっと一回だけ短く振動する。メールを受信したようだった。
【ご無沙汰しております。次の任務の打ち合わせのため一度お会いしたいのですが】
『かしこまりました。こちらはいつでも大丈夫です。バーボンさんのご都合のいい日で構いません。』
送り主はバーボンさん。あの一件から顔を合わせずらくて最近はポアロにすら行ってない。本心では行きたくなかったが、これも任務のうちの一つだし、前回の任務で痛い目を見て出来ることなら入念な準備をしてもらった方がこちらとしてありがたい。幸いにも彼は私の正体に気付いてないようだし。打ち合わせでベルに変装を施してもらうのは忍びないが頼むしかしないなあ。